はなおぼろ
2024-02-27 23:19:21
2183文字
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縁巌覆面作家企画4:Jグループ感想

作品の雰囲気に引っ張られてテンションが上下左右しております。予めご了承ください。

J-1:転生したら兄が美少女コスプレイヤーになっていた

 タイトル見ただけで元気になってワクワクが止まらないやつ!
 縁壱ちょっとストーカー気質あるし、衣装破いた男どもは万死に値するし、クラスメイトの彼は夏のイベントで男だと知って担降りしたんかなぁとか、どの登場人物にもいろいろ思うことはありますが、やはり一番はもやしになったけど心健やかに過ごしているみっちゃん! 読んでいて笑みが絶えません。虹ファブの面々も凄く良い味をしていて、この人たちに沢山可愛がられているんだろうな~てのが目に浮かびます。ずっと仲良くいてくれ~。
 イベントやコスプレの描写が本当にキラキラしていて、読んでいてイベント行きたいな~って気持ちにさせて頂きいた作品です。



J-2:【獄★ふたごさん(ごくんと★つぎくにさん)〜ながさき旅行編〜】

 私はついてゆけるだろうか、ツッコミのいないこの兄弟のスピードに。
 とてもパンチの効いた弟の登場に、兄上めっちゃ大変そうだなぁとか思い読み進めていたのですが、この弟にしてこの兄ありでしたわ。この二人、パッション凄すぎる。気を抜くと振り落とされてしまう、あの危険運転を続ける軽自動車から。
 所々に差し込まれる長崎のおすすめポイントや、双子が行く先々で出会う被害者(?)の皆さまがとてもいい味を出していました。間違いなく、今回発表された企画作品の中で一番エネルギッシュな作品です。



J-3:ハングオーバー〜消えた花婿の指輪と史上最悪のよっぱらいたち〜

 冒頭の狛恋宣言に心躍らせながら読み始め、軽快でありつつしっかりした文章にすいすいと読み進めてしまいました。ハラハラするシーンや謎に包まれた事態が、蓋を開けてみると、なるほどそういうことか~となるような巧みなストーリー回収がそこかしこにあって。割と童磨のせい。でもなんだかんだ丸く収まって皆良かったねぇと笑顔になってしまって、童磨の最後のセリフに同意せざるを得なくなるの、色々とずるいなぁ。
 パロ元の映画は観たことなかったのですが、とても楽しく読ませて頂きました。
(鬼舞辻教授のカードの請求額だけ少し、いやかなり心配です)



J-4:閻 魔 羅 闍

 戦後間もない日本の空気感と言いますか、仄暗さがここぞとばかりに表現されている作品でした。数十分で着くはずのもう一つの現場に巌勝が向かう際いつの間にか夜になっている下りなど、読んでいたこちらも狐につままれた心地で、迫りくる不穏な気配に息を呑んでしまいました。
 訛り壱が小屋に戻った後に喋り方が変わることの不気味さたるや。彼はいったい何者なのか、異なる場所で見つかった二つの遺体とどう関係しているのか、明かされていないからこそ気になって覗き込みたくなるのですが、同時に知り過ぎてはいけないような感覚。上質なホラーを堪能させて頂きました。



J-5:3月10日

 戦争、空襲。どこか淡々とした回想文でありながら、戦渦で生き延びることの大変さ、疲労に空腹、そんな中で支えてくれた名も知らないおじさんがどれだけ幼い少年の支えになっていたかが切々と描かれていて、読んでいて胸が締め付けられました。
 長い間忘れられなかった相手、元気に育っていることを祈っていた相手、悲しすぎる別れの日から互いを想いあい、五十年を経て再会した二人にとても感動しました。
 かつては寒さをしのぐために身を寄せ合って二人が、温かい日の光に照らされているラストに、思わず涙が零れました。
 本当に素晴らしい作品でした。あと若い記者、君がMVPだ。


J-6:花喰い鬼

 冒頭の、花を整えている音が小気味良いです。花の種類によって切る音や水に落ちる音が違うのかなと思わせますね。花のルビとして花言葉があしらわれているのも素敵な表現だなぁ。
 作中の巌勝の設定に、毎日お花のサラダを届けにいく恋する縁壱可愛いなぁ~と読み進めていたのですが、その後お出しされる花吐き病と怒涛の藤に戦慄。圧倒的執着壱……。冒頭に素敵な表現だと思った花言葉のルビが、記憶が無くてもなお生まれつき患っていた不治の執着の表現に変わったのが凄かったです。巌勝に対して念を押すような藤。花言葉、縁巌に合いすぎて怖い。
 月彦さんが巌勝のお父さんなの、個人的にめっちゃ好きです。



J-7:巡る川の行きつく果て

 日記形式だ! 子どもを引き取った彼と、その子どもと、どういう物語が紡がれていくのだろうと読み進めていたら、なにやらどんどん雲行きが……。言葉を交わせていればと思わずにはいられないけれど、縁壱が頑なだったから結局は難しかったのかな。
 養子壱が生まれているってことは、自責の念にかられて失跡してしまった養父壱は知らない場所で一人息を引き取ったのだろうかと思ってしまい、より寂しい気持ちになりました。
 巌勝はもう縁壱を逃がす気はないけれど、養子壱が記憶を取り戻した時どう行動するのか。もう一波乱あるのではと不安になりつつ、次は上手くいってほしいと願うばかりです。





 素敵な作品ばかりでした。前半と後半の温度差に、私がグッピーだったら死んでいたかもしれない。
 作家の皆様、素晴らしい縁巌作品を生み出して下さり、本当にありがとうございました!