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ree_1116
2017-05-25 00:03:51
2555文字
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キス(ルロー)
ルローワンライ(^-^)投稿しようと思ったけど暗過ぎてやめたやつ。どこにでもあるような、
「俺なぁ、エースの他にももう一人、兄ちゃんが居たんだぁ」
パンクハザードで手を組んで。
次の目的地であるドレスローザへ向かう、最中。
夜。
こっちと連れられた先。展望室。
突然、
「
…
?」
麦わら屋が言いだしたのは、そんなことで。
一体なんだ、となんでもなく横に並んだやつを見た。
明日は決戦だ。
俺だけの決戦。最終戦と言っても過言ではない、直前の夜。
今出来ることは、明日の朝刊を待つだけ。休む、だけ。
それだけになったから、甲板に腰を落とし、シーザーを見張りつつ、浅い眠りに入り込もうと思ったってのに。
とーらーおーと陽気でいて無邪気な声が俺を呼び、勝手に手をとって勝手に連れて来られて、突然の昔話。
なんで俺が付き合わなけりゃならねぇんだ、と思いつつも。
まぁ、いい。
とも、思っていた。
同盟を組んだ。一日で終わる同盟を。
手を組んだ理由はただひとつ、声には決してしねぇし、告げることなく終わるだろう、こと。
その為だけに、利用するために手を組んだ。作戦は順調だ。色々あったが、それは間違いない。ドフラミンゴは乗るしかねぇ。が、何を仕掛けてくるかなんてわからねぇ。それでも、今考えてもどうにもならねぇ。気になるのは、過去。俺の知らない、過去。あいつの過去ということは、コラさんの過去にも繋がる。コラさん、
そこまで、考えて思考が止まった。
必ず、と強く思う。叶えると、心が痛む。
あの人の本懐。それだけの為にここまで来た。ここまで、生きてきた。
どんな手を使っても、誰を騙しても自分を偽っても、果たすためだけに全てを、己の全てを使って捨ててきた。
だって、あの人は、
「でよ、その時エースが言ったんだ。俺は死なねぇって」
麦わら屋の声は、続いている。
横に並んで座り込んだけど、俺を見ることなく。
ただ、ただ、紡いでいる。
時折、上を見上げ、視線を彷徨わせながら、声を詰まらせながらも。
知ってる。
知ってるんだ。
俺も、
昔の話しをするということは、
「なぁ、トラ男は?」
「え、」
「なんだよ、聞いてなかったのかよ」
「聞いてたよ」
「そか。なら、」
いいんだけどよ。
言って、問い掛けてきたくせにまた勝手に話し出す。
話しは聞いていた。ちゃんと、耳に届いていた。別にどうでもいいことだってのに、一言一句、他のことを考えながらも、思い出しながらもちゃんと聞いていた。
もう一人の兄。サボ。知らないうちに死んだ、兄。盃を三人で交わして、兄弟になった。親は知らない。じいちゃんが、
ちゃんと、聞いていた。
そうして、続いたのは、もう一人の兄のこと。
その場には居なかった俺には到底知りえるはずもない、炎の最後。
初めて、死に逝く人の体温を重さを知ったと掌を見て、止まる。
何もわからなくなったってのに、わかったことがひとつあって、と止まる。
「もう、居ないんだなぁ」
膝を抱え、小さくなって。
何処を見るでもなく、何処かを見て。
落とされた言葉はとてつもなく、重い。
でも、羨ましくも感じていた。
俺は、知ることが出来なかった。体温も重さ、も。
最後の声、掛けられた魔法。
優しいそれが、切れた瞬間に実感した。居なくなってしまったのだ、と。
それでも、向かった。待った。約束があった。
気付けば、俺も横に居るやつと同じことをしていた。
膝を抱え、小さくなって。
掌を、見ていた。
確かに繋がっていたんだ。
あの人、と。
だからこそ、
「なぁ、トラ男は?」
そこでさっき流れた問い掛けが、再びやって来る。
今まで告げられたのは、兄弟のこと。
ああ、そうだ。そうか、
「ああ
…
俺は、」
雪舞う、中。
なんでもなく笑っていたから、何処かで安心していた。
乗り越えたんだな、と思った。
でも、知ってる。
麦わら屋、俺知ってるんだ。
乗り越えられても、心にはある。残っている。その人が、その人たちが居る。
今、ここで。
麦わら屋がどうしてそんな昔話をし出したのか、俺にまで振ってきたのか、真意なんてわからなくていい。
こうして、今、此処に在ることが出来ている。
大切な人たちが、居る。
熱を感じることが、出来る。
まだ、
「妹が居た」
「うん」
「病気で動けなかったけど、今思えば、一緒に連れて逃げれば良かったと思ってて、」
待ってろ、と言ったからこそ、そのまま待っててくれたであろう、妹。
覚えているのは、俺を見上げた、表情。口元。
声は何故か思い出せないが、兄さまと俺を呼んだことはちゃんと覚えてて、
「
…
うん、」
きゅっと。
膝を抱えていたはずの掌が、重なる。
握り締められる。
感じる体温は生きている、証。
繋ぎとめることの出来た、
「トラ男」
「
…
うん」
俺、知ってる。
知ってるんだ。
昔の話しをするということは、泣けるんだ。
お前だって知ってたんだろう。
なのに、仕掛けてきたってことは、俺を泣かせたかったのか?それとも、
「あったけぇなぁ」
「
…
そうだな」
繋いだままの、掌に。
二人して、そんなこと思って、
それまで、動くことのなかった影に、覆われる。
一度、柔らかく抱き締めて。
髪に、額に、瞼に、耳に、鼻先に、頬に、触れてから、
「
…
ぅん、」
触れ合った先は、口唇で間違いなく。
暖かさを、体温を、熱を、伝えるだけの稚拙で他愛無い、口付けに。
強張っていた何かが崩れて、
「ぁ、」
喉元に、喉に、二の腕に、手の甲に触れ、
「麦わら屋、」
最後に、掌に。
さっきまで繋がっていた、先にゆっくりと押し付けてから、
「一緒に、お前の仲間に会いに行こうな」
と、無邪気さを捨てた笑顔で、告げられた。
明日で、終わる。
同盟も、俺も、明日で終わると思っていた。
俺の本当の狙いがどこにあるかなんて、何一つ告げてない。
にも、関わらず。
何も知らないにも、関わらず、
「
……
そうだな」
落とされた声は、懇願にも似たような、そんなキスだった。
2017.05.24 Ree.MORITA
この後、えちしてますね確実に笑
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