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ひさね
2024-02-08 00:04:59
957文字
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ケーキを食べるだけ
ハチとシオンがだべりながらケーキを食べるだけの話。ハチ誕生日ss。
まぁるい大皿に乗った円いケーキにフォークを突き立てては口に運んで、生クリームの舌にまとわりつく濃い脂っぽさと甘さを堪能する。
「いやあ、おいしいですね〜」
「そりゃあミカが作ったんだもん。美味しいに決まってるじゃん?」
「わは、それはそうですね」
対面のシオンさんの言葉にこくこくと頷くと、シオンさんは微かに目を細くした。
緩やかに始まったパーティーが終わった深夜のキッチンは静かで、その静けさに背中を押されるのか、不思議なことにパーティーの時間内では溢れてしまった分のケーキを食べる手が中々止まらなくなる。残れば明日のおやつにでも、と言っていたらしいけれど多分全部食べてしまうのだろうなと予感する。
でもそんなこと他の方も予測しているだろうから、まあいいかとぱくぱく喉を通していく。
「いい食べっぷりだね〜。いつも思うけど」
「そうかもしれませんね。人より多く食べてる自覚はありますよ」
「
……
その食べた分、どこに行ってるの?」
内蔵殆どないのに、とシオンさんは声を潜める。内緒話をするみたいに。公然の事実だから今更気にはしないのに。
「さあ、どこでもよくないですか? 内蔵がなくても永久機関をあれそれして動いてる時点でファンタジーですよ」
「複製元が科学者とは思えない発言」
「マトモな科学者は永久機関なんか作りませんよ〜。自然法則を乱して何の得があるんですか?」
わははと自分が笑う一方でシオンさんは眉をぐっと潜めて複雑そうな顔をする。
流れ作業でフォークを刺して掬っていたケーキをシオンさんの方に差し出す。
「そんなことより、そんな顔で自分の誕生日祝われても寂しいです」
口まで押し付けようとすると、シオンさんはぱっと目を見開いて、緑の瞳を逸らしてから元の位置に戻す。それからカチコチとキッチンの時計が数回鳴ってから、おずおずと口を開いた。
ケーキを咀嚼して飲み込んで、「甘」と呟く。
「甘いの、自分は好きですよ」
「わたしはここまで甘くなくてもいいかも。コーヒー欲しいかも。淹れよっかな」
「あ、じゃあ自分のも下さい。ブラックで」
「甘いの好きなんじゃなかったの?」
「美味しい組み合わせには抗えないですよ」
それに今日の主役ですし、と付け加えれば、シオンさんはふわりと笑った。
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