梶間
2024-02-22 21:42:03
2028文字
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あなたとわたし

キメラファリン(住居に収まるサイズ)と過ごすある日のあなたの夢短文。現パロ風味。

キメラちゃんキメラちゃんキメラちゃんキメラちゃんキメラちゃんキメラちゃんキメラちゃんキメラちゃんキメラちゃんキメラちゃんキメラちゃんキメラちゃんキメラちゃんキメラちゃんキメラちゃんキメラちゃんキメラちゃんキメラちゃんキメラちゃんキメラちゃんキメラちゃんキメラちゃんキメラちゃんキメラちゃんキメラちゃんキメラちゃんキメラちゃんキメラちゃんキメラちゃんキメラちゃんキメラちゃん 、大丈夫?」

なんだかキメラちゃんの様子がおかしい。今朝からずっと後ろ足で下半身のお腹の辺りを掻いたり、人間部分のおへそのすぐ下を手で抑えて落ち着きなく歩き回っていたりしていた。
お腹が痛いのかと寝床に毛布を増やしたり湯たんぽを作っておいてあげたりもしたけれど、落ち着くのは一瞬だけ。
今日は病院もやっていないし、もし病気だったらどうしよう。いっそ普通の人間の病院と動物病院、爬虫類も見てくれるところに電話してみようか。もしキメラちゃんに取り返しのつかないことが起きればどうにかなってしまいそうだ。
どうしよう、どうしよう、と頭を抱えていると、キメラちゃんがそっと寄り添ってきた。

「ああ、ごめんねキメラちゃん。一人じゃ不安だよね」

そうだ、不安なのはではなくキメラちゃんだ。じっとりと冷や汗をかいた彼女の額を濡れタオルでぬぐうと、キメラちゃんはふんわり微笑んで両腕で抱きしめてくれた。どうやらキメラちゃんが不安になってこちらの側に寄ってきたのではなく、の不安な様子を察して安心させようとしてくれたらしい。ああもう本当にこの子はなんて優しい子なんだろう!
たまらず抱きしめ返すとキメラちゃんは背中を撫でてくれた。母親が幼子を落ち着かせるように、とても柔らかい手付きで。

キメラちゃん……!!」

感極まって思わず涙ぐんでしまう。の事なんかより、今はキメラちゃん自身のことを気にしてほしいのに。
どうにかこの子の調子がよくなりますように、そう思ってキメラちゃんが好きなところを撫でていると、下半身の竜部分がいつもより冷えていることにようやく気づいた。
ここ最近天気が悪かったから気温が下がり気味で、キメラちゃんも冷えていたのかもしれない。パネルヒーターも部屋の床暖房もきちんと調節していたと思っていたが、天気が悪くなる前は随分熱くてキメラちゃんはよく口を開けたりしていたから少し低めに設定したのがよくなかったのかも。

「気づかなくてごめんねキメラちゃん……。お風呂で温めようか」

上半身はあちこち汗をかいて随分しっとりしているし、少しは気分が良くなるかもしれない。



幸いキメラちゃんはお風呂が好きで大人しく入ってくれる。浴槽にぬるま湯をためて、入りきらなかった部分に手桶でお湯をかけていく。
キメラちゃんは少し楽になったようで、ほう、と一息ついて気持ち良さそうにしている。
羽毛や鱗の部分もブラッシングしながら洗ってあげよう。明日は病院の予約をとって温度調節ももっとこまめにできるように配置を考え直そう。

キメラちゃんのためならやってあげたいことはたくさんあるな、と考えていたら突然キメラちゃんが苦しそうにうめき出した。
ヒトの手でおへそ辺りを抑え、翼をたたみ、全身を丸めて苦しそうにしている。

キメラちゃん!!どうしたの、痛いの!?キメラちゃん!!」

上が痛いのか下が痛いのか。キメラはこういう時に複数の部位を持つからどこに症状が出るのか診断が難しいらしい。本当はちゃんとした病院に連れていってあげたいが、もう待っていられない。深刻な病気ではありませんように、もうどこかの病院に連絡してしまおう。携帯だけ取ってきてキメラちゃんの側にいて、など考えていると、キメラちゃんは一際低く唸ると、大きくため息を吐いて静かになった。

キメラちゃん!」

湯船にぷかり、と卵が浮いていた。

「もしかして、卵づまり?」

キメラちゃんは小さく頷くと、ん、ん、小さく吐息をもらしながら顔を赤くして震えている。
まだお腹に卵が残っているのかもしれない。

竜部分の総排泄腔を見ると、次の卵の頭が見えていた。
よーし、よしよしとお腹まわりを撫でてマッサージをする。一度出たら後は順調で、ころりと卵がでてきた。

キメラちゃんの顔色もすっかり良くなり安らいだ表情だ。

「よかった〜〜〜」

キメラちゃんの落ち着いた顔を見たらなんだか涙が出てきてしまった。半泣きになりながらキメラちゃんをタオルで拭いていると、よしよし、と頭を撫でてくれる。本当に優しい子だ。たまらなく愛おしくなりまた目が潤んでしまいそう。

今日はお風呂から出たら二人でキメラちゃんの好きなものを食べよう。念の為明日は病院に行って、帰りに散歩をしよう。卵詰まり解消のために運動をしてもらわねば。

お風呂上がりに乾かしたキメラちゃんのふわふわの羽毛を堪能しながら、はそう決意した。