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ree_1116
2017-01-04 00:59:11
2439文字
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新年(ルロー)
ルローワンライ【新年】大遅刻してしまいましたが、こそっとあげさせて頂きます。いつもの恥ずかしいルローです…すごく短いですが、少しでも楽しんでいただければ幸いです。
「なぁ、トラ男。ヒメハジメってなんだ??」
年が明けて。
二日。
突然、船長室に現れた恋人が、突然、言い出した、こと。
って、お前な。
「新年の挨拶もねぇってのか?」
「あ、ああ。悪い悪い。気になってよ」
なんて、ししし、と相変わらずの顔で笑ってる。
にしても、だ。
確かに今日会う約束はした。
したが、それは今向かっている島、でのことだ。
ペンギンがナミ屋といつの間にか約束していたらしい、事柄。
折角、近くを航海しているわけだし、新年会いませんか、と誘ったら二つ返事だったと事後報告されては、もう頷くしかなかったが。まぁ、
まぁ、な。
「もう島に着いたのか?」
「うんにゃ」
ううん、と麦わら帽子が横に揺れる。
「お前の船、見つけたから飛んできた。島に着くのは後二、三時間は掛かるってナミ言ってたぞ」
ああ、なるほど。
だから、さっき船体が変に傾いたのか。
なんだとは思ったが、誰も何も言って来ないし横波かと思ってたけど、お前だったのかよ。全く。
来ちまったもんは仕方ねぇ、とまとめていた情報を後回しにすることを決める。散らばった紙を集め、ひとつにしてから席を立った。
「てか、めっずらしいなぁ~」
「何がだ?」
「トラ男メガネ」
「
…
ああ」
そういえば、掛けてたな。
「変か?」
「似合う似合う」
「そうか?」
何故か嬉しそうにしているので、このままでもいいか、と未だ扉口に居るやつに近寄れば、視線がどんどん上がってくるのが面白い。暫く会ってなかったがどうやら身長は然程変わってないらしく、前に会ったときと殆ど同じ角度で俺を見ているそいつの一歩手前で、止まった。
「で、なんだって?」
「あ?」
「ヒメハジメ?」
「ああ、それそれ。フランキーに言われてよ」
ロボ屋?
「トラ男に教えてもらえって」
「俺に?」
「うん。ブルックもヨホホーヨホホー笑ってるだけで何も教えてくれねぇんだ」
「ふ~ん」
「年越し宴してたんだけどよ。二日にトラ男に会うぞって言ったら、おおヒメハジメかぁって笑ってよ。男ならどーんと決めて来いって。ブルックは、若いっていいですねぇって」
「どーんと
…
」
「ロビンも笑ってるしよ」
三人とも結構呑んでてよ、珍しく酔ってたみてぇで面白かったんだぁとその時のことを思い出しては、また笑ってる。
つか、
「悪いな、麦わら屋」
「ん?」
「俺も知らない」
「えーーーー!え?え?ほんっとに知らねぇのか、トラ男なのに?」
「なんだよ、それ」
「だってトラ男ってなんでも知ってそうじゃん」
「俺にだって知らないことは山程ある」
「へぇそっかぁ
…
って、知らねぇのかぁ」
う~、とそれまでずっと笑ってたやつが、屈み込んでマジで凹んでるらしく、うーうー唸り始めた。そんな様子に、何故か悪いことをしてしまったような気になってくる。だから、小さくなってしまったそいつに合わせるよう、俺も屈んで俯いちまった顔を覗き込むように、告げた。
「悪かったな」
「ううん、いいんだ。俺が勝手にトラ男は絶対知ってると思ってただけだしよ」
ううんううん、と首を振るけど。
がっかりしてる様は丸出しだ。だから、
「じゃあ
…
うちのやつらにでも聞いてみるか?誰か知ってるかもしれねぇし」
「う?」
「な?」
「うん、」
そーすると言って、すくっと立ち上がり、そして、
「驚くぞー」
「ん?」
「誰も俺が来たの気付いてなかったみてーだからよ」
って、
「そうなのか?」
「おう」
それもどうなんだろうな、とは思う。気抜き過ぎだろう。そういえば、天気もいいし久々に浮上したから、洗濯するぞ!とはりきってはいたが。まさか、飛び乗ってきたやつに気付かないとか。
でも、ああ、と思う。
そうか、と出て行こうとするやつの肩を掴んだ。
「ん?どうした、トラ男」
「うん」
まだ、着かない島。
ナミ屋が二、三時間掛かると言っていたからには、その通り掛かるんだろうし。
だから、
開き掛けたドアを閉める。
カチャリ、と鍵も閉め、なんだよ?と首を傾げる恋人に背を向けた。
「トラ男ぉ?」
うちのやつらも、麦わら屋がここに居るのは、知らない。
だから、
「麦わら屋」
部屋の傍らにあるベッドに腰を掛け、呼ぶ。
だって折角の、時間だ。
だから、だから、
「やる、か?」
一言。
誘えば、
「
…
うん、やる」
わかったやつは、とととと駆け寄ってきて、腰掛けた俺に覆い被さるよう体を密着させてきた。きゅううと抱きしめられて、つい、
「ふ、」
「なんだよ、笑って?」
「いや、久し振りだなと思って」
変わらない、熱い体温に。
でかい、掌。太陽と海の香り。
もっと感じたくて。俺からも背に腕を廻し、更に引き寄せ体を合わせれば、
「そうだな」
と、何処かいつもと違う声色が聞こえ、掛けっ放しになっていたメガネをはずすから。
俺も、麦わら帽子をとって、背ではなく髪に指を差し込んだ。
「トラ男、」
両の掌が、頬を包み込む。
こつん、と額が合わさる。
鼻先が、触れる。
視界にいるそいつの顔が、傾く。
嗚呼、と目を閉じ掛けたってのに、
あ、という小さな、声。
何かを思い出したような、
「どうした?」
問えば、
「新年、あけましておめでとう!」
なんて、言い出すから。
今、それかよ、と。
思わず、笑ってしまった。
「ああ、おめでとう」
「今年も宜しくな」
うん、ひとつ頷き。
再び、近付いて来る愛おしい熱に、
「よろしく」
触れながら、告げた。
2016.01.02 Ree.MORITA
うちのトラ男くんはいつでも結構初心です。
やることは、同じってことで!!笑
この後、クルーたちに聞きに行って、色々ひと悶着あると思います(笑)
ここまでお付き合い、ありがとうございました。
ネタかぶってないことを祈ります
…
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