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らい
2020-10-09 21:07:20
1813文字
Public
レオいず
今日のレオいず♀㉕「被写体の恋人」
お題「グラビア」※泉女体化(性転換、呼称改変注意)
「れおくん。夕飯の時間なんだけどぉ?」
ソファーに寝そべっていたレオは、泉の呼びかけに応じることなく───天井に掲げた週刊誌を、しかめっ面で眺めていた。親密交際だの、薬物汚染だの、芸能ゴシップのたぐいにはちっとも興味がなかったが、泉のグラビアが掲載されているとなれば、話は別なのである。
「もぉ。聞いてるぅ?」
「おい。この写真は一体なんだ
…
?」
「ええ
……
?」
国内の仕事といえども、自慢の彼女が数ページに渡って特集されているのだ。それは、レオにとっても素直に喜ばしいことだった。一時期はライバルに仕事をとられて、紙面に載ることも叶わなかったようだから。被写体のなかで生きる泉は、だれよりも輝いている。ページ越しに聞こえる美の呼吸は、レオも大のお気に入りだった。
だが、問題は中身である。レオは勢いよく飛び起きて、あくびをする泉の目の前に、週刊誌を押しつけた。
「なんだっ、この『カレとの週末は、ちょっぴりだらしなく』とかいうタイトルはっ!?」
「その見出し、正直どうかと思うよねえ。いついかなる時も、朝からしゃんとして過ごす。華麗な美は、なにげない日常生活から作られていくものなのにさぁ」
「んぐあぁあっ、そういうことじゃないんだよなあ~っ!」
人差し指でドンドン、と泉の写真をつつきながら、レオは頬をふくらませた。大きめの白シャツを着た泉が、艶めかしい太ももを晒しながら、窓際でコーヒーを持っている。架空の『彼氏』との休日をイメージしたもので、男性ファンの想像を豊かにするグラビアだ。
女性アイドルは夢を売る仕事だし、これ自体はよくある構図である。しかし、次のページから露出がどんどん激しくなっていくのだ。
テーブルに前屈みになって、谷間を寄せて微笑む泉。
ソファーで片膝を上げ、濡れたまなざしでシャツを割り開く泉。
ベッドに仰向けになり、憂いのある表情で惜しみなく太ももを披露する泉。
世の男性たちが思い描いた理想の虚構であり、各々の脳内で好き勝手に繰り広げられるであろう『恋人の朝』が、そこにあった。
興奮するのか、しないのか。その二択でいったら前者を選んでしまうほど、泉のからだは魅力的である。だが、生々しい妄想に直結するグラビアよりも───まばゆい夕焼けが反射する海にたたずんでいたり、鮮やかな緑がきらめく木陰で涼んでいたり。そういった自然のなかで撮影する泉だって、色っぽいまなざしを使わずとも美しいことを、知ってほしいのだ。
エロいとか、抜けるとか、男性界隈では比較的メジャーなものさしを、泉にあてがってほしくない。
「あんただって、こないだ似たようなグラビア撮ったでしょ。『たまには、朝寝坊もいいよな』みたいなやつ。シャツのボタンを開けて、カノジョを腕枕する~とかいう趣旨のショットで寝転がってたじゃん」
「カメラマンのおじさんが脱げっていうから
……
。おれ、寒いからいやだったのに!」
「そういう問題?でも、お姫さまたちからは好評だったみたいだよぉ。れおくんの、『オス』の部分が見られたとかなんとか」
「おれは可愛いっていわれがちだから、かっこいいって思ってもらえるのは素直にうれしいけど
……
って、いまはおれの話じゃなくてっ、セナのはなしっ!」
「同時に、私の話でもあるでしょお。れおくんも、私も、あくまで仕事でやってるんだから」
「でもなぁ~」
「わがまま言わないの。それともなぁに、瀬名泉の完璧なる美に、文句でもあんのぉ?」
「ないです。セナは世界一、いや、うっちゅ~いち綺麗!」
「だったら、問題ないでしょ。私の美は、揺るがないんだから」
泉が、週刊誌を取り上げて、レオの隣に座る。
えっちだ、けしからん、そういうのはおれだけに見せろって、そんな簡単な理由で不貞腐れてるわけじゃないのになあ。レオはうう、と唸りながら、泉の腰にぎゅうっと抱きついた。
「なぁに?れおくんは甘えん坊だねえ」
「かれとのきゅうじつは、ちょっぴりだらしなく
……
」
「だらしないのは、あんたでしょうに」
泉はそう呆れながらも、レオの頭をふんわり撫でる。わかってない。本当にわかってない。細くて柔らかな曲線に、レオは頬をすりよせた。
シャツを割り開いて、太ももをあらわにするだけが恋人じゃないってこと。知っているのはおれだけで、知ってほしいのもおれだけ。
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