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ree_1116
2016-08-31 22:28:57
3630文字
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肝試し(ルロー)
ルローワンドロ第13回お題【肝試し】案の定、いつものパターンになってしまいましたが
「はぁ?肝試しだ??」
思わず頭を抱えてしまいそうになった。
ワノ国。
やっと、黒足屋を連れ戻し、麦わら屋たちが合流出来たのは、三日前。
当然の如く、その夜は宴が催された。
まぁ、いい。それは、いい。
とんでもねぇ先から、無事目的を果たして来た。五体満足で、共に戻って来た。更には、歴史の本文の写しまで、しっかり持ち帰って来た。上々なんてもんじゃない成果に、そりゃ祝って宴を催すのも頷ける。明日からは、カイドウに向かう為の準備をするからな。今日だけだぞ、と言った俺に何度も大きく頷いたのは、何も麦わら屋だけじゃない。その一味も、うちのクルーも、侍たちもさもそれが当たり前と言わんばかりに、頷いてたってのに。
次の日は、夏の風物詩だかなんだかで花火大会が催された。その次の日は、忍者たちが集めた情報を持って来て、結局は宴になっていた。毎夜毎晩、呑んで歌って騒いでが続けば、当然の如く動けるはずの午前中はほぼ動けなくなる。それでも午後からは決戦に向けて色々やっていたが、こんなんじゃいつ決行に至れるかわかったもんじゃない。だからと、各々の頭を呼び、その旨伝えたってのに。わかった、わかったでござる言ったのは何処のどいつだと、怒鳴りつけてやりたい。どの面下げて、今日は肝試しだなんて、
「そうなんだ!モモから聞いて、ナミがやろうって!!」
だから、目をキラキラさせんな。
今日こそはしっかり休んで明日に備える。遊ぶためにここに来たわけじゃねぇんだぞ、と告げたのはほんの数時間前のことだってのに。
「そうなんだじゃねぇだろ。いい加減、」
「なんだよ、トラ男?怖いのか?」
「んなわけねぇだろ、俺は」
「なら、いいだろ!!」
だからな、いいわけねぇってんだ。
「はい、トラ男くん」
「あ?」
「クジ引いてよ」
「クジ?」
「二人か、三人一組で森の奥にある社に行って、そこに置いてある札を持ち帰ってくるんですって」
「いや、だから」
「なんでござるかロー殿。矢張り、怖いのでござるか?」
「怖いわけねぇだろ」
何を怖がるってんだ。
一番怖いのは、生きている人間だ。
「もー、いいから早く引いて。トラ男くんが引かないなら私がトラ男くんの引くわよ。どれにしようかしら〜」
「あのな、ナミ屋」
「トラ男はこれだ!」
「ああ!ルフィ!あんた!!」
「って、麦わら屋っ何勝手に引いてんだ!」
「
…
あ、俺のと違う」
「ああーーー!!!トラ男ーー!俺と一緒だ!」
「トニー屋?」
「俺!俺も一緒だ!!」
「
…
鼻屋」
ほら!ほら!!と見せられた紙の端に、一、の文字。
「ロー殿の班が先陣でござるな」
「いいなぁ!俺も一番最初が良かったーーー!!」
うあー!と本当に残念がってるから、
「なら、行っていいぞ」
「へ?」
このクジやる、と麦わら屋に差し出したが、不思議な顔をされた。
「なんだ?」
「あのな!俺は、トラ男と!!
…
っ、」
「ん?」
む、と口を尖らせ、何故か言い渋るから、なんだよともう一度首を傾げてみたが、ムームー言ってるだけで。だから、
「わかんねぇの?」
「わかんねぇよ」
こんなことやってる場合じゃねぇてのに。
お前のことまでわかるわけねぇだろうが、
「って、ロー。早く行けよ。後がつかえてる」
「え?」
「俺はロビンちゃんとナミさんチームで二番手なんだからよぉ〜早く行けってぇ〜」
ほらほら、と鼻の下がとんでもないことになってる黒足屋に背を押されたと思ったら、提灯片手の鼻屋に腕を組まれた。更には、トニー屋が抱きついて来た。
「なんだ?」
「おおおおおおお俺は別に怖かねぇけどな!トラ男が怖がってるってんなら仕方ねぇからな腕組んでやるぜ!」
「
…
」
「俺は怖いから!トラ男、抱っこしてくれ!抱っこ!!」
「
…
はぁ」
結局、流されていつものパターンかと思いつつ、歩を進める。
行ってらっしゃいー!という声を背に、暗闇の中へと入り込む。
少し行った先でトニー屋が、くんくんと鼻を鳴らして、顔を顰めた。
「どうした?トニー屋?」
「ん。なんか
…
不思議な匂いするなぁと思って」
「ああ
…
硫黄だな」
「この匂いがなんかますます
…
こう
…
クるものが
…
って何処かから水音がしねぇかっっ!!!」
「温泉だろ?何がクるってんだ?」
「いや、お前
…
そうだけどよ」
そんな会話を交わしつつ。
一本道を、提灯の明かりを頼りに進む。
社まで往復で三十分程度。とっとと終わらせて、休もう。酒が入ってないだけ、良しとすることを決めて、暗がりが続く森へと入り込んで行った。
ぶっちゃけ、散々だったというかなんというか。
纏わりついてくる鼻屋に、抱きついたままのトニー屋。歩きにくいし、少し物音が聞こえただけで、悲鳴に近しい声を上げ、俺を引き連れて数歩下がっては、進み、下がっては進みの繰り返しだった。無事元の場所に戻れたのは、予定していた倍の時間を費やした挙句だった。変に疲れた。それでも、札を持ち帰れば、お役御免。お疲れ様と、参加賞だかのおやつを渡されて、この国に来てからずっと間借りしている個室の寝床へと着いた。時刻は、丁度日付を越えた頃。いつもより、早く眠れると横になって、目を閉ざす。明日は午前中から、動ける。まぁそれはそれで良かったと思ってたのに、
「トラ男〜」
いつもにはない小さな声で。
いつもとは違って静かに入って来たやつ。
「
…
麦わら屋?」
「あ、起きてた」
良かったと、とととと駆け寄ってくるがなんだってんだ、一体?
「どうかしたのか?」
合流してからの三日間。
こんなことなどなかったから、何かあったのかと思い、身を起こせば、あのよ、と言う。
「俺と肝試ししよう!」
「あ?」
「いいだろ?」
って、何がいいんだ。
「俺は、っておい!」
もう寝る。肝試ししたいなら他のやつを誘えと繋がるはずだったってのに、無理矢理強引に手を引かれた。
そうして、静まり返っている屋敷の中を歩く。と言ってもまだあちこちに、人の気配。だからと、極々自然のまま、繋がれた手を切って、わかったと、そいつの後を行く。言い出したらきかねぇことももうわかってるし。こいつとなら、三十分も掛からず戻って来れるだろうし。それに、
こんな二人きりも久し振りだった。
だから、
「うわあああ!」
そんなことを思いながらも、スタート地点に立った途端の麦わら屋の声。
は?と、横にいるやつを見れば、ギュギュッと腕にしがみついてきやがった。
「おい
…
」
「俺は怖い!」
「は?」
「だから、いいだろ!!!」
って、なんだそりゃ。
「わざとらし過ぎるだろ」
「え?そっか?」
「お前が怖がるたまかよ」
「あ〜ダメかぁ、なら」
と、拘束した腕を離した掌は、俺の掌にやって来て、
「このくらいならいいか?」
「
…
」
「手、繋いで歩きたかったんだ」
俺、なんて。
そんな嬉しそうな顔されても、
「そうだったのか?」
「だってよ、皆の前じゃトラ男、照れて繋いでくんねぇだろ」
だからこれでも考えたとでも言いたいのか。
この野郎は、
「照れてってわけじゃねぇけどな」
「そっかぁ?」
ゾウで、別れて。
ワノ国で、合流して。
近くに在れるようになっても、二人きりなんてなかった。
折角、思いを通じ合わせたってのに、恋人らしいことなんてなにひとつなくて、
「もう少し先に行ったらさぁ」
「うん」
「ギュってして、いいか?」
「
…
いいよ」
腕に絡んできた鼻屋を見て、この場なら手を繋げると思ったのか?
抱きついて来たトニー屋を見て、この先なら抱き締めれると思ったのか?
ああ、なんだ。
お前、そうか。
俺と行きたかったって、こーいう意味だったのかよ。
全く、
「ギュっ、だけでいいのか?」
「
…
良くねぇ」
「俺も」
ムスッと返してきたやつは、続けた俺の声に、え?とすごい勢いでマジマジ見上げてきた。
なんだよ、そんなに驚くことか?
こう見えても俺だって、
ちゃんと、
「この先
…
社のもっと奥に温泉があるとニコ屋に聞いた。休憩所みたいな場もあるらしいから、そこに行くか?」
「おう!!って、そーいえば俺も聞いたな。ナミに、それ。夜は滅多に人来ないし、行ってきたらとかなんとか」
「
…
ナミ屋?」
「おう」
ナミ屋にニコ屋
…
いや、まさかな?
「早く行こうトラ男!」
「
…
ああ、そうだな」
考えても仕方がねぇし、そんなことより今は、と繋がれたままの手になすがまま、連れられる。
その先には、久し振りの時間が待っている。
暗がりしかない、一本道。
こんな肝試しも、悪くない。
2016.08.31 Ree.MORITA
いつものパターンでスイマセンです
…
最近、書けない病っぽくて
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