Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
長月ユウ
2024-02-11 19:27:06
1477文字
Public
岱+莉
Clear cache
【キャプション必読】空を奪うと決めた日
※馬岱が色々と酷い+怖いので、そういうのがダメな人は読まない方がいいです。
岱莉の両想いが瓦解する話。
友人が書いてくれた庶→莉SS のラストに書かれた「君は、俺の為の人ではなかった」に脳を灼かれたのですが、「これ徐庶だけではなく、馬岱にも当てはまるのでは?」 と思って勢いで筆を取ったら、とんでもないものができてしまったという……。
「馬岱様
……
?」
自宅の裏でひと仕事終えてため息をついた瞬間、背後から声がして振り返る。
「うわっぷ、気配がないからびっくりしちゃったよー。お帰り莉杏、遠くまでおつかいを頼んだのに、戻ってくるのが早かったね」
声の主
……
莉杏の顔は青ざめていた。良かった若じゃなくて。こんなとこを見せたら、顔を真っ赤にして怒りそうだし。
「何を
……
しているの
……
?」
「何って『お仕事』だよ」
震え声で聞いてくる莉杏にいつものノリで返しながら、ついさっきまで生きていた下女の腰から手を離す。すでに事切れて冷たくなった肉の塊は、鈍い音を立てて地面に落ちた。
「彼女、敵軍の間者だったんだよ。馬騰殿に「間者を見つけ次第、こっそり始末してほしい」って頼まれたから、気のある振りをして近づいて始末したってわけ」
「
…………
」
死体なんて戦場に立っているから見慣れてるはずなのに、莉杏の顔はこわばっている
……
多分、彼女にそんな顔をさせてるのは死体じゃなくて、
「頼まれたから、その人を抱いたの?」
殺す直前まで、俺と下女が抱き合っていたのを察したか、見てしまったから。
「抱いてって頼んできたのは馬騰殿じゃなくて彼女からだよ。その方が相手も油断して殺しやすくなるから応じただけ。もしかして嫉妬してる?」
「
……
助けてもらった私には、馬岱様が誰を娶っても、誰と仲良くしても口を出す権利はないよ
……
ないけど、教えて。こんなこと、ずっと前からやっていたの?」
乱れた服を整えながら、無意識に二度目のため息が出る。
「情報操作や偽の書簡を代筆をやらせたことがあるのに、今更聞いちゃうの、それ?」
「ああいう事なら誰だって普通にやるでしょ!? でも、こんなの
……
!」
「してたよ。俺は生き残るためなら、俺を必要としてくれるなら頼まれたことは何でもする。それが俺の存在理由だからね」
君にも言ったよね?「莉杏のためなら何でもしちゃう」って、「立場上は捕虜だけど、そんなことは気にしないで」って。君は力仕事以外は何も頼んでくれなかったけど。
暫しの沈黙の後、莉杏が口を開く。
「
……
だめだよ」
予想だにしなかった一言に、俺は目を丸くした。
「だめだよ、自分の存在理由を人に委ねるなんて。ホントの姿を隠して、独りになりたくないからってこんなことを続けてたら
……
いつか馬岱様は壊れてしまう」
ああ、本当の俺をよく知らない若もきっとそう言うんだろうけど、親も故郷も奪われて、俺以上に孤独な君に言われるのがこんなにきついなんて。
「
……
君は、俺を否定するんだ?」
「違っ
……
!」
「捕虜のくせに、俺がいないとどこへもいけない、人以下の存在なのに、そんなことを言うんだ?」
莉杏の言葉を遮り、淡々とまくし立てる。
「ご、ごめんなさいっ
……
そんなつもりじゃなくて
――
」
「何もわかってないね、君は。がっかりしたよ、こんなに頭が回らない娘だったなんてね」
血にまみれた両手で、彼女の頬を包む。恐怖で今にも泣きだしそうな翡翠色の瞳に映るのは、昏い笑みを浮かべる俺の顔。
「俺がいつか壊れる? その「いつか」なんてないよ」
何故なら、俺はとっくに壊れてるから。
「
……
君は、俺がいないと生きていけないの、わかってるよね?」
違う。君を壊してでも傍に置いておかないと孤独に耐えられない、生きていけないのは俺の方。
君だけは俺の孤独を癒してくれると思ったのに。
俺が望む癒しをくれると思ってたのに。
……
君は、俺の為の人じゃなかった。
end.
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内