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ree_1116
2016-09-28 22:05:26
4958文字
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イタズラ(ルロー)
ルローワンドロ17回お題『イタズラ』最近スランプで…なんか微妙になってしまいましたが…うあああ!って勢いで書きました(笑)少しでも楽しんで頂けると幸いです…
「トリックオアトリート!!!」
突然、ルフィがそんなことを言って、ローの前に飛び掛かっていったのは、もうすぐおやつの時間だった。だから、俺はせっせとキッチンでかぼちゃを使ったスイーツ作りに勤しんでいたってのに。手早く仕上げて、冷蔵庫に入れてから飛び出した。
昨日の夜。
はぁ、と重い溜息と共にダイニングに来たのは、同盟相手で。
悪いが、と珍しく酒を求めてきた。どうした?と覗き込めば、別にとなんでもなく頬杖を突いたけど、まぁなんとなくはわかってたんだってか、気付きたくもなかったんだけどな。
にしても、だ。
ルフィのやつ、早いっての。まだ、夜にもなってねぇってのに既にウソップ作の
…
猫耳か?を頭に乗せてマントつけて、手にはなんだあれ?もふもふ付けてやがる。猫?
…
ああ、狼男ってわけかよ、それ。
「おお!サンジーーー!お前はこれだっ!!」
パーティは夜って言ってたのは、誰だ?と思ってたところにやってきたのは、ウソップで。つか、てめぇなんだその仮装?フランケンか??で、俺はこれって、
「ドラキュラ?」
「俺チョイスだ!」
「へぇ、いいじゃねぇか」
「だろ」
ほら!と渡されてもだな。
俺はまだまだこれからやることがあるっての。
「ナミとロビンも今着替えてるんだぜ」
「マジか!」
「マジマジ。二人とも魔女だ!」
「おおおーーーー!!!!!」
そうか、ナミさんとロビンちゃんは魔女か
…
それは早く覗きに
…
いや違う。早く見たいな。
「トラ男ーーーーー!!!」
って、違う違う。
ナミさんとロビンちゃんの魔女姿はそれはもうとてつもなく魅力的なことだが、そうじゃなかった。俺が手を休めてまで確認しに来たのは、そっちじゃなくこっちだ。
「トリックオアトリート!!!」
ずずいと。
いつもながら、マストんとこを陣取っているローの前。
ルフィが、手を差し出して、またハロウィンお決まりの文句を言い放ち、うきうきした顔して待ってる。
さて、どうするつもりなんだ、ローの野郎。
昨日、すげぇいやぁな顔しやがったが、と興味津々にダイニング前、手摺から様子を伺ってると、バカという声。てか、お前バカってな。
「バカってなんだよー!」
だよな。
そりゃそうだ。
皆が皆、ハロウィンで浮かれてる。
マリモまで仮装してるし、ブルックも既にそれらしき音楽を奏でてるし。
チョッパーは、ルフィ同様お菓子もらいに走ってるし。
昨日、夕食時にその旨は話した。パーティやるぞ、とうちの船長も宣言をした。だから、何をどうするかわかってるってのに、バカってなぁお前。んで、どーするつもりだよ??
「いいから、お菓子くれ!」
「菓子?」
「そうだ!!」
ハロウィン?と首を傾げたのは、ローだけだった。
それもある意味、納得というか、そうだよなと思った。
北の海にそんな習慣はない。俺だって、知ったのはバラティエ時代ってかクソジジイから聞いたから、だ。いいか、チビナス。そこから始まったのは、知らない習慣のこと。そして、振る舞う料理は、とレシピを教えてくれた。懐かしいなと思い出しながらも、ローにもクソジジイから聞いたことを告げれば、へぇと面白そうな顔しやがったくせに。なぁなぁトラ男と肩を組んできたやつに、顔顰めやがって。その時も、おお?と思ったんだよな。まぁ、知ってたし。なんとなくそーいうことなんじゃねぇか、とも思ってたし。ひとつ前の島からもうそれなりに経ってたし。ここ、船の上だし。サニーだし。んで、酒くれとやって来たから、ああそーいうことな、と至った。だから、言ったんだ。イタズラしてもらえばいいんじゃねぇの?って。明日ハロウィンだしよ、と。特に何も考えずに笑いながら。イタズラってお前な、と言ったやつは、ずっと呆れた顔してたけど。そーいうことなんだろ。なぁ、ロー?
「昨日話したろ。お菓子くれないとイタズラすんぞ!」
お、と出てきたキーワードに、俺は見てませんと別に不必要な演技までしながら耳を傾ければ、
「イタズラ?お前が、俺に?」
「だから、菓子くれ!」
「出来んのか?お前、俺にイタズラなんて?」
く、とローが笑った気配がする。
それに、む、とルフィが口を尖らせたような雰囲気がする。
ああ、なるほどな。そーいう手でいくわけか?
ってか、お前。昨日酒飲みながら、ずっと呆れてたってのに。
結構、乗り気だったってわけかよ。
「出来るに決まってんだろ!」
「へぇ」
やってみろよ、と挑発されてんのが少し離れた場にいる俺にすらわかるほどだ。
あんなこと言われちゃ、ルフィだって黙っちゃいねぇ。
この野郎、と声が響く。
と、同時に、ROOMとあっという間に、船体を覆いつくしたのはもちろんローの能力でしかなくて。クッソーーーー!!と声が響く。あの野郎と腕をぐぃんぐぃん廻しながら見た先には、船首になんでもなく立っている、元七武海様の姿。
おお、なんだよなんだよ。そんな、顔しやがって。悪い笑みとでもいうのだろうか。明らかに、バカにしてますってか見下してますってか。んなことされちゃ、海賊王になると言って譲らないやつだって黙ってるわけもない。トラ男ーーー!!!と、恋人に向けるような声ではないもんで叫んで、一気に伸ばした腕で飛んでいく。バレバレな行動なだけに、今や五億という懸賞金を掛けられたやつはまた能力を使って、呆気なく消える。クッソーーー!二度目のそれは、三度四度五度六度と立て続けに、真っ青な空に響き渡った。
「おおー!いいぞ、やれっ掴まえろルフィーーー!!
「トラ男さん、恰好良いですっ!ルフィさん、頑張ってくださいーー!!」
「やっちまえ、ルフィ!って、何やってんだよ、てめぇそれじゃダメだってのっほら、逃げられたっあははは」
「お前ら、船は傷つけるよなっ!!」
「海にも落ちるなよー!」
やれやれーー!と、いつの間にかギャラリーになってる野郎共の声なんて、聞こえてるのか聞こえてねぇのか、追い掛けっこはまだまだ続いてる。
で、どーするつもりなんだっての、とこの場に出てきてから三本目になる煙草に火を付けながらもその様子を見守ってたわけなんだが、
「何やってんの?」
「あら、鬼ごっこ?」
レディ二人が着替えを終え、出てきた。
「おおおおーーーーー!!!!!ナミすわぁぁぁん!ロビンちゃああああああん!!なんて魅惑的な!美しいっ!!!」
「ありがと」
「魔女なお二人に美味しいスイーツの準備が出来てますが、」
いかがですか?と一礼すれば、頂くわと微笑みで返ってきたので、そそくさとダイニングの扉を開け、誘導する。そうして、二人が中に入ったのを確認してから、もう一度外に目を向けた。
未だに広がるローの能力に、ルフィの大声。
鬼ごっこなのかなんなのか。まぁ、読める。そーいうことだろ。なら、邪魔にならねぇようにしねぇとな。
「おーい、野郎共。てめぇらのおやつもあるぞー!」
食わねぇのかと呼べば、それまで二人の追いかけっこを見てたやつらは、簡単にこっちに来る。
「あいつらは放っておいて、中で美味いもん食おうぜ」
二人にさせてやらねぇとな。
ローの野郎、ブチ切れちまうっての。
「あとはお好きに」
どうとでもしてくれ。
出来るのかお前に、なんて言われて。
ムっとして。
つか、今日はみんなからお菓子もらえる日だってのによ。トラ男のやつだって配る分の菓子、サンジから貰ってたの知ってんだぞ。なのに、なんでくれねぇんだ。つか、なんで逃げるんだってのこの野郎と、ひょいひょい逃げるやつを追い掛けた。腕を伸ばして、伸ばして、伸ばして。そのたびに、消えやがって。何度目になるのかもうわからないくらい、腕を伸ばしては飛んでを繰り返し、気付けば薄らと汗までかいて。息まで切れてて。腹減ったと思ったけど、トラ男が見たことのない顔で笑ってるから、またこの野郎と腕を伸ばした。なのに、
「へ?」
今の、今まで。
掴もうとした途端、ふと消えてたやつが、消えない。
ぐ、と肩を掴めた。
よし、と体を飛ばせば、消えずに突っ立ってたやつはぐるりと辺りを見回してから、肩を鷲掴んでいた俺の腕を掴む。
あ?なんだ?え?
瞬間、体がふあっと浮いたってか。
お?おお?と思った、一瞬後。
「ぅお!」
どさり、という今までにはなかった、音。
突然の重力に体が落ちた先は、って
…
ここって、
「
…
重てぇ」
く、と笑ったのはずっと追い掛けて捕まえようとしてたやつでしかなくて。
あれ?と首を傾げれば、ここが見張り台だってことがわかった。狭い空間。下にいる、トラ男。能力を散々使っていたからか、どこかけだるいってかいつもと違う雰囲気に、ぐと喉が詰まったのがわかった。詰まるってか、一気に乾いたってか、
「あ、悪い」
「バカ」
でも、重たいという言葉を思い出して、乗っかった先から退こうとしたってのに。
ずっと逃げてたやつの腕が、首に廻る。くい、と引き寄せられる。鼻先がくっつく。
あ、
「
…
イタズラ、しねぇのか?」
なぁ、麦わら屋。
ゴクリ、
乾いた喉が、唸った。
「なぁ、ルフィたちはいいのか?」
今更んなこと言い出した奴は、暗さが増してきた窓の向こうを見てた。
既に、ローの能力は見えない。ってことは、そーいうことなんだろ、とティポット片手に、まぁまぁと朝から作っていたお菓子をまたテーブルに並べる。
「まぁ、食え。あいつらなら、そのうち来るだろ」
「
…
そうね、トラ男くんイライラしてたしね」
「って、ロビンちゃん」
「ふふ」
「ああ、やっぱりそういうことですか」
「え?なんだよ?」
「トラ男、怒ってんのか?」
「まぁルフィだからな。気付かねぇか
…
」
「そうね、これからは時々二人の時間を作ってあげましょう」
「だな」
「そうですね」
「だからよ、なんだぁ?」
どうやら大人な方々は気付いてたようだ。
まぁ、あからさまってか変なフェロモンむんむんだったしな、ローのやつ。
「ルフィのやつプディング食いてーって言ってたのによ。あいついい加減、腹すかしてんじゃねぇかぁ?」
「いや、だからよお前ら
…
あ~なんだ」
ウソップやチョッパーにどう説明していいのか悩んでるフランキーに、くすすと美しく笑ったロビンちゃんが、
「今、狼さんは食べてるから大丈夫よ」
適格でいて、遠回しに告げた。
「へ?狼?」
「そういうこと
…
もういやぁね」
そこでやっと気づいたナミさんに、ふーんとどうでもよく落とした、くそ剣士。
「ちょっと待て
…
狼って、もしかしてルフィのことか?」
「ええ!!トラ男、ルフィに食われてんのかあああ!!!」
なんて。
やっぱ気付けないウソップとチョッパーに、笑いが起きたのは数秒後のこと。
多分、自分でもどうしていいのかわからなくなって、酒を求めてやって来たんだろう。
実際、こんなん初めてでどうしていいのかわからねぇ愚痴ってたしな。
いつからそーいう仲になったのかなんて知らねぇが、再会してから今に至るどこかの過程でってのは間違いねぇ。ってことは、今はぶっちゃけ付き合い始めのラブラブな時期ってことだ。でも、ここはサニー。ローの船ならいざ知れず、船長室もねぇしな。二人になる場所も時間もねぇことは容易に想像出来るし。恋人になってから日が浅いともなれば、な。そりゃ、色々だろ。
知ってしまったからこそ、のイラつき。
隠しきれなくなるほどに、あのローが。
愛されてんなルフィのやつと、思わず嬉しくなっちまった。
だから、昨日。イタズラなんてことを言った。
「余計なお世話ってわけじゃなかったな」
思う存分、イタズラされちまえっての。
そのくらいの時間くらい、どうにかしてやる。
仕方ねぇからな。
いいか。
仕方ねぇから、だぞ。
2016.09.28 Ree.MORITA
他のイタズラが思い浮かばなかったので
…
丁度時期だしハロウィンネタにしました
…
つか、ルフィさん思考とかで全部書けば良かった
…
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