雨月 ひより
2024-03-02 21:27:20
1019文字
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空と海の色の目

Twitter(X)のハッシュタグ『#いいねが早かった人に適当な短文を投げる』でリクエスト頂いたリヒシモです。

「貴方はとても綺麗です」

彼は私をいつも褒めてくれる。

格好良いと、綺麗だと。

私なんかよりも格好良いのは彼の方だと思う。

言えば『其は違う!』と大きな声で否定されるだろうから口には出さぬが。

「この目の色が、俺と同じ青でも、貴方の方がより綺麗です」

目の色が同じなのは彼が私の血を引く者だからだ。

この世界に来なければ決して会うことはなかった血縁者。

「その青色を例えるなら、そう貴方が空で俺が海の底って所だな」

海の底ならば青ではなく黒に近くなる。

何故、自分をその様に例え言うのだろうか。

「貴方は俺の昔から憧れの人だ、今此処に来てもそれは変わっていない。手を伸ばしても届かない存在だから

手を伸ばしても届かない存在だからこそ、私が空。

「そして、貴方に憧れている俺は堕ちた者だから海の底なんだ」

這い上がることが出来ず深く沈んで行くのみだから彼は海の底だと言いたい事なのか。

だが、其は違う。

「リヒター

彼の目尻に指をそっと添える。

「私が空で、君が海の底と言うのは違うぞ」

私から見れば、彼も私と同じ青色の目だ。

私には彼の方がその目が輝いて見える。

決して海の底だとは思わない。

「其に、君は勘違いをしている。空が何故あの青なのかと言うのは海の青色が反射して見えるからなのだそうだ。だから

目尻に触れた指を其のまま頬へ伝わせる。

「こうも取れるぞ『私が空なら、私は海である君の色に染まった』とな

「シモン!」

彼の顔が一気に真っ赤に染まった。

「そ、そんな冗談っ!」

「冗談ではなく本当に思っている」

此処までくると何とも可愛らしい事か。

いや、私も何と、らしくない事を口にしてしまったのだろう。

其処まで恥ずかしがられては此方も何を彼に求めているのだと感じてしまう。

彼が哀しげに言うものだからつい、口に出してしまったのだろう。

本当にそう思ったのだ、嘘ではない。

「貴方の言葉を借ると、貴方が俺の色に染まったのなら、もっと

自分の頬に触れている私の指を取り、其のまま自らの指を絡ませてきた。



「もっと、俺の色に染まってくれませんか?」

耳元に低く囁かれる。

若者にしてはとても低い声だ。

この低音の声で囁かれるのは好きだ。

「良いだろう。君が染めてくれるのなら

此の身も心も君に委ねよう。