よよ
2024-01-23 00:02:58
585文字
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狂聡しんどい


椎名林檎氏の「愛妻家の食卓」がめちゃくちゃ狂聡でして
「昼過ぎに珍しくテレビをちょっとだけ観たわ」
「果物が煙草の害を少し防ぐと言うの」
「それですぐこの間のお店へ買いに急いだわ。御出掛けになるのなら必ず召し上がってね」
若奥さんかな?

謎シチュな事は百も承知ですが、普段は果物なんかバナナぐらいしか買わない聡実くんが珍しくりんごとかみかん買ってきて、そ………と狂児さんの前に出すの可愛くないですか?
「りんごやん。うさぎさんの形しとってかいらしいなぁ」
年下の恋人が剥いてくれた少し不恰好なりんごに目を細める狂児さんの、眦に浮かんだ小さな皺や、耳元できらりと細く光る白髪を見て、埋まる事のない年の差を実感する聡実くゆ(多分まだ大学生か社会人なりたてくらい)
「狂児さん」
「なあに」
「もうええ歳なんやし、長生きしてくださいね」
「聡実くん置いて死なへんよ」
あんま可愛い事言わんといて、と柔く微笑みながら髪を撫でられる。大きな手で髪をすく様に撫でられるのが気持ちよくて、自然と目を閉じる。
「ちゅうしてええ?」
聞いた癖にこっちの答えなんか待っていなくて、触れ合った唇から嗅ぎ慣れた煙草と香水の香りがして、漠然と「こいつは僕を置いていくんやろうなあ」って思いながら、広い背中の墨に手を回す聡実くん………

まあ狂児さんは絶対置いて行かないですけど………