雨月 ひより
2024-03-02 22:59:37
5531文字
Public
 

買い物デート

旧サイトの相互記念に捧げたフォファル。
リクエストはTwitter(X)にて受けたので改めて載せました。
既にpixiv等にも載せているので修正はありません。
擬人化、キス描写含まれます。

「休暇の所、済まないが買い物を頼めるか?」

今日は仕事もバトルも休み。

だから、ファルコと前からデートと言うか、お互いの買い物に付き合おうと約束していて、そこで『どうせ行くならステージにもなっているコーネリアに買い物に行こう』となったから、待ち合わせた時間より少し早めに行こうとして、部屋から出ると、ちょうどシモンさんと会って頼まれごと。

「良いですよ」

「有難う。では、之を頼みたいのだが

自分達の買い物のついででもあるし、了承すると、メモを渡されたので書かれている内容を読んでいるとそこへ。

「あら、これから買い物?ついでで良いから、これもお願い出来るかしら?」

サムスもやって来てメモを握らされた。

「えっ?姉貴も!?わっ!ちょっと?!」

それにはまだ了承していなのに、半ば強引に握らされたメモも読んでいると肩に何かが乗った。

「フーちゃん!おでかけするの?!ボクも行きたーい!」

この名前で俺を呼ぶのは一人だけ。

カービィだ。

「カービィ、ダメだよー!フォックスはこれからデートなんだって!!」

後ろからピカチュウの大きな声が聞こえた。

誰にも言っていないのに、デートだと気付かれてしまった

「デート!其れは済ま無い事を頼んでしまったな」

「あら、デートだったの?あんた達、いつまでも初々しくて良いわね~」

なんて、シモンさんとサムスに言われていると、ピカチュウの大きな声を聞き付けてなのか、次々と他のメンバー達が部屋から出て来てしまった。

「ほーん、デートかぁ

「で、誰となんだぁ?」

「決まってるじゃないですか、さんですよ!」

「何だとぉー?!」

おいおい、何だか色々と騒がしくなってきたぞ。

「だぁー!もー!じゃあ、行って来ます!!」

騒がしくなってきたのもあって急いでドアを開けたら、後ろから『行ってらっしゃ~い!』と送られた。



と、言う訳なんです」

ふーん」

そんなことがあって、屋敷を早く出た筈なのに、コーネリアの街の中央にある噴水広場に着くと、ファルコがもう来ていた。

なので、遅刻した理由を言い訳していた。

「お前が遅刻なんて珍しいし、俺は別に気にしちゃいねぇよ」

なんて、言ってくれたが、ちょっと怒っているようにも見えるぞ。

「つーか、お前、まさか、デートって、言ったんじゃねぇよな?」

「俺は言っていないけど、他の人達からデートって言われたから多分、バレたかもな

多分と言ったが、今考えたら、絶対にだ。

まぁ、事実だから、良いけどよ」

「えっ?!」

ボソッとファルコが何か言ったみたいだが分からなかった。

「ほれ、ボサッとつっ立ってねぇで、早く行こうぜ!」

「あっ、ちょっと!!」

ファルコを追って広場をあとにした。

この噴水広場は、待ち合わせにはうってつけの場所。

だけど最近は、友達やカップル達の間で流行っている場所として取り上げられることもあった。

(そう言えば、この前読んだ雑誌にも載っていたような

その噴水広場から少し離れてファルコに追い付く。

「で?買うモンの内容は?」

「あっ、そうだった!」

ファルコから言われて気付いて、渡された(半ば強引なのもある)メモを読みながらゆっくり歩く。

「これが、姉貴で、こっちが、シモンさんから頼まれたメモ」

「流石はシモンだな。字が綺麗で読みやすい」

まずは、シモンさんから渡されたメモを読む。

「それ、俺への当て付けか?」

さぁな」

おい、今の間は何だ!

「ほー、全部屋敷で使うモンだな。買ったらまとめて送って貰うように手配して、あとは

次に、サムスから半ば強引に渡されたメモも読む。

「これも、送って貰うように手配すればいけるなよし!」

二人に渡されたメモを読み終わるとファルコは少し早く歩き始めた。

「ちょっ、俺はまだ読んでないんだけど!?」

「中身は分かったから、二人から頼まれたモンを早く買っちまおうぜ!」

今度は駆け足になった。

「ファルコ~!!」

スマブラでも俺の方が断然足は速い。

それなのに、今日は何だかファルコの方が速く感じた。



「これと、あぁ、それも夕方までにはこの場所に届けて下さい。お願いします」

何件かの店を回り、二人に頼まれた物を買い、屋敷に届けてくれるように手配してもらう。

「よし、これで最後!」

宅配書類に記入し、店員さんに渡すとこれにて漸く二人からの頼まれ事は済んだ。

「姉貴にも届くようにメールしたし、これでやっと

『あと数時間後には届くから』とサムスに連絡も済ませ、やっとデート出来るな

と、思って最後に寄った店の時計を見ると夕方近くになっていた。

「えっ?!もう?!」

屋敷を早く出るつもりでいたら買い物頼まれて待ち合わせには遅刻してしまったし、頼まれた物を届けてもらうように色々していたら、もうこんな時間。

あと少し位で夕方になる。

「夕日が眩しいな

沈み行く太陽の光が自分を照らす。

「あぁ、もう夕方だでも、これでやっと

かなりの時間がかかってしまったが、これでやっとファルコとデートだと思ったのだが。

「あれ?ファルコがいない

肝心の相手である、一緒にいた筈のファルコがいなかった。

「え、まさか帰った?」

辺りを見てもファルコの姿はない。

背が高いし、青と赤の髪が目立つから一目見れば分かるが、辺りには見えない。

「でも、さっさと済ませようぜ。って言ったのはファルコだし、帰ったってことはないと思うんだけど

本当は昼間、一緒に屋敷を出る筈だったのに、仲間から急に次の依頼の内容の確認の通信が入ったから、それに答えるのでファルコには先に出てもらった。

ファルコには待ち合わせに遅れる連絡のついでに、次の依頼の内容も伝えた。

それから冒頭の色々あっての今現在の状況だ。

「また何処か行っちゃったのか?」

性格か、種族の習性なのかは分からないが、ファルコは一つの場所に長い間留まることをしない。

だから、黙ってふらっと出て行くといつ帰って来るか分からないのだ。

連絡手段通信機や携帯電話もあるのに、こっちから連絡しても返事をしてくれない。

たまに、すぐに帰って来ることもあるが、気が付けば長い間帰って来ないこともある。

昔、ふらっと出て行ったきり何年も帰って来なかったこともあった。

でも、流石に今回はないと思いたいけど、もしかして、またなのか

「フォックス!」

あれこれ考えていると、自分の名前を呼ばれた。

声がした方を見ると、ファルコが小走りで来た。

「ファルコ!」

俺が呼んでも別に急ぐこともなく俺の隣に来ると、止まった。

「何処に行ってたんだよ?またふら~って行ってそのまま帰って来ないかと!」

「此処にいる間は、んなことしねぇってしたら、お前以外のに怒られるからな」

俺が心配していたのも知らないで

勝手に行って悪かったよ。これからは便所行くのもでけぇ声で報告してからにするな」

「えっ?」

なんと、用を足しに行っていただけだった。

「それは恥ずかしいからやめてくれ」

「お前が黙って行くな。って言うからだろ」

自然の摂理なので、流石にそれに関しては求めるつもりはない。

「買い物、早く済ませたつもりだったが、早ぇな、もう夕方になっちまった

ファルコの顔にも夕日の光が当たる。

眩しくてどんな表情をしているかまでは見えない。

「ま、誰か一人に遅くなるの連絡入れりゃ良いだろ。今からでも行こうぜ」

俺の手を引っ張ると、また走り出した。

「ちょっ、ファルコ!」

「本当は昼から出掛けるハズだったのに、お前がお人好し過ぎっから色々頼まれちまったんだろ?少しでも早くして遅れた分、取り戻そうぜ!」

それは、そうなんだけどさ。

事実なんだが、少し引っ掛かるような言い方だった。

それはともかく、夕飯の時間には少し早いが、軽く食べて済ませた。

そのあと、お互いの買う物があった筈だからと思っていたのだが、実は何を買うのかを忘れてしまった。

『次で良いだろ』とファルコも言ってくれたから、今回は、ひとまず辺りの店の商品を見て回ろうとなった。

『次の買い出しの時は、これにしようか』とかあれこれ言っては結局、自分達だけでなく、皆と屋敷で使うかもしれない物ばかり見ていた。

色々見て回ると、夜も遅くなっていた。

見て回り終えて昼にファルコと待ち合わせた噴水広場に着くと、そこにある時計はもうすぐ0時になろうとしていた。

夜も遅いからか大半の店は閉まり、歩く人々も疎らだった。

昼間の賑やかだった声も今は聞こえてこない。

噴水広場は昼間とは全く違う、光景だった。

辺りは暗くなり、街灯と木々に取り付けられた電飾に灯りが点ると、輝いてとても綺麗だ。

「欲しい物忘れちゃったけどさ、思い出さなかったか?」

店を色々見て回ったがファルコは特に欲しい物を言ってこなかったんだ。

あとになって『あれが欲しかったんだよな』と言われても困るし、大半の店は閉まっているかもしれないけど、もしかしたら欲しい物によっては、まだ店が開いているかもしれないし

もう遅いので、帰る前にもう一度聞きたかった。

「特に。欲しいモン忘れちまったしよ、だが



ザァー

ファルコが言いかけた所で0時になり、噴水の水が勢い良く噴き出し始めた。

この広場の噴水はある時間帯に水が噴き上がることは聞いていた。

水飛沫が此方に降りかかり冷たく感じる。

その水飛沫がファルコを少しだけ見えなくさせた。

ファルコの姿が輪郭だけしか見えなくなった。

「ファルコ!」

その所為で今は目の前にいるが、このまま何処かに行ってしまうんじゃないかと思ってファルコの手を掴み、自分の方へと引き寄せ抱き締めた。

「おい、フォックス!」

俺がいきなり引き寄せた為、バランスを崩しその場に尻餅をつかせてしまった。

抱き締めた胸の中にファルコの少し赤くなった顔があった。

水飛沫の所為で輪郭だけしか見えなくなった姿は今は自分の胸の中にいて、はっきりと見えた。

「いってぇおい、まだ人がいるだろ!?」

夜遅くだから人は疎らだ。

だけど、全くいない訳ではないから恥ずかしかったんだろう。

ファルコは声を少し荒げたが、それは後回しだ。

「行くな!」

時折、何も告げずに勝手にいなくなってしまう。

いつもそれが悲しく、恐かったんだ。

「行く訳ねぇだろ、バカ

胸の中にいるファルコに額を軽く小突かれた。

「確かに、あの時はお前にも、あいつ等にも何も言わねぇで出て行ったが、今はそんなことしねぇよ」

笑ってくれたけど、それを信じられる証が欲しくなった。

「それが嘘じゃないって言う証が欲しい

何を買いたかったのか忘れてしまって、欲しい物が無かったが今、新しく俺の欲しい物が出来た。

ファルコがもう、自分の前からいなくならないと言う証をだ。

…………

ファルコが俺の唇に自分の唇を重ねた。

互いの唇が触れるだけの、キス。

「良いのか、外だし、見ている人がいるかもしれないぞ?」

キスの合間にちょっと意地悪く言ってやる。

「もう、どうだって良い。辺りの連中に、見させてやるよ

顔を真っ赤にして言うものだから可愛い。

此方からもキスしようかと思ったが、やめた。

やっぱりそれは二人きりで。

帰ったら、誰もいない、二人だけの場所でその続きをしてあげることにした。

辺りを見たが残念なことに誰もいなかった。

互いの唇が触れるだけの、長いキスはファルコが唇を離して終わった。

「お前が欲しかった証ってヤツ、これで良いだろ?」

顔を赤くさせたままそっぽを向いてしまった。

「ありがとう

手を取って立ち上がらせる。

「じゃあ、そろそろ帰ろうか

立ち上がらせる時に手を握ったまま、帰ろうと一歩踏み出そうとすると、少し強めに握り返された。

「俺も、欲しいモン今出来た

「それは何?」



「それはあ!しまった!!」

欲しい物を聞こうとしたら何かを思い出したように突然、大声を上げた!

「いきなり何

「誰にも『遅くなる』連絡していなかったの忘れてた!」

「あ!!」

ファルコが誰にも連絡を入れていなかったことを思い出したのだ。

「俺も忘れた!!」

俺もファルコ、どちらも誰にも連絡していなかったことが分かった。

「急いで帰るぞフォックス!」

ファルコが俺の手を握ったまま走り出した。

買い物に来た時よりも更に速く。

「そんなに急がなくたって、こっちは良い大人なんだからさ。それに皆もう寝てるから大丈夫だって!」

「俺だってそうしてぇんだけど、マジでヤベェんだって!早くしろ!!」

結局、最後まで俺が急かされる羽目になった今回のデート。

自分の欲しい物はファルコから貰えた。

だけど、ファルコの欲しい物が何だったのかを聞けなかったのが残念だった。

急かされて屋敷に帰り、ドアを開けると玄関でシモンさんが仁王立ちで待っていて、そのあとお説教を受けたのは言う間でもない。