Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
雨月 ひより
2024-03-02 22:53:39
3490文字
Public
Clear cache
好きの告白
旧サイトの相互記念として捧げたマルファルのお話。
リクエストはTwitter(X)にて受けたので改めて載せました。
既にpixiv等にも載せているので修正はありません。
ちなみにまだCPにはなっていません。
「ファルコさん」
廊下を歩いていると後ろから名前を呼ばれた。
名前を呼ばれた方に振り返るとそこにはマルスがいた。
マルス。
俺と同じ時期にこのスマブラに参加した奴。
俺と同じように第二回目から。
それから第三回目、第四回目と
…
この第五回目、にも参加していた。
確か何とか国の王子
…
らしい。
らしい
…
と言うのは、一番最初の自己紹介の時、ちらっとしか聞いていなかったから後のことは知らなかった。
俺の個人的見解を言わせて貰うと、剣の使い手だ。
だが剣の使い手なんてこいつの他にも沢山いた。
此処には似たような奴が沢山集まっているからな。
俺と同じように銃を使う奴もいるし
…
。
仲間とか、宿敵とかな。
…
じゃなかった。
そして、いかにも『おとぎ話に出て来る王子様』な感じの格好
…
特にマントがそう思わせた。
割と地味な色のマントが肩から踵まで伸びていた。
風が吹くとマントはひらひらと靡いていて。
そのマントが特徴の服装だがこれにも似たような奴がいた。
こいつ一人だけだったら『剣の使い手で変わった服装しているな』って思うが他にも似たような奴がいると特徴が分からなかった。
ここまで他の奴と被ってくると俺にはもう皆同じような奴にしか見えなかった。
知っているのは『マルス』と言う名前と剣の使い手でマントを付けている
…
位ぇだけで後は何も知らなかった。
正直言うと、他の連中のことなんか、あまり知りたくもねぇし興味もねぇ。
話は大分逸れてしまったがそのマルスが俺に声をかけて来た。
「何か用か?」
言ってから思ったんだが用があるから声をかけて来たんだよな。
俺は何故か当たり前ぇなことを聞いていた。
そんなことを特に気にする訳でもなくマルスは少し息を吸ってゆっくり吐くと口を開いた。
「僕、貴方のことが
…
好きです」
俺の耳にはおかしなことを言ったように聞こえた。
「は
…
?」
何かの間違いじゃねぇのかと思ったから変な声しか出てこなかった。
それでもこいつは続けた。
「僕が此処に来て初めて皆に自己紹介したあの時、貴方に一目惚れしました」
どうやら俺の耳に聞こえたことは間違いじゃなかった。
俺は男
…
見るからに年下の奴に惚れられたようだ。
「ちょっと待て!お前は男だろ!?俺だって
…
」
「分かっています。でも、貴方のことを好きになってしまったんです」
別に偏見はねぇが、それは他の奴の話だったらだ。
俺はそっちに興味はねぇ。
一目惚れして、好きなら好きで構わねぇがそれをはっきりと想っている奴に言っちゃあ
…
駄目な気がする。
想っているだけならば良い。
だが今回みてぇな場合は言っちゃいけねぇ。
『分かっています』って言ったが、こいつは何も分かっていなかった。
「俺は
…
」
今はっきり言う。
俺はそっちでもねぇし興味ねぇ。
それに何処かの国の王子
…
なんだからこう言うことになったら大問題だ。
こいつ一人の問題から国の発展の問題になり兼ねなそうだ。
あと、何だか分からねぇが、今回は子孫も来ているらしいから余計にややこしくなるぞ。
難しいことは良く分からねぇが、あまり頭が良くねぇ俺でもそれ位ぇのことは分かった。
とにかくさっさと諦めさせて目を冷まして貰おうと断ろうとしたのだが遮られた。
「貴方がそのことに興味はないし、僕を何も思わないこと位、分かっています。ただ僕は僕の気持ちを正直に伝えたかっただけですから。でも
…
」
もう一度、息を吸うとゆっくりと吐いて俺をじっと見つめた。
「貴方に何を言われようとも僕は貴方のことを諦めませんから」
背景に爽やかな効果音とか今時のガキに人気の撮った写真に合成させるキラキラしたマークが周りに散りそうな位ぇの眩しい笑顔を向けながら言うと、そのまま何事もなかったかのように歩いて行ってしまった。
「な゛っ
…
!?」
此処に女共がいたら絶対ぇ騒ぐ所だろうが生憎、俺は男だ。
女だったらあんなことを言われたら『きゃー』だの何だの言ってきっと喜ぶだろうが、男の俺からしたらあんなことを言われたら反対に気味が悪くて寒気を感じた。
特にあの爽やかな笑顔には寒気を感じた。
「寒っ、早く行こっ
…
」
突然、変な寒気に襲われ両腕を組んで擦りながら早々とその場を後にした。
それからだった。
毎日毎日、あいつに会う度に『好きです』と言われた。
他にも色々言われるが大体はこれだ。
一日の始まりと終わりは普通に挨拶を交わすのはまだ良いのだが、暫くすると廊下ですれ違う時に言われるし、他の奴もいる時はそっと耳元で囁かれたり。
何度も言うが女だったら嬉しいと思う。
顔や頬を赤くしてな。
だが、残念ながら俺は男だから寒気にしかならなかった。
それがどの位ぇ続いたのだろうか。
実際の所、どの位ぇ続いたのかは忘れた。
妙な告白が毎日続いていると段々煩わしくなっていた。
会う度に言われるもんだから流石に疲れてきた。
そして今日もまた言うんだろうな
…
と思って重い感じだったんだが、今日はまだ朝の挨拶だけだった。
いつもならこの時間だったらとっくに『好きです』とか言うのに今日は朝の挨拶だけで後はあいつに会わなかった。
「
…………………
」
あれ?
何でだ?
いつも言われていたのが急になくなると何だか変な感じがする。
って
…
。
何で期待してんだよ。
俺はうんざりしていた筈なのに。
散々『好きだ』と言われ続けてうんざりしていたのに、期待しているなんて
…
。
この感じは一体、何なんだよ。
訳の分からねぇ変な感じのままドアを開けて歩き出した。
屋敷、門を抜けて目的もなく歩いて行くと草原に着いた。
白い雲はねぇ、ただ青い空と緑の草だけがある場所で後は何もなかった。
スマブラに行くには必ず此処を通らなきゃいけねぇ。
ついでに言うと、俺達がそれぞれの世界に帰るにも此処を通らねぇと自分が来た世界には帰れねぇ。
この草原は色んな世界と繋がっている。
勿論、俺の住んでいる世界とも
…
。
あいつが来た世界にも繋がっている
…
。
「マルス
…
」
草原の真ん中まで歩いて来た時、何故かあいつの名前が口から出て来た。
「えっ
…
!?何で俺
…
!」
今まで、あいつのことは何とも思っていなかったのに
…
。
何でなんだよ。
「呼びました?」
突然、後ろから声がして振り返ると自然と口から出て来た名前の持ち主がいた。
「あっ、おま、何処に
…
!?」
「屋敷から貴方が出て行くのが見えたので、そっと付いて来ました」
どうやら、俺のあとを付いて来ていたらしい。
言われるまで全然気が付かなかった。
「僕の名前、呼んでくれていましたね。嬉しかった
…
」
そして、俺がこいつの名前を呼んだことも知られてしまった。
「あっ!それはだな、えっと
…
つまり
…
」
突然現れたもんだから言い訳なんか思い付かなかった。
「つまり、その
…
あれだよ!」
自分で言っておいて、あれって何だよ。
「ありがとう、ファルコさん」
特に何も聞く訳でもなく、ただマルスは今まで見た中で一番の笑顔を俺に向けてきた。
こいつ、こんな顔をするんだな
…
。
いつもの周りにキラキラ輝く何かと『キラーン』と言う効果音も付いてきそうな感じの笑い方ではない、本当に嬉しそうな
…
。
「っ
…
!」
そんな顔をされたら
…
。
何故か顔が熱くなるのが分かった。
こんなこと、今までなかったのに、何でだ
…
?!
「どうかしました?」
マルスが首を傾げて俺を見てきたが。
「何でもねぇよ!俺は帰る!」
赤くなっただろう顔を隠して、元来た道に戻った。
「やっぱりまだだめか
…
」
ファルコが戻ってしまったあと、マルスは草原に残り一人呟く。
「一筋縄じゃいかないな
…
とは思っていたけど、それ以上だ
…
」
挨拶はいつものことだが毎日『好きだ』と伝えてきたのだが、やはりまだ自分に振り向くまでには至らなかったようだ。
「でも、顔を赤くしていたからちょっとは進展したとみて良いかもね」
慌てて顔を隠したがファルコが顔を赤くしていたのをしっかりと見た。
とても可愛かった。
「もう少し攻めたらきっと
…
」
そう、きっと
…
。
「それまでは諦めませんからね、ファルコさん」
そこまで言うとマルスも元来た道を戻って行った。
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内