はなおぼろ
2024-02-24 12:09:14
1771文字
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縁巌覆面作家企画4:Bグループ感想

作品の雰囲気に引っ張られてテンションが上下左右しております。予めご了承ください。

B-1:覚(さとり)

 焚火がうすぼんやりと周辺を照らすような、そんな仄暗さが魅力的だなと思いました。
 さとりを称す怪しい存在が話しかけてくる様子は、セリフが何度もあるのにどこか淡々とした静寂さをはらみ、弟に焦がれて身を焼くような心境や、最後に唇を噛む巌勝の姿に炎が消え燃え殻と臭いが残る様子に似た哀しさが漂い、文章全体を通して彼が火を熾した焚火のようだなぁと。
 戦国の時代、巌勝が如何に弟いう存在に悩み、苦しみ、それでも焦がれることをやめられない姿が幻惑のさとりを通して丁寧に描かれていて、とても素敵な作品でした。



B-2:俺の兄上

 嫉妬芽生え壱だ! 私、嫉妬芽生え壱大好き!
 冒頭の縁壱の心の声などでコミカルさを演出しつつ、縁壱が嫉妬に至るまでのエピソードが一つ一つ丁寧に書かれていて、楽しくすらすらと読めるだけじゃなく、胸にちくりとくる部分はしっかりとあるが両立した文章だなぁと。
 最後の一文を呼んだ後に「続きがない!? そうや、BはSSグループやった……」と思わず頭を抱えてしまいました。この後の兄上の反応が知りたすぎるので続きお待ちしています←
(縁壱と一緒に心の中で力強くサムズアップしたのは、きっと私だけじゃないよね?)



B-3:金持ち巌勝さんと貧乏縁壱さん

 こ、これは……! 優しくしたいけど、家柄とかプライドとか諸々あるので表面上ツンツンな優しさでしか接することのできないショタ上!! これでしか摂れない栄養素がそこにある!
 シロツメクサの下り、思わず最初の方から読みなおしました。巌勝少年、拾って、ドライフラワーにして、閉じ込めたのか、永遠に。終始ツンツンだった巌勝が最後の最後にデレて拍手喝采でした。未来永劫輪廻来世まで末永くお幸せにな、ご両人。
 SSという形式上省かれてしまったと思しき“骨の髄までしゃぶりとられた”シーンを番外編としてお出ししていただけると信じて、正座待機しておりますね!



B-4:めがねごしに見えた世界

 転生ショタ壱くん、そうか、今世はド近眼なんだね。前世であまりにもよく視えていた目の代償という設定、切ないけどお上手だなぁ眼鏡買って貰えて良かったねぇと微笑ましく読んでいたんですけど、その後の展開に思わず吹き出してしまいました。アレやん、服が透けて見えるアレやんか……
 確かに兄さんはピンクですけべかもしれないけど、ショタ壱くん、君の頭の中がそれ以上にピンクですけべだよと、良い笑顔で読み進めてしまいました。楽しい作品をありがとうございます。
(しかし、にいさんでなく『あにうえに、はじめての』ってことは前世では口吸いのないカラダだけの関係だったってこと……?)



B-5:返す返すも多生の縁

 鬼は日光の下で活動出来ないと、朝になれば妖怪はねぐらに戻らなければいけない部分、設定のリンクがお上手だなぁと。妖力を上げるとかじゃなくて筋トレに走るの、たとえ妖怪であっても凄く巌勝で好きです。
 あの子どもは何者なんだ、でも縁壱だしなぁで割と納得しちゃうんですけど、本当に何者なのか少し気になります。なんだかんだ丸め込まれる巌勝可愛いです。
 コミカルさもありつつ丁寧な文章でとても読みやすかったです。
 あと善逸の名前が直接出てないのに、めちゃくちゃ鮮明に善逸の声が聞こえるんですよね。そんなことある?(ありました)



B-6:Re:birth

 なにこれ凄い。灰になってから転生するまでの描写がとても引き込まれました。黒死牟がそう感じたある種の幻だったのか、実際描写された通りの出来事が起きていたのかは定かではありませんが、鯨の歌から波の音(羊水の音でもあるのかな?)そして鼓動へと移り行く流れが匠の技。
 あの日の烏が、柿のお礼に縁壱の元へと送り届けてくれたのかな。八咫烏は、太陽の化身であり導きの神なので。
 しかし縁壱さん、貴方前世の記憶がおありですね? 息子くんが兄の転生だと知ってか知らでか、今後巌勝は父縁壱とどう接していくのか……今後の展開が気になり過ぎます。





 素敵な作品ばかりで、どれもSSとは思えない重厚さでした。
 作家の皆様、素晴らしい縁巌作品を生み出して下さり、本当にありがとうございました!