きみから伝わる

750字ほど 一次創作BLのss.002 俺×彼 金曜の夜、酔っ払いの照れのような

 金曜の夜は、彼が俺の部屋に来る。飲んで、たいてい土曜は休みで、泊まっていく。
 仕事疲れたーと羽織っていたコートを脱ぎ、「久々の連休よ、なんと三連休……」と言い、くつろいで、酒とつまみをねだる。
 食事は作ってある。やって来る彼のために自炊しているところはある。

 食べたあと、彼に所望されたカクテルを「度数が高いから、一杯だけだぞ」と言って用意する。
 すると、笑って「そーだな。……あんまり、飲むと、な」とからかうみたいに、誘うみたいに俺の髪を梳く。
 酔ってくると、くったりやわらかく、こちらの身体に猫みたいに絡んでくる。
 「酒、飲まないくせに……なーんでおまえの作るつまみはこんなに美味うまいの」
 文句を言う。
 上半身にべったりとくっついていたのが、暑そうにいちど離れ、カーディガンを脱ぐ。
 ちょっと目をそらした俺に、いたずらっぽく笑った気配がして、またしな垂れかかってきた。

 「連休だからもう一杯だけ~」と頼まれると、作ってしまう。
 度数の高い、甘いカクテルを飲んだ彼と深くキスをすると、濃くアルコールの味がする。
 俺はほとんど飲まないから、彼とのキスで酒を味わうことになる。
 口のなかから伝わって、酔いがまわるようだ。
 唇を離して、そう言うと、彼はちょっと困ったような表情カオをした。戸惑ったような空気で、それをごまかすように笑い、俺から少し身体が離れる。

 それからしばらくして、「もう酒を飲むときはおまえとキスしない」と言い始める。なぜそんなことを言うのか、よくわからなくて、俺は彼の横顔を見つめた。
 黙って、顔をパタパタと手であおぐ彼は、こちらを横目でジロ、と睨み「おまえが変なこと言うから……」とつぶやいた。