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ree_1116
2017-05-05 21:02:43
4808文字
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誕生日(ルロー)
ルローワンライ【誕生日】折角の年一なことなので参加させて頂きます。が、どちらかというと余り…誕生日メインじゃなくなってしまいました(>_<)すいません…
「なんの騒ぎだ?」
ルフィ呼んでこいよと言われて、おう!と入り込んだ船内。
夜遅くまでなんか色々考えることがあるとかで、結局ローが寝たのは朝だったから暫く寝かせといてやれとサンジが言ってた通り、トラ男は水槽の部屋で一人で寝てた。んで、準備も出来たしそろそろと言われて起こしにきたってのに、どうやら起きてたらしい。まだ眠そうに目元を擦りながらだったけど。
「誕生日だ!」
「たん?」
「おう!俺のだ!」
「ああ
…
五月五日って言ってたな」
そういえば、なんて言いながらの声に、ん?となる。
だって、
「俺、今日が誕生日なんて言ったか?」
ぶっちゃけ、今までそんな話しになったことなんてなかったし。言った記憶ねぇなぁと首を傾げて、未だ眠たそうなやつを見上げれば、綺麗な色。薄く開いた瞳の奥、半月みたいにそこにあるのは、
ん?
「ははっ、やっぱ覚えてねぇか」
「はぁ?」
「だろうなとは思ってたんだ」
「だから、」
なんだよ、と口を尖らせたのと同時に、ぴたりと額に少しの熱さ。
トラ男の掌だ。
なんだこれ、と思ったそれは緩く前髪をかき上げ、すと身を屈め、掠めるように、
あ、
「プレゼント、」
これでいいだろ、とゆっくり模った笑みに重なったのは、青い空に廻る羽。
【例えばこんな、昔噺】
それは十年前の今日のこと。
「ルフィ」
俺を呼んだのは、ダダンで。
これからエースと狩りに行こうとしてたってのに。エースが向こうで早く来いって言ってんのに。
呼び止められた。
手には、籠。中には、林檎。
くれるのか?と思ったけど、
「村に行って来な」
「あ?」
「村長にこれを渡してくるんだよっ!」
「えー!なんで俺っ」
「いいから行って来いって言ってんだよっ!!」
押し付けるように籠を渡され、ダダンは何故かくるっと背を向けた。ってなんだぁ?
「
…
戻ってくるまでにはちゃんと準備しててやるから」
「なんの?」
「宴さ」
「おおーー!宴!!わかった!」
なんかわかんねぇけど宴は大好きだし。とっととこれ村長に渡して帰って来ようと一目散に山を駆け降りようとしたのに。
「ルフィ、ちょっと待て」
また呼び止められた。
ドグラだ。
「なんだよー」
「一応
…
教えといたほうがいいかと思って。村長
…
病気らしいんだ」
「
…
え、」
「村医者もお手上げみたいでよ
…
だからお前に見舞いをって親方言ってた」
「嘘だ!」
「本当だっての
…
」
一気に目の前が暗くなったような気がした。
嘘だ嘘だ、と今度こそ一目散に山を駆け降りる。
数年前、失った。俺の知らないところで、失くしてしまった人がいる。
その面影が浮かぶ。浮かんだ面影に村長が重なって、
「うああああーーーっっ!!」
飛び込んだのはその人の家だった。
ルフィ?とおばちゃんの声がしたけど、勝手に奥へと駆け、バタン!と開いた先に、ベッドに横たわっている村長が、ピクリとも動かないって、
「うわああーーんっ村長死んじまったーー!」
からんと持って来た籠が落ちる。
林檎が転がる。
俺も座り込んだ。
「ルフィ、来てくれたんだね」
ポンと肩を叩いたのはおばちゃんで。
にこっと笑いながら、泣いてる俺の背を撫ぜてくれて。
そして、
「ちゃんと生きてるよ」
「へ?」
「さっきお医者さんが来てくれてね。治してくれたんだ」
「え?」
「今は寝てるだけだよ。強いお薬飲んだからね」
「あっ!ほんとだ生きてる!」
横になってる村長の胸に耳を当てれば、確かにとくんとくんと聞こえて、
「良かったぁ」
「ありがとうね、ルフィ。この人もあんたがお見舞いに来てくれて喜んでるよ」
ほら笑ってると言われて、顔を見ればその通り笑ってた。
「へへ、良かった。じゃあ、元気なんだな」
鼻を指で擦って、元気になるならいいや、と見舞いはこれで終わりと出て行こうと思ったら、
「そうだった、ルフィ。マキノが店に寄れって言ってたよ」
「マキノ?うん、わかった」
「ついでにこれ」
「帽子?」
「お医者さんが忘れていったんだ。マキノの所に立ち寄るって言ってたから渡してくれるかい?」
「おお、いいぞ」
受け取ったものを手に、外へと出る。
青い空に、廻る風車。
ダダンが宴って言ってたけど久し振りにマキノの飯も食いてぇなぁとふんふん鼻歌を歌いながら曲がりくねった道をいけば、ポツンと影。知らない、やつ。じじっと、何かを見てんのか全然動かねぇ。つかこの村に見たことないやつって珍しいなぁと気付けばそいつの前に立ち止まってた。下から見上げる。耳が光ってると思ったら、一点を見てた瞳が、俺を映した。おお、金色だ。綺麗だな。なんかに似てる
…
あ、
「
…
何か用か?」
「うんにゃ用はねぇ」
「そうか」
「お前、村のやつじゃないよな?」
「ああ、俺は医者だ」
「医者って、もしかして村長治してくれたやつか!」
「
…
治したってまだ完治には至ってねぇよ」
「ん、んん?でも、お前が診てくれたんだろ?村医者はお手上げだったって聞いたぞ。でも、おばちゃん治ってたって言ってた!だから、ありがとな!!」
へへっと笑いながら、言ったのに。
そいつは、じいいっと俺を見てるだけで。
そこで、さっき、あ、と思ったことに気付く。
まん丸お月さんだ。
「礼を告げるのは俺の方だ」
「へ?」
「帽子、探してたんだ」
「あ、これお前のか」
「ああ、ありがとう」
「気にすんな!」
ほら、と渡せばなんてことなく受け取って、すぽんと被る。にしてもすげぇ暑そうなもふもふ帽子だ。でも、なんか格好良い。俺の麦わら帽子の方が格好良いけどな、なんて思ってたらそいつはまた見上げた。何を見てんだろ、と視線を追えば、
「風車、見てんのか?」
「俺が生まれ育った所にはないからな」
「へぇ」
「いいな
…
」
クルクル廻る。この村でも一番大きなのを見てる。って、あ、そうだ。
「なぁお前医者ってことは頭いいんだろ?」
「え?」
「こっち!」
「って、おい」
そうだそうだそうだった、と思い出して、手を引いた。おいとかお前とか言われながらも、そのまま連れだったのは、さっきまでこいつが見てたやつ。一等大きな風車の元。
「ここな、すげぇんだ!」
「すごい?」
扉を開け、ひんやりした中に入る。えと確か、と壁を手でなぞり、あったとひとつの石を押せば、ズズッとその横が動いた。
「
…
へぇ、確かにすげぇな」
「だろ!で、この奥によ」
隠し扉みてぇなとこから更に奥に進めば、もっとひんやりした空気に満たされた。何処かから潮の香りもする不思議空間に、不思議な石がある。俺が見つけたのは偶然だった。かくれんぼしてた時に、偶々発見したもの。でかい不思議石。
「これなんだけどよ。なんか文字書いてあんだろ。読めないんだ」
「古代文字か?」
「お前、読めねぇか?ぜってーお宝があると思うんだ!」
だってこんなところにひっそりと。隠してある石。
お宝の在り処が示されてるに違いねぇ!とワクワクウキウキしながら、すすっと文字を掌でなぞってるやつを見てたってのに、
「残念だな
…
これは俺にも読めねぇよ」
「ええーーーー!!」
「
…
悪いな」
「いや、そか。なら、仕方ねぇ。あ、このことは誰も内緒だぞ。俺のお宝なんだからな」
「わかった」
「俺とお前だけの秘密だ。あ、そうだ」
「ん?」
いいこと思いついた、とそいつの手を取って、
「お前、俺の仲間になれよ」
「
…
は?」
「俺、17になったら海に出るんだ!医者なんだろ?だから、俺の仲間になれ!」
「唐突だな」
「だってお前いいやつだろ?」
「いいやつじゃねぇかもしんねぇぞ」
「いや、ぜってーいいやつだって。でよ、二人でこの不思議石なんとかしよう」
「なんとかって」
「よし、きめた!」
「勝手に決めんな」
「ええ、なんでだよっ一緒に海賊やろう!絶対楽しいって」
「
……
そうだな」
「お」
「また、会えることがあって。お前が覚えてて、誘ってくれたら考えてやる」
「なんだよ、それぇ」
「俺にもやりてぇことがあってな」
「ふーん」
「だから、それが終わったら考えてやる」
「ん、わかった。約束だぞ」
「ああ」
すと、言葉なく交わしたのは指切り。
いつかの、約束。
「ルフィー」
そこに、開きっ放しになってる扉の向こうから、俺を探す声が聞こえて、慌ててそこから出た。
「マキノ?どうしたんだ?」
「お店に来るって聞いてたのになかなか来ないから
…
お医者さんと一緒だったのね」
たたっと駆け寄ってきたマキノが、俺の横のやつに頭を下げた。
「態々来てもらって、ありがとうございました」
「いや」
「マキノがこいつ呼んだのか?」
「ええ
…
シャンクスさんにいいお医者さん紹介して欲しいって連絡したら、この人が来てくれて」
「シャンクス!お前、シャンクス知ってんのか!」
「少し前に世話になったことがあって。その借りを返しただけだから、あんたもそんな気にしなくていい」
「でも、北の海から来てくれたのでしょう?よかったらお友達と一緒に私のお店で食事でも」
「いや、いい」
「え、いいじゃん!俺と一緒に飯食おう!マキノの飯、美味いんだ!」
「あ、ルフィあなたは駄目よ」
「ええーー!」
「ダダンさんが誕生日の宴の準備して待っててくれてるんでしょう?」
誕生日?
「五月五日でしょ。私ね、ケーキ作ったのよ。それを渡したくてお店に寄ってもらおうと思って」
「俺、今日誕生日なんだ」
「ふふ、忘れてたの?」
「うん、すっぽり」
「急いで帰ってあげて。待ってるわよ」
「うん」
マキノが笑って踵を返す。お店にケーキあるから、と。
その背に続こうとして、そっかとまた思った。
ああ、なんだそうかぁ。俺、誕生日なのか。
あ、
「お前も来いよ」
「え?」
「いいだろ?」
「いや、俺は戻る」
「ええ、なんで」
なんだよ、と口を尖らせたのと同時に、ぴたりと額に少しの熱さ。
医者の掌だ。
なんだこれ、と思ったそれは緩く前髪をかき上げ、すと身を屈め、掠めるように、
あ、
「プレゼント、」
これでいいだろ、とゆっくり模った笑みに重なったのは、青い空に廻る羽。
呆然としてしまった俺の前から、そいつはいつの間にか消えていた。
「
…
あれ、トラ男だったのか」
「やっと思い出したか?」
「うん」
「その後、村長はどうだ?」
「ああ、すっげぇ元気だ」
「なら、良かった」
ふ、と笑み。
そのまま歩き出してしまうから、待てってと後を追った。隣に並ぶ。
「なぁ、トラ男」
「ん?」
「俺の仲間になれよ」
「
…
まだやりてぇことがあるからな」
それは却下と、額を小突かれる。
「イッテェ!」
「ははっ」
あ、笑った。
「んじゃあさ、全部終わったら不思議石解明しようぜ」
「ああ、そうだな」
「二人で」
「うん」
いいよ、という顔がなんかすげぇ、
「やっぱ、俺、トラ男欲しいな」
「なんだよ、それ。仲間として、か?」
「いや、そうじゃなくて
…
欲しい」
きゅっと、手を握り締めれば、まん丸お月さんがゆっくり俺を映して、
「うん」
いいよ、と。
さっきよりもなんとも言えない顔が頷いて、
伸ばした背に合わせるよう、
「誕生日、おめでとう」
額ではない肌でもないところに、キスをくれた。
2017,05,05 Ree.MORITA
時間ギリすぎて最後あっさりに(>_<)
ちょっと書きたかったネタでした
…
つかもう少しちゃんと細かく書きたかったかも笑
お付き合い、ありがとうございました。
ルフィさん誕生日おめでとう
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