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ree_1116
2017-11-17 04:19:30
3523文字
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仰せのままに(サンロ)
タグにてリク頂いたサンロになります!!!
色々あり過ぎたが戻ることの出来た、船。
ふぅ、と白煙を撒き散らし、今日最後の一服をしていた。
ワノ国。初めての、島。
それでも、目前に広がる海はなんら変わることなく。
「
…
綺麗だな」
浮かぶ月に、また口元にタバコを持ってきて、深く吸い込んだ。
航海中はなんだかんだでまともに出来ていなかったからこそ、自分の城に閉じ籠ったのは、同盟相手、その船に世話になっていた仲間たちと合流してからのことだった。
全員揃ったんだし、今夜は宴でも、と誘ってきたのはペンギンと名乗った。ゾウでも世話になったと改めての感謝の言葉と共にだった。そして続け様に、今夜のディナーはうちに任せてくれだからそれまではゆっくりしててくれと言われ、いやでも、と断ろうとしたがんじゃ頼む!!という俺の船長からの声に、楽しみにしてると告げた。
そうして向かったのはダイニングだ。
連なるキッチン。置かれた、皿。並ぶ、コップ。冷蔵庫の中。コンロ。ひとつずつ、綺麗にして、最後に愛用の包丁を研いだ。
「よしこれで、」
いいだろ、クソジジイと遥か遠く、東の海にいるその人を思い浮かべ、外へと出た。
いい匂いがする。集中して片していたからか、気付けばもう夕食の刻。腹減ったな、と思った時、飯だぞーー!と黄色い船から、ルフィの声が聞こえて来た。
甲板の上。始まった、宴。各々自己紹介がてら酒を酌み交わし、並んだ料理を口にしながら、楽しい時間だった。
こんなに笑ったのも久し振りのような気がした。
散々に騒いで、月が西に姿を消しそうな時刻まで騒いで、皆が休んだのはついさっきだ。
一緒に風呂入ろうぜ、とでかいそこに皆で入って、おやすみのいう何処にでもある挨拶に、帰って来たんだなとしみじみ思い、一人踵を返した。サンジ?と呼ぶ声に、一服、と手を上げての今、だ。
「イッカクちゃんも可愛かったなぁ」
ナミさんやロビンちゃんとはまた違った魅力のある女性。
やっぱレディはこの世の宝だ、と思いつつも、そういえば、と有り難く思ったことひとつ。
俺の前に並んだ食事は他のやつとは違うものだった。黒足の帰還祝いだからな、と言っていた。
「ほんと、」
いい同盟相手だ、とその頭の顔を浮かべた時、ふわりと青に包まれた。これってと考えるまでもない。何度か見た。
次の瞬間、スタリと俺の横に降り立ったやつ。
ロー、だ。
「なんか久し振りだな」
「そうだな」
本当に久し振りだ。
ドレスローザで別れて以来。
こうして真夜中、いやもう明け方近くなんだけどよ、に二人なんて本当に、
「って、
…
なんだそれ?」
不意にってわけじゃないが、見えたものに思わず疑問符が浮かんだ。
カップ、だ。ローの船のマークがついた、カップ。
コーヒーかとも思ったが風に乗って香ってきたものは、甘い。ってことは、
「ココアだ」
だよな。ってか、お前ココアなんて飲むのか?と揺れる茶色を見ていれば、
「お前にと思って」
と、差し出された。
「色々あって疲れてるだろ」
「ああ
…
そういうことな」
確かにまぁ疲れてる。
本当に色々あった。あり過ぎて。あの島から離脱した後も、まぁ色々あった。新世界の海ってのはマジ厄介だ。戻ってきて、心は休まったが、体は疲労を訴えてる。だから、気遣っての甘いもの。なんだよ、お前。しかも選んだのがココアって可愛いな。
「ありがとう」
受け取り、一口。程よく甘く、喉を通る。
にしても、
「美味いな」
「だろ」
「何か隠し味でもあるのか?」
「
…
特別なことはしてねぇよ」
「すっげぇ美味いけど」
なんだこれ、と一口、一口、口内で味わいつつ飲めば、ふ、と目の前のやつの表情が和らいだ。
「俺の愛情をたっぷり注いだからな」
「え?」
「なんだよ?」
「ローが作ったのか?」
「ああ。美味いだろ」
「美味い」
関係を変えたのは、パンクハザードを出てからだった。
一度喧嘩にはなったが、その後出した食事。一口食った、顔。あれを見たのが失敗だった。途端吹き荒れた、嵐。未だかつてないほどのハリケーンに、なんだ俺?と自分を疑った。おいおいちょっと待て、あれはレディじゃない。確かに綺麗な顔立ちはしてるが、れっきとした男だ。しかも今しがた同盟を組んだ、相手。本当に待ってくれ、とひとりヤバいマズいと荒れ狂う嵐を必死に抑え込もうとしてたところに、どうかしたのか?と覗き込んできた声。ああ、俺。どうしたんだ、俺。何こんなになってんだ??確かに恋はいつでもハリケーンだ。だからってこいつ相手にハリケーンって。
「黒足屋?」
だから近寄るなと思ってたってのに、気付けば手を取っていた。
「俺、お前のこと好きだ」
なんて口説き文句にしてもお子ちゃまみたいな言葉を告げてた。どうせ口説くならもっとスマートな言葉にしろよなんてことを考えてる自分に、ああ駄目だなこれは本気だと降参した。こんなハリケーン体験したことがない。
それでも、相手は男。海賊。狂気の男。最悪の世代。王下七武海にも名を連ねる、トラファルガー・ロー。
何言ってんだろうな、と笑った俺に、そいつは綺麗に笑んだ。
「お前の髪の色」
「え?」
「好きだ」
「ロー?」
「指先のタバコと匂いも、好きだ」
「
……
いいのか?」
「世話焼きの優しいところも気に入ってる。
……
いいよ」
すと、髪を割くように手を這わせても、拒絶はない。
それどころか目を閉ざした。
顎を引いた。
ついと軽く触れれば、クスリと笑う。
すと、腕を俺に廻して、笑うから。もっとな、と再び、口付けた。
それから何度か二人きりになれば、キスを交わして、
って、ああ
…
そうだ。そうだった。
今回の件でこいつにも俺が捨てた過去を知られちまったんだな。別に隠していたわけじゃないが、捨てたもんだ。
ローは、北の海出身。当然、知っているだろう。俺があの一族と知ったならば、
「どうかしたのか?」
「いや
…
お前らにも色々迷惑掛けたなと思ってよ」
「
……
良かったな」
「え?」
「戻って来れて」
「ありがとう」
実感している。ここが俺の居場所なんだと。
この先もここで生きて行くのだ、と。
「いい仲間に巡り会えたな」
「ああ」
ほんとにな、と思う。
ルフィには感謝しかない。
俺の夢、オールブルー。何よりも俺が居ないと、という言葉には感激した。涙が出た。
「そういえば、ゾロ屋が」
「あ?クソマリモ?」
思わず出た言葉に、今度はぷ、とふきだした。
「なんだよ、ロー」
「悪い悪い。お前とゾロ屋の関係って面白いなと思ってな」
「はあ?」
面白い?どこが面白いってんだ。
「
…
鼻屋がえらく心配してた」
「そうか」
「ニコ屋とロボ屋がなんとか宥めようとしてたが、ゾロ屋が一言、信じて待ってろって言ってな。落ち着いた」
「え?」
「すごいと思った」
あいつがそんなことを?
「
……
今回のことは俺たちは詳しくは聞いてはない。ただ、待っててくれと言われただけだ。だから、別に気にすることはない」
多分それは、迷惑掛けたという俺への返答なのだろう。
ああもう、
「
…
美味いな」
「愛情たっぷりだからな」
またココアを口にして、甘さに解ける。
このまま抱いちまいたいとそんなことを思った。
けど、もう時期夜が明ける。
今日の最後の一本も今吸っちまっている。まぁこれからは一緒だ。何も焦ることなんてない。
「
…
飯、美味かっただろ」
「あ?ああ
…
美味かった。俺にだけ別メニューとか感謝するよ。ご馳走さん」
「それはてめぇんとこのやつらに言ってやれ」
「は?」
「提案してきたのは麦わら屋だ。お前に美味い飯食わせてやりたいってな」
それって、え?
「今日くらいはって俺のところに来た。四苦八苦しながら作ってたぜ、あいつ」
「ルフィが?」
「他の奴らもだ。全員。一人一品ずつ作ってた」
「
…
なんだよ」
そりゃ、美味いはずだ。
なんだよ、あいつら。
「愛されてるな、黒足屋」
「
…
なら、明日からは俺の愛が篭った食事作ってやらないとな」
そんな俺の声に、ふ、とゆうわり笑む表情。
浮かんだ仲間たちの顔が連なって。
照れ臭くてタバコを吸うふりをして顔を隠そうとしたってのに、
「なぁ」
すと、指からタバコを抜かれる。
すぅと、それを吸って、
「俺には愛情注いでくれねぇのか?」
なんて、突然の誘い文句に。
ほんと、愛されてんな、俺と、
「仰せのままに」
腰に手を回した。
2017.11.17 Ree.MORITA
サンロになってますか??
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