ree_1116
2016-06-07 03:20:01
4628文字
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リク第五弾!!(ルロー)

タグにて頂いたリクの第五弾!ちょっと完全にリクに添えてないものになってしまいましたが~宜しければ受け取って下さいませっっっ!!!

「終わったな・・・」


何気に出た声に、そうだな、といつもより低い声が返って来た。







ワノ国。
決戦を勝利という結末で終え、戻った先。
盛大な宴が行われた。
散々に呑んで笑って、歌って。
満身創痍なくせに、打ち勝ったことを悦びあったのは、昨晩のこと。
いつまで続くのかと思ったものは、少し前に終焉を迎えた。
今は、ただただ静けさだけが漂っている。
あちこちに、共に戦った面々が眠っている。
それはうちのクルーたちも同じで。麦わら屋のとこのやつらも、だった。
いつもであれば、ちゃんと寝室に戻って眠る女達までが重なるように、眠っている。
侍たちも、連なって。
皆が皆、ぐっすりだ。
まぁ、それも仕方ねぇかと一人、肩に愛刀を担ぎながら様を見つつ歩く。
そうして、見つけたひとつ。
祭壇か何かなのだろうか。一面の海に向かって続いている石段の先、そこに影。
あんなところに居やがったのか、とある意味驚いた。
でも丁度いいのかもしれないと石段を上がり、影の横に立ち、目前に広がる海と徐々に明るくなる空を見ながら、不意に毀れた言葉が、終わった、というものだった。



漣の音だけが反芻する、最中。
ただ、じっと黙っている麦わら屋ってのも珍しいもんだ。
もしかして眠り掛けてんじゃと目線だけ動かしてそいつの表情を盗み見れば、閉じ掛けてるのかもと思っていたもんは、見開かれたまま。昇る太陽でも眺めてんのか、真っ直ぐ前だけを見詰めていた。今、隣りに俺が居ることすら気付いているのかわからないほど。揺るがない、視線。いつまでも、いついつまでも、前しか見ない黒い、瞳。一心なまでに、求めるものを俺は知っている。だから、




「・・・じゃあ、」



ちゃんと届いているのかすら不明だったが、告げなければならないことだったから、続けてみることにした。



「ここで、お別れだな」



声に、前しか見てなかったもんが動く。
俺を見上げる。
なんだ、ちゃんと俺が居ることに気付いてたのかと、俺もそいつを見た。
まじまじと、でかい黒が俺を見てる。僅かに開かれた口唇からは、え?という疑問符のようなもんが浮かび上がって、


なんだよ、


「そういう約束だったろ」
「・・・約束?」
「ああ。俺達の同盟はカイドウを倒すまでだろ?」
「・・・・・ああ、そうか。そーいえばそんなこと言ってたな」
「そんなことって、お前な」


まぁらしいといえばらしいのかと切り替え、話しは終わったと踵を返そうと思ったが、俺、と零された声に、足は止まっていた。



「お前とはずっと一緒なんだと思ってた」
「何言ってんだか」
「・・・なんでかな。お前と一緒ならすっげぇ楽しいんだろうなって思ってて」
「俺が居なくても楽しいだろ?」
「そーかもしれねぇけどよ。でも、お前が居ればもっともっとすげぇ楽しいと思ってる」


過去形だったはずの言葉が、現在進行形になって改めて、告げられた。
未だにでかい黒は真っ直ぐ俺だけを見ていて、気付けば刀を持っていない左手の手首を取られていた。握られていた。強く、強く、強く。


「麦わら屋、」


そうだな、と思う。
確かにお前とこの先も共にいければ、それはそれで楽しくもあるんだろう。
思い掛けないことの連続で、息つく暇もなく。この先の海を渡っていくことになるんだろうとも思う。日々、生きていることを実感するような、そんな毎日が。そんな冒険が。でもな、麦わら屋、



「狙っているもんも違えば、信じるべきものだって・・俺もお前もそれぞれ持ってるだろ?」


だから、


「わかるな」


静かに強く告げれば、わかるとそいつは頷いた。


「海賊同盟はここまでだ」


改めて、別れの言葉ではなく終焉を明確に告げ、手首を掴んでいた掌を握る。
握手だと気付いたやつは握り返してから、すと離し拳を作るから、誘われるがままコツンと重ねた。


「じゃあな」


そうして、朝日に背を向ける。
石段をひとつ、ひとつ、降りる。
もうここに用はない。
直ぐにでも出航だ、と迷うことなく歩を進めたってのに、



「あ、」


と、言う声。
真後ろからの、声。
何かを思い出したみたく、落とされた一言に、なんだと振り返れば、太陽を背負ったやつがなんとも言えない顔で笑っていた。
そうして、



「俺、お前のこと好きだ」



なんてことを、言い出すから。
思わず、ふ、と笑みが零れた。
なんだよ、それ。
マジで今、思い出したみたく。
なんでもなく、好きだなんて。
でも、ちゃんとわかっている。
今、くれた言葉は、仲間や同士としてのもんじゃない。
そういうものじゃなく、


「俺も、お前のこと好きだよ」


だから、同じだと返せば、それはもう嬉しそうにしながら、俺が降りた階段をそいつも降りて来る。俺が留まっている一段前まで来て、



「んじゃ、キスするか?」
「・・・いいよ」



こいつからキスなんて単語が出て来るなんて、とまたふと笑った俺に、なんだよと少し口を尖らせたくせに。少しだけ高い先から、身を屈めてくるのがわかって、顎をあげた。目を閉ざすのは何故か勿体無いような気がしてやめた。


「ん、」


途切れた声は、どちらのものか。
じっと、見詰めあったまま。
初めての感触に、距離に、心が悦んだのがわかった。
つい、と触れては角度を変え、何度も何度も薄く重ねてくる稚拙な口付けだってのに。体温に、瞳に映った様に、麦わら屋だと強く感じて、気付けば互いに抱き寄せ合ってただなんて。



僅か数秒の、触れあい。
全てを惜しむように離れていく温度に、緩く笑みを浮かべたまま。最後に一度だけ、俺から押し付ければ、信じられないまでに見開かれた瞳に、様を見ろなんて思いながらも、すと身を引く。そのまま、また暫し見詰め合って、一歩下がった。


「・・・トラ男は、何を狙ってんだ?」
「さぁな」
「んじゃ、何を信じてんだ?」
「さぁな」
「なんだよ」
「今言えることはねぇ」
「じゃあ、いつなら言えるんだよ?」
「さぁな」
「まぁたそれかよ」
「お前だって海賊王にいつなれるかなんてわかんねぇだろ」
「そーだけどよ。でも、・・・俺が海賊王になったらお前奪いに行くからな」
「奪えるのか?この俺を」
「当たり前だろ」


言い切るからたまったもんじゃない。
そうやって、揺るがない様も嫌いじゃねぇけどな。


「覚悟して待ってろよ」
「誰が待つかよ。俺のが先に達成したら俺が奪いに行ってやるよ」


お返しとばかりに言い切れば、それもいいな、なんて。
まぁそういうところも嫌いじゃねぇけどな。


「じゃあ、どっちが先か競争だな」
「そうだな」


言いながら麦わら屋は、額を合わせて笑う。
最後に一度だけ。
もう一度だけ口付けを交わし、今度こそ踵を返した。



「さようなら」
「おう、じゃあな」



左様なら、という言葉は嫌いじゃない。
名残を惜しむ、その言葉は好きだった。
決して、別れだけのもんじゃない。
その響きが好きだからこそ告げ、振り返ることなく真っ直ぐ前だけを見て歩き出した。
出航、だ。
地面に折り重なるように眠っているうちの奴らへと近付けば、肩が震えてることに気付いた。
ってことは、こいつら、


「行くぞ」


起きてやがったな、と刀で小突けば、痛い痛いっすキャプテンと言いながらも笑ってやがる。クソ。もしかしなくても、全部見て、全部聞いてたのか?


「行くんすか?」
「ああ。出航準備をしろ」
「それなら、もう出来てますよ」
「キャプテンなら直ぐ出ると思って」
「食料も給油も終わってます」
「なら、とっとと他のやつらも起こせ」
「アイアイ、キャプテン!!」



そうして、来た海を逆行する。
狙いはひとつ。
手に出来るかは、運次第。俺次第。

















「トラファルガー」


手に出来た情報を手に、拠点にしているという島に降り立てば、すぐさま目的の人物を見つけた。
小さな、島。
漁で生計を為している、本当に小さな漁村。
僅か数里進めば、深い海溝があると聞いた。潜水艦にはもってこいな隠れ島だなと思いつつ、見えた人影を呼べば、気付いたらしき人物は、ああ、と頷いた。



「これ、頼まれていたものだ」
「悪いな」


渡したものを、早速と言わんばかりに読み込む。
この先の一角は?とひとつ空いている空間が気になったらしい。


「そこだけは手を尽くしても何があるのか、わからなかった。でも、地下に繋がっているらしい」
「へぇ・・地下、か」
「もう少し調べてみるか?」
「どんな情報でも、些細なもんでも構わない。やってくれるか?」
「もちろんだ」
「済まないな。頼む、ドレーク屋」
「了解だ。それじゃあ」


用件は終わり、次の件も頼まれたことだし、と船に戻ろうと思ったが、ああちょっと待て、と呼び止められた。


「うちのやつら、今あそこの酒場で一杯やってんだ。良かったら」


ほら、と見据えた先には確かに酒場がある。貸しきってるからと、気遣いの誘いに断るのもなんだなと頷けば、酒でも女でも好きにやってくれ、と何処かへ行こうとするから、お前は?と問えば、答えたのは本人ではなく、お供のペンギンだった。


「キャプテンは一途なんで。女がいるとこは誘っても来ないんすよ」
「一途?」
「ペンギン、余計なこと言うな」
「アイアイ」


ぶすっとしたトラファルガーに、怖い怖いと言ってる割には笑っているが、


一途。
ということは、想い人でも居るのかと思ったその時、キャプテンーーー!!と大きな声。
駆け寄ってきたのは、シャチだった。


「どうした、シャチ?」
「そんな慌てて?何かあったのかよ?」


はぁはぁ、息を切らせてやって来たやつに、二人が声を掛ければ、これこれこれーー!と更に大きな声と共に差し出されたのは、一枚の紙。新聞か?


「・・・・ふ、」


受け取り、一面を見たトラファルガーはいつにもない表情を浮かべた。
実際、驚いた。
こんな顔もするんだな。
一体、その紙に何が、


「早くしないと、キャプテン奪われちゃいますね」
「・・・そう簡単に奪われてたまるか」


馬鹿、と一言。
手にしていた紙面を何故か俺に渡して、足早に去っていってしまった。
キャプテンーーとペンギンとシャチも追い掛けてしまうから、残ったのは、俺一人。


「・・・なんだ?」


奪われると言っていたが、と手にやってきたものを見れば、そこには大々的な文字が謳っていた。



「成程」



六月十六日、号外と書かれた先。
海賊王、と連なっている。
その先には、過去、彼と同盟を組んでいた相手の、名。





「想い人、か」





2016.06.16 Ree.MORITA


お誕生日おめでとうございますーーーーー!!!!!
なんか、全然リクいただけた内容とはかけ離れてしまいましたが…(汗)
こんなんでも受け取って頂けると幸いです。

改めまして。
お誕生日、おめでとうございます。
じゃびさんにとって、この一年も素敵な年になりますよう。
愛と心を込めて。