出口
2024-02-19 22:07:10
7662文字
Public 現パロ(五悠)
 

「どうせ溺れるのなら君がいい」

現パロ五悠で社会人×大学生
※五モブ♀要素チラッとあり
※悠仁が悟と傑の関係疑う(完全なる誤解)
※表記は「悟」ですが、苗字を知らない悠仁目線なだけで、呪専悟ベースという訳ではなく口調とか原作先生ベースです

※※ノベルティ本だったものの再録です

 そこはビルの谷間にあるビーチハウスのような店だった。
 南国風BARの店内に流れる曲は陽気でのどかなハワイアン。スタッフの制服はアロハで、バイトも学生が多い。気取った店ではないから割合フレンドリーな接客で、客層も若者や少人数の合コンなどカジュアルな層がほとんどだった。

 虎杖悠仁も4月からこの店でバイトを始めたスタッフの1人で、近隣の大学に通う学生だ。
 いわゆる陽キャで客ウケが良く、顔を覚えるのも得意な彼は2度目の来訪時には必ず人懐っこい笑みで歓迎してくれる。そんな彼の人好きのする笑顔には密かにファンも多いのだが、肝心の本人はその手の好意には疎かった。

 この店に4ヶ月ほど前から頻繁に訪れ、最早常連と呼べる男がいる。
 常連の多いこの店だが、彼は特に印象に残る――というか、人目を惹いた。
 カウンター越しでも分かるほど高い身長は恐らく190cmを超えており、長い手足と均整の取れたスタイル。明るいトーンの髪色は白に近い。そして何よりサングラス越しでも分かるほどに整った容姿。出会った100人中100人が申し分なく、

 イケメンだ!

 と心の中で叫びそうな。更に滅多に見せることはないそのサングラスの下に、薄いブルーの目が隠れていた。ダメ押しのように輝く美しいその瞳は、どこか現実離れしている。

 彼を接客する機会の多い悠仁でも立ち入ったことを詳しく訊いたことはなかったが、学生の彼からすれば幾らも大人に見えた。
 それでも30代ではないだろう、20代後半? 社会人だろうが、どこかサラリーマン風ではない。週末金曜に訪れることが多いというパターンによる推測から、平日休みのサービス業でもないのかも知れないと思っている。

 彼はいつも女性と同伴で来店する。カウンター越しに聞こえて来た会話から、彼が『悟』と呼ばれているということに気づき悠仁もスタッフも声をかける時は「悟さん」と呼ぶ。
 支払いはいつもクレカではなく現金なので、誰も彼の苗字を知らないまま。彼からの呼びかけも、スタッフのアロハシャツの胸にハイビスカスの造花と共に着けられた彼らの呼ばれたい名前(大抵は下の名前か愛称)しか知らなくても、店の中だけのことだから困ることはない。

 悟が最初に来店したその夜は、カウンター席でいきなり修羅場を繰り広げていた。そしてそれ以来頻繁に来店するようになったのだが、見る度に違う女性を連れていた。
 やはりイケメン、モテるらしい――が、ただ外見だけで刹那的にモテているのか、関係の続いている相手は今に至るまで現れていない。連れ立って再来店して来た彼女がいないのだから、それは何となく窺い知れる。
 どうやらこの店がデートコースの、ホテル前ルーティンらしいのだが、肝心のこの店でフラれていることも多いようで、

 ホテルまで行けてないな~。

 などと、悠仁なんかは密かに苦笑いしていた。
 見た目だけは良いのだ。だから、

 色んな意味で勿体ないな……

 などと思いながら今日も見守る。
 しかし、漏れ聞こえる会話だけでも何となく悟のデリカシーのなさは露呈しているし、女性に対する対応にかなり雑な印象を受けた。少なくとも、特別な好意を持って接している感は窺えない。
 しかも本人は酒を飲めないらしいのに、どうしてBARになど立ち寄るのか? というのも疑問だった。店としては常連についてもらえて売り上げに繋がるならありがたいのだが、ここで逃してしまっては元も子もないのだからさっさとひとつ通りを挟んだ向こうのホテル街に連れ込んでしまえばいいのに――と、誰もが思う謎だ。

 そして今夜も悟は連れの女性にフラれカウンターに1人残されたらしく、甘〜いグレナデンシロップをコーラで割ったノンアルコールカクテルを飲みながら、カウンターについたバイトの悠仁に絡みだす。
「あの人は悟さんに合わないと思ってたよ~」
 フラれたものは今さらどうしようもないのだけれど、それでもお客さんには店を出るまでに少しでも元気を取り戻して欲しい。そんな気持ちで慰めるつもりで言った悠仁に、
「えっ? マジ!? 悠仁そーいうの分かるの!?」
 悟は意外なほど素直な勢いで食いついて来た。

「まーね、分かるわかる」
 その時の悠仁は笑いながらただ適当に答えたのだった――が、悟は次から女性を連れてくるたびに彼女が離席中、
「あの子どう思う?」
 こっそりと悠仁に尋ねるようになったのだ。

 どうやら悟は、悠仁には何か不思議な直感のようなものが備わっていて、恋愛関係におけるの相性が分かるのだと思ったらしい。
 実際はそんなことない平凡な感性しか持たない悠仁には、

 どうって言われても……
 あんま無責任なこと言えねーしな……

 なのだが、それでも頼られれば無下に出来ないもので、なんとな~く悟がスルーしていそうな彼女の言動を補完するつもりで、アドバイスというほど大げさでもない言葉を選んでやる。
 しかしそれに対する悟の反応は大抵、
「面倒くさ……
 という身も蓋もないもので、実のところ悠仁は彼の女性への対応の改善はかなり前から諦めかけていた。

 これはダメだな。

 と呆れているのだが、それでも毎回フラれるという訳でもなく一緒に店を出て行く女性が居ない訳でもない。そんなとき悠仁は、

 ただしイケメンに限る――って本当にあるんだなあ。

 ア然ともするのだが、やはり同じ女性と2度目の来店を果たすことはないので実を結ぶことはないようだ。
 要するに、あと腐れなくヤれればいいという内面が透けて見えている。そんな彼にでもついて行くのは、つまりその需要と供給が重なった時なのだろう。

 客層の若いこの店ではその手のカジュアルな恋愛を楽しむカップルも多かったし、別に悠仁もそこを咎め立てるつもりはない。
 学業とバイトばかりで本人としては女っ気がないと(まではあながち言い切れないのだが、彼自身が気づかないままない事になっているので、そう)思っている悠仁にはそれも羨ましい限りで、次の来店時に連れてくるのはまた別の子……という出会いの多さもいっそ感嘆するし、悠仁もそれにつっこんだりしない。
 そして悟からいつものように「どう?」と訊かれ、それには当てにならない感覚で、首を縦に振ったり横に振ったりを繰り返していた。



 けれど最近、悠仁は首をだんだん縦には振れなくなっていたのだ。

 彼と彼女が上手くいくかいかないかなんて、所詮恋愛経験もほとんどなくもちろん不思議な第六感もない悠仁には分からない。分からないまま彼らの話に少しだけ耳を傾けて首を振っているだけだったのに、悠仁は首を縦に振れなくなっていった自分に気づいて、

 あ~~マジか~~、もしかして俺、男もイケんの!?

 割と早い段階でソレには気づき始めていた。
 元来、人から向けられる好意には疎い男だが、それでも己の気持ちともなるとそう鈍くもいられなかったらしい。
 バイトに入るたび、悟の来店を待ちわびるような気持ちになっていたのには気づいていた。女性にフラれたあとの彼がグダグダと、酔ってもないのにノンアルカクテルでクダを巻くのに絡まれるのも、意外とノリが合って楽しいから不満はなかった。女性に対する対応は雑すぎる悟でも、そうした時に嫌なことを言われた覚えはない。
 けれど来店時「お2人さま?」とウエイティングの言葉を掛ける瞬間には、思わず彼女のことを窺ってしまう自分にも気づいていた。
 それでもまだ悠仁の心の中には、

 でも、勘違いかもしんねーし。

 と思える心の猶予もあったのだ。
 大学では接することの出来ないタイプの、同期や先輩とも違う少し大人の男。だけど共有する時間においては同じような目線で構ってくれるちょっと不思議な雰囲気の人。
 言葉にするとちょっとアレだが(と前置きをしつつ)『懐いて』しまうような、気安く楽しい関係にもう少しだけ自分の方を見て欲しいという――悠仁自身にも上手くは説明できない、そういった『愛着』のようなものを『恋慕』のような感覚に『勘違い』しているのでは? と。



 しかしそんなことを言っていられたのも、その夜までのことだった。

 その夜初めて、男性を伴い来店した悟に対し、

 いや、フツーに友達だよな?
 なんで彼氏? とか思ってんの、俺。

 悠仁は、衝撃を受けている自分に衝撃することになったのだ。
 悟の連れは、同年代だろう大人な雰囲気をまとった男。悟に負けないほど背も高く、色気のある――タイプは違うがこちらもイケメン。
 悟とも相性は良さそう……というか、普通に仲が良いのだろう。悟はいつもより良く笑い、時々前のめりになるよう会話を楽しんでいる様子だった。

 ――……嫌だな。

 なんて、会食を楽しむ客に対して悠仁がそんなことを思うのは初めてのことで、いつも悟が連れて来る女性こそヤリ目なんだと理解すればモヤるはずなのに――何故か今夜の方がずっとモヤモヤしていた。
 今夜同伴している相手とは、いつものようにどこかで出会ったインスタントな関係性ではないのは一目瞭然だ。だからと言ってどういう関係なのか? と勘繰るような視線を向けてしまうのは良くない。
 気の置けない友人に決まっている。悠仁にだってそういう相手は居る。もしかしたら古い付き合いなのかも知れない。
 どうして今まで女性しか連れて来なかった悟が急に友人を連れこの店を選んで来店したのだろうか? と考えたら、いつものルーティンを崩すだけの理由があったのか? と浮かべたら、

 それともこれもいつもの『ルーティン』の一環なのか?

 と余計なことばかり浮かんでしまう。
 動揺が態度に出ないように。しかし本当のところは彼らのことを詳しくは知りたくない気持ちの方が強くて、。悠仁はカウンター内の仕事を他のスタッフに任せ、フロアを忙しく動き回った。

 しかしほどなくして、
「オーイ、悠仁ぃ~!」
 常連の『悟さん』に大きな声で呼ばれるのはいつものこと。いつからか悠仁は、店のスタッフの間で『悟さんの担当』のような扱いを受けている。悟は明らかに悠仁を気に入っていたし、悠仁も悟に懐いているのが分かりやすいからだ。ここであからさまに避ければ誰から見ても様子がおかしいことが分かってしまうし、そもそも接客の仕事中なのだから客に呼ばれれば無視する訳にはいかない。
 そうして悠仁は渋々なのを気づかれないよう近づき、「はーい!」と笑顔でカウンター越しに対面した。

 しかし対面するなり思わず後ずさりそうになったのは、悟の連れの男にまじまじと見つめられたからだった。
「君のこと傑に話したら、会いたいって言うから」
 楽し気に言う悟に、
「どもっス! いらっしゃいませ!」
 手持無沙汰な心持ちに練習がてらアイスボール(丸氷)を作ろうと、氷の塊とアイスピックを掴みつつにこやかに対応した悠仁だったが、
――へえ」
 傑と呼ばれた男がニヤッと不敵な笑みを浮かべたのに、またたじろいだ。

 今まで悟が自分に合わせたい人物というのは、相性が合うかを伺うために連れて来たような女性ばかりだった。傑は男だが、これはやはりもしかして――と戸惑い、悟の方を向きかけた悠仁は、
「私はどうかな? 悠仁」
 単刀直入――というよう尋ねられた言葉に、一瞬頭の中が真っ白になった。

「バッ……!! てめ、ふざけんなよ!!」
 慌てるような言葉は、悟のから傑に向けたものだった。
 悠仁は、悟がいつもと違うラフな口調で食ってかかるのに驚きながら、顔どころか首や耳まで真っ赤に染まるよう紅潮している彼に気づく。

 ――ああ! やっぱりそういう……

 という確信に、今度こそ悠仁は誤魔化し切れない悟への気持ち気づいたのだ。いや違う。気づいてたはずなのに認めてなかっただけだと、認めたのもこの瞬間だ。
 同時に、何もかも遅すぎたのだと笑顔が強張る。BARに来たあと女性を連れ帰る悟の後ろ姿に置いていかれるような感傷を抱いてたのも、彼女たちが羨ましかったからだと自覚した。

「こいつの言葉は話半分でいいから! むしろ全部嘘だと思っててもいいから!」
 いつになく言い訳するよう言う悟の必死な様子へ、
「大丈夫っすよ。俺、偏見とかないし」
 今度はニコリと上手な笑顔で答えることが出来た悠仁に、
――は?」
 ぽかんとして見せた悟の隣で、傑は笑っている。

 ああなんか――「どう?」って聞かれたからって俺が安易に首を横に振れるほど軽い関係じゃないんだろうな。

 悠仁は彼が、いつものインスタントな相手ではないのだという事実に愕然と思う。

 ――でも、縦に振るのもやだなあ……

 そして素直な胸の内ではそんなことを思いながらも、
「俺は傑さん、いいと思います」
 サムズアップして見せながら、2人が望むだろう言葉を告げた。自分の気持ちに気づいた瞬間に失恋など、鈍いにもほどがある――と自嘲するよう浮かべた笑みは、

「ダメ!!」

 サングラスの奥でも分かるほどに瞳を見開くようにした悟が上げる声に消え去って、悠仁はビクッ! と竦みながら彼を見上げた。
「ダメ! ダメに決まってんだろ!? 悠仁!! 傑でもOKなら僕にして!!」
 立ち上がって言う悟の長身から、一段低い位置にあるカウンター越しに迫るよう覗き込まれ叫ぶよう言われる。その覆いかぶさってくるような迫力に思わずのけ反った悠仁は、
「えっ!? え!?」
 状況を把握出来ず困惑しきりに戸惑いながら、泳ぐ視線で思わずというよう、助けを求める目で傑を見た。
 視線の先の彼は先ほどまでのクールな印象をブチ壊すよう声を出し笑っていて。
「悟! 悟!」
 笑いながらもイスの上に引き戻した悟に、ものすごい勢いで睨まれていた。

「オマエは人の本命口説いてんじゃねーよ!!」
 そのままキレて叫ぶ悟を――慌てて見返した悠仁の戸惑う顔に、
「もおぉ~~……
 悟は大きな両手のひらに、顔を埋めるよう隠しながら、
「台無しだ……
 悲嘆にくれるような小っちゃな声を漏らしている。
「す、傑さん?」

「どういうこと?」と言いたげに呼びかける悠仁に、笑っていた傑もやっと持ち直すよう息をつくと――
「私はどう?」という聞いた言葉を、悠仁はいつもの、

『この人とならうまく行きそう?』

 という言葉の意味での『悟と私は』だと受け取ったようだけれど、悟は、

『私と悠仁はどう?』

 と傑が悠仁を口説いたと勘違いしたのだと、答え合わせする口調で穏やかに説明してくれる。
 それは勘違いというよりも、明らか傑は分かった上で意図しやっていたのだろう――と初対面の悠仁にでも分かってしまう程には楽し気な彼。いっそタチが悪いくらいだ。

 しかしそれどころではなくて。
 今度は悠仁が顔を真っ赤にして。
 悟はそんな悠仁のことを指の間からジッと窺っていて。
「い……
 何か言いかけた悠仁の言葉を奪うように――

「五条悟です! 一応会社役員とかやってるので収入はそれなりに……そこそこあります! 持病やアレルギーなんかはありません! 特定の宗教に傾倒してるとかもありません! ――……最初にこの店来た時は偶然だったけど、3回目くらいにはもう連れてた女より悠仁と話すことが楽しくなってて、あー……つまり、気づいたら君に惚れてました! 今まで男とは無かったのでぶっちゃけちょっとビビってて。それからも女連れで通ってたけどデートはしてもキスもセックスもしてない……――ちょっと肩くらいは抱いちゃったかもだけど、誓ってそれだけです! 君に会いたくて……悠仁の笑顔が見たくて、声が聞きたくて、ここに通ってた……。悠仁が僕のことそういう意味で好きとか思ってないの知ってるけど、僕はそんな感じ……です。だから……その、だから……結婚を前提としたお付き合いを! 真剣交際望んでます! 君を不安にさせないし、家族も周りも全部認めさせるだけの準備も発言力もあるし……事実婚やパー卜ナーシップじゃ嫌なら……日本国籍捨ててでも君と添い遂げる覚悟はあります! だから、あの……悠仁? ……僕の悠仁になってくれない……かな? 絶対に後悔だけはさせないから!!」

 閉店間近で客の少ない店内ではあったが、シン……と静まり返ったのは明らかだった。
 しかし、鳴り続けるBGMのゆったりとしたハワイアンだけでなく、悟の耳にも悠仁の耳にも自分の鼓動がうるさいくらいに鳴り響いている。
 サングラスをログアウトさせその奥のブルーの瞳を、そこに秘されていた熱を帯びた想いを晒すよう真剣な目で悠仁を射る視線。

「いや、いきなりおも…………重すぎる……
 さすがにここまで爆発させることは予想外だったのか、頭を抱えてしまっている傑の声も2人の耳には入らない状態で。

 削っていた氷に冷たく濡れたままの悠仁の片手を、乗り出したカウンター越しに両手で握っている悟に、
「えっ……えー……っと」
 圧倒されていた悠仁が赤いまま、
「い、虎杖悠仁……です、とりあえず友だちから? ……でも、良ければ……いいと思いマス」
 しどろもどろで言ったのに、勢いよくイスを蹴っ飛ばしカウンターに乗り上げ、フロアより更に一段低いとこから悠仁を抱き上げた悟に、
「悟! やめなさい! コラ!」
 半ば諦めながらも傑は言うが、場の空気を読んだのか雰囲気に飲まれたのか、周りの客と店のスタッフからあっちからこっちからパチパチとまばらな拍手が起こりだす。そのほとんどは突然プロポーズし始めたイケメン客のことをよく分かってはいなかったが、この店でかなり好かれている悠仁がそれを受けたことに祝福しているのだろう。

 当の悠仁は足先が浮くほど抱きしめられながら、

 あれ?
 ――俺、友だちって言ったよな?
 とりあえず友だちだよな?

 突然の展開にまだ頭がついていかないまま、状況把握が出来なくて――喜ぶというよりも困惑している。

 恐らく、この場の状況を唯一正しく把握できているのは傑だけで――
 友だち『から』をもの凄くポジティブに受け止めている悟は、もうほとんど結婚までノンストップ的思考回路で。既に次の大安吉日に式だけでもあげようと思ってるのだろう……というほどの、悠仁との認識のズレ。

 しかしさすがにそのままキスしようとしたのは拒否られ、
「カウンターの上に乗らないで……
 と、恋人(予定)の年下の彼に真っ赤な顔で叱られる親友への拍手に、やっぱり呆れた笑みを口元に似滲ませながら加わった。

(拍手)