わんほり
2024-03-01 12:26:02
1260文字
Public 幼女人魚🎵と人外ハンター❄️FA
 

ダメの続き

幼女人魚🎵と人外ハンター❄️のFA

ダメなことをちゃんと確認して学習していく人外二人の話。
まふゆも雪も奏ファーストなので『ダメなこと』に対して敏感。雪はそれを利用してまふゆを揶揄ったりもするけど、本当にダメなことは絶対にしない。
奏に嫌われたら心臓止まるので。

 深い紺色の海中を雪と泳ぐ。
 思いきり泳ぎ回って、追いかけっこをするのが好きだ。
 わたしは人魚だから泳ぐのは速い方だけど、雪も泳ぐのが速い。それにちょっと油断すると長い触手を伸ばされて一気に絡めとられてしまう。

「つかまっちゃった」
 雪の腕に捉われて、二人でくすくすと笑いあう。

 こうやって捕まってしまうのも、そのあと抱きしめられるのも、頬にキスをされるのも、なんだか少しくすぐったくて、胸がぽかぽかして嬉しくなる。

 大事な、大事な友達。

 触れ合うのも大好きだ。だけど、わたしたちと人間の感覚は違うから、お互いに気をつけないとダメなことをしてしまう。
 ちゃんとまふゆと約束したから。
 まふゆに触れられて気持ちいいところや、恥ずかしくなるところは、雪は触っちゃダメ。
 唇へのキスもダメ。

 わたしが「ダメだよ」って言うと、雪はしゅんとするけど、すぐにふわりと微笑んで、わかったよと言うように頭を撫でてくれる。

 わたしはホッとして、また雪のことを大好きになるんだ。

 後ろからわたしを抱きしめている雪が、わたしの胸元をじっと見ているのに気づいた。
 何が気になるんだろう?
 気になってわたしも胸元を見てみる。そこには昨夜まふゆが残した赤い痕が散らばっていた。

 頬に熱い血が集まるのを感じるのと同時に、肩に雪の唇が触れるのを感じた。味を確かめるようにぺろりと舐められ、強く口を押しつけられる。そのまま皮膚が吸われる感触。ピリッとした軽い痛みに思わずギュッと目を瞑る。瞼の裏でよみがえるまふゆとの夜のふれあいに、心臓が跳ねる。

「まっ……雪っ、ダメ!それはダメ!」
 慌てて声をあげ振り向くと、雪が肩から顔をあげて首を傾げた。

「う……えっと、今のはダメなの、ね?」
 顔が真っ赤になっているのを感じながら、雪にわかってもらえるようお願いする。
 雪は一瞬さみしそうに眉を下げて、すぐにふわりと笑うとコクッと頷いてくれた。

 安心したわたしは肩を確認しようとするが、うまく見ることができない。でも多分……さっきの感触はまふゆがいつもするのと一緒だ。ううん、まふゆじゃなくて雪だけど、でも同じように赤い痕が残っている気がする。

「どうしよう……
 まふゆは怒ったりはしないけど、きっとこの痕を見たらぐぅって喉を鳴らして一度目を閉じる。それからダメなことをしちゃったわたしを許すために一度深呼吸をして……なんか、いっぱい赤い痕をつけられる気がする。

 俯くわたしの肩に雪の触手が触れた。そのまま吸盤で軽く吸われる感覚。

「?」
 顔をあげて肩を見ると、赤く吸盤の痕がびっしりと並んでいた。

「もしかして……さっきのを消してくれたの?」
 まふゆがいつも雪の吸盤の痕を唇で上書きするように。
 雪が残してしまった唇の痕を塗り消すように残された吸盤の痕。

 雪はやっぱり黙ったまま少しだけ眉を下げて、まるで「ごめんね」と言うようにふわりと笑って、わたしの頭を撫でてくれた。