わらびもち
2024-02-14 00:44:33
1246文字
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チョコを作るは誰のため

VOID自探索者の過去バレンタイン編

「よし、チョコ作るぞ!」
……は?」

バレンタインを控えた日曜日。突然家にやってきた赤星透也に胡乱な目を向ける不破遥。
そんな視線をものともせず、赤星は不破の頭にズボッとエプロンを被せると、自分もいそいそとエプロンを着用する。

「いや、え……何?」
「何って、チョコ!もうすぐバレンタインだろ?」
「だから何ですか?別に作る気なんてないんですが。」
「じゃあ俺が作るの手伝え!」
「何で!」
「黒田さんには日頃から世話になってるからな。どうせなら世話になってる者同士、遥も誘ったって訳よ。」
……。」

黒田矢代。不破は半年ほど前に事件に巻き込まれてから、彼の元に身を寄せている。今は仕事が残っているとかで日曜日ではあるが出勤している。
お世話になっているからチョコを作る。自分にはなかった発想に、マジマジと赤星の顔を見る。どれだけ眺めてもニコニコと笑みを浮かべるその顔は変わらない。



そうして流されるままにチョコ作りを手伝っている。初めは作り方、慣れてくると他愛無い雑談を飽きもせず繰り出す赤星に対し、不破は短い返事を返す。

「バレンタインってのは、まあ口実だわな。なんかイベント事に託けて楽しんで、ついでに普段の礼も出来れば一石二鳥ってな。」
「ふぅん。」
「昔は女が好きな男にチョコあげるだなんだ言われてたみたいだけど、まあ今となっちゃ美味いチョコがいっぱい売ってる時期って感じだし。祭りは楽しまなきゃ損だろ?」
「そういうもの?」
「そういうもの。それにほら、こないだ黒田さんも言ってただろ?無理に思い出さなくても、楽しい思い出たくさん作って良いんだって。一緒にチョコ食えばそれも思い出だ。」
「うん……そうだね。」

出来上がった色とりどりのチョコを眺める。バレンタインなんて、チョコを共に分ける友達もいない自分には関係の無い行事だと思っていた。けれどこうして、誰かのために何かを作るのは楽しい。帰ってきた黒田の顔を想像し、僅かに口角が上がる。

「黒田さん、喜んでくれるかな?」
「当たり前だろ。何せ遥と俺の愛がたっぷり入ってるんだからな。」
……。」
「無言で見るなよ……恥ずかしくなるだろ……。」





ーーーーーー
別名まだ警戒心の残っている遥の懐に入り込もうとする赤星の話。
つまりこの時の赤星は別に黒田さんのために作ってなんていない


ここから毎年チョコを一緒に作る2人。
最初はシンプルなチョコだったけど年々トリュフだケーキだと作るようになってきて今年はどんなものを作るんだろうって楽しみにしてる黒田さん。甘さ控えめで作ってる。黒田さん甘いの好きでも可愛いけどね。でも今年は食べ物以外を贈ることになるかもな。起きたらいっぱい食べてね黒田さん♡

赤星の方も最初の年は監視のためにもうちょい懐に入り込めたらなーと思っての打算的な行動だったけど、その時間を楽しむようになるんだよ。今年は何作る?ってレシピ検索してさぁ。
はぁ……赤星透也……