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みみみ
2024-01-26 21:48:00
1131文字
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真夜中の共犯者(再掲)
支部にアップしております孤児院時代におねしょをした光灯くんが海翔さんにばったり出会うはなしです。
こちらを元ネタにした人間スタアロ話を不穏本に掲載予定です。
目が覚めて、最初に感じるのは下腹部の不快感だ。
そしてその不快感の原因が、自分の排泄物だと脳が理解するとたちまち深い絶望と焦燥感に飲み込まれる。
(かくさなきゃ)
バクバクと早鐘を打つ心拍を落ち着かせようと光灯は大きく息を吸う。
鼻を衝くアンモニア臭に眉を顰めながら、ぐっしょりと濡れてしまったシーツを他の子どもが起きないように注意しながら布団からはぎ取ると、布団と布団の間をすり抜けて光灯はリネン室へと向かった。
孤児院に引き取られてからと言うもの、夜灯と一緒に寝ない夜はいつもこんな調子だ。
「光灯はお兄ちゃんだから、ちゃんど出来るわよね」
”母”の声が脳裏をよぎると、ツンと鼻の奥が痛くなる。
乱暴に目の端に滲んだ雫をシーツで拭ったとき、光灯の頭がドンと何かにぶつかった。
「消灯の時間は過ぎているぞ」
顔を上げた瞬間、光灯の顔からサァっと血の気が引いていく。
一ツ橋海翔、随分と年上の孤児院の先住者。
その威圧的な視線が、自分が握りしめているシーツに注がれていることに気づいた光灯は
さながら死刑宣告を待つ囚人のような悲壮な面持ちで審判の時を待っていた。
「お前は、北ノ丸光灯
……
だったか」
フルネームを呼ばれて、ヒュっと光灯の喉が鳴る。
「ランドリーはこっちだ、ついてくると良い」
続いた言葉は、光灯にとって予想だにしないもだった。
「あ、まって!」
踵を返した海翔の後ろを光灯は慌てて追いかける。
歩幅の違いに、少し早歩きになりながら光灯は海翔の後ろ姿を見上げていた。
「シーツとパジャマは洗濯機の中に入れておけ、着替えは
……
」
「あ、あの
……
」
光灯の戸惑いなどお構いなしに、海翔は乾燥機の扉を片っ端から開けていく。
「サイズは大丈夫そうだな
……
おい、とりあえずこれを着ておけ」
そう言って差し出されたのはまだほんのりと温かい、乾いたパジャマと下着だった。
「あの
……
せんせいにいいつけないの?」
「何だ、言いつけて欲しいのか?」
海翔にそう聞き返されると、光灯は慌てて首を横に振る。
「冗談だ、ナギも昔おねしょをするとお父さんとお母さんに黙っていてくれと、お前と同じような顔で俺を見上げていたからな」
「なぎって?」
「俺の妹だ
……
っと、俺がこの話をお前にしたことはどうか黙っていてくれ、妹の耳に入ると事だ」
「うん、ぼくだれにも言わない!」
「そうしてもらえると助かる」
そう言って眉尻を下げて笑う海翔に、光灯は大きく頷いた。
「これで、俺とお前は共犯者だな」
その言葉に、光灯の表情から強張りが消えていく。
海翔の仕草を真似て、小さな人差し指を口元に当てると
シーッ、と嬉しそうに光灯が微笑んだ。
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