ふうすい
2015-02-14 19:35:47
460文字
Public 百神
 

アヌ主


アヌ主へのお題は『雨の日の約束』です。 http://shindanmaker.com/392860


 解放者とアヌは、バビロニアの魔塔から満点の星が瞬く夜空を仰いでいた。
 解放者が独り言のように呟く。

「今日は晴れててよかった。雨の日は残念です。星空が見えないから」
「僕にとっては星は珍しくもないけどあなたにはそう感じられるんだね。
 何だか嬉しいな」

 嬉しいな、と言いつつ、アヌは張り付いた笑みのまま、いつもと変わらぬ調子なので、皮肉なのか本心なのか解放者には分からない。曖昧な笑いで返す。

「それなら、雨の日は僕が星空を見せてあげるよ」
「本当ですか?」
「ほら、この杖を見て。夜空の様子が一望できるんだ」

 アヌの杖には地上から見る星空よりも鮮明に、濃い密度で敷き詰められた星々が写っていた。解放者は思わず息を呑む。

「わ綺麗!」
「この杖はあなたにも渡したけれど、使いこなすのはまだ難しいだろうからね。雨の日でも、晴れの日でもいつでも見せてあげるから一緒に見よう、ね?」