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梓
2023-06-21 17:49:10
1863文字
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お茶会しよう!(未完)
ここから先がどうにも進まないので放流します
「ねえ、お茶会しよう!」
紅く豊かな毛束が翻り、太陽のようにきらきらとした瞳が合わせられる。
お茶会、ティーパーティー。他意は一切なさそうなので、随分と貴族趣味だねなんて脊髄反射の嫌味は即座に飲み込む。視線の先には談笑しながらお菓子をつまむ生徒たち。なるほどつまりあれに触発されたわけだ。
「いいね、他に誰呼ぶ?」
「ラウラと
……
、あ、暇そうだからオスカーも呼んどこ。明日の午後なら集まってそのくらい?ふたりには手紙書いとくね」
「そうだね。あんまり増えても手狭だろうし」
シエンナが呼べば、今からだろうがもっと増える気もしたがそうなると支度が間に合わないからよしとする。ティーセットは置いてあるからよしとして、一度厨房に顔を出してみよう。作法はよくわからないが、屋敷しもべ妖精なら外さないだろうし、その他は知っていそうな人に任せる。うん、完璧。
「みんなでお茶とかお菓子とか持ち寄ったりしてさ」
「持ち寄り?」
前言撤回。明日の午前はハニーデュークスで仕入れに決定。たしかに、生徒の茶会は持ち寄りでお菓子やらよくわからない魔法薬やら面白いものをみんなで楽しんでいた。しれっと横からマフィン食べたこともあったっけ。なるほどそういう。
シエンナが楽しそうに話す横で相槌を打ちながら、明日の予定を組み直す。茶菓子の類は他が持ってくるだろうから、嵩が多いものにしようか。往来が多く、飛び込み参加も多い場所だ。余るほどで丁度いいし、本当に余ったら夜食にしよう。
元々予定してたホグズミード付近の見回りはどうしようか。アッシュワインダーズの野営地に多少当たりはつけている。小遣い稼ぎをしてからハニーデュークスに向かうのもいいかも。懐は暖かいに越したことはない。
「それじゃ、また明日ねフィン!」
「うん。また明日、シエンナ」
手を振ってから、寮のレディのところまで駆け去っていくシエンナを見送る。明日は賑やかになりそうだ。
塩っぽいものもあったほうがいいかな。甘いのだけだとスープ欲しくなるよね。つらつらと寮のノッカー前に着くまで考えていたら問題を聞き逃した。やらかしたな、と思えば後ろで答える声がする。
「あ、ごめん。ありがとう、アミット」
「気にしないで。大したことないし、なんだか考え事してるみたいだったし。階段転ばないでね」
こういった時に深入りしないのはレイブンクローの良いところだと思う。考え事で始終気も漫ろな生徒が多いからとも言う。大体みんな身に覚えがあるらしく、入口に躓いただとか、ひどい時はノッカーに体当たりした、なんて笑い話は鉄板のレイブンクローネタだ。
「ああ、開けてくれたついでにちょっと聞きたいことがあるんだけど」
「どうしたの?」
「大した話じゃないんだけど、新作の茶葉が買えるとこって知ってる?明日お茶会に誘われたんだけど詳しくなくて」
「ああ、一週間後だったら家から届いた茶葉を分けてあげられたのに!スティープリー・アンド・サンもいいけど目新しいのがいいならスクライベンシャフトのオーナーも詳しかったと思うよ。文具と一緒に仕入れてるときがあるから」
「そっか、たまにお菓子も売ってるよね。明日行ってみるよ」
「役に立てたならよかった、楽しんできてね」
「うん、ありがとう。おやすみ
……
、じゃなさそうだね」
「暫くは屋上で星を見てるよ。明日からは曇りそうだし。おやすみ!」
相変わらず元気なようで何よりだ。意気揚々と談話室の屋上へ向かうアミットを苦笑まじりに見送る。星さえ見られればご機嫌でいられるのは、彼の美徳のひとつだと思う。
夕ご飯どきを過ぎた談話室はいつもより賑やかに私を迎える。チェスに興じてる辺りは早々に大広間から帰ってきたのだろうか、随分と盤面が進んでいる。他にも、課題や自主研究に勤しんでいたりちょっとニッチな話題で盛り上がっていたり。何処へ行くにも少し遅いこの時間を、私は少し持て余していた。
(必要の部屋に行っても消灯までそんなに間がないし、
……
予習する気分でもないんだよな)
(茶葉買って大鍋ケーキ買って密猟者狩ってスープかっぱらって時間10分前に到着)
(オスカーが一番早く着いてて、フィン→シーニー→ラウラの順)
「クッキー焼いてきたんだ!あ、オスカーにはこれね」
そう言ってシエンナが両腕に提げてきた中ぶりのバスケットには、片方はジャムを真ん中に入れたクッキー、もう片方は葡萄と林檎と切り分けたオレンジでいっぱいに詰められていた。
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