フリーゲーム「ミノニヨクシティ」 二次創作
ネタバレねつ造あり。暗い。
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消えたくないと言われたから放り込んでやった。
忘れたくないと言われたから放り込んでやった。
助けてほしいと言われたから放り込んでやった。
放り込んでやった。
放り込んでやった。
放り込んでやった。
だってなんとかしてやりたかったんだよお。
弱弱しく光る蛍だと思い込んでいた。でも弱くたって馬鹿じゃなかった、気づきやがった、自覚した。そして私の思っている以上に、賢しらの恩知らずは多かった。
暴れも狂いも積みに積み、阿鼻叫喚の地獄の窯。
放り込みすぎた箱は壊れるのも早かった。
いっぱいになって破裂した。
私の箱は破裂した。
偉い様方はこう言った。
先の目が無い。学びの無意味に先達の無価値、救いたがりが下手打った。
同じ者はこう言った。
無責任。阿呆だ間抜けだ。とんまの女だ。先行き立たずの暗路の闇だ。
ミチビキだけが何も言わなかった。いいや見向きすらしなかった。
代わりに彼はやり遂げた。お見事拍手の楽園の庭、極楽浄土の救いの地。失敗から学びを得よと人は言う、だがしかし。私の過ちは、生かされすらもしなかった。
箱が軋んで壊れてからも、放り込んでやった蛍は変わらず私の傍にいた。誰も蛍を見えぬとほざいたが、それでも私にだけ見える。かつての光は見る影もなく、汚泥がジットリへばりつく。ドロドロドロリとついてきて、やれキャアキャアと姦しい。
嗚呼恨めしや、恨めしや。救うと言った貴様を信じた、信じた、馬鹿だった。真実など真実など真実など真実など真実など信じ信じ信じて信じて信じて騙され騙され騙され騙さ騙れ騙、騙、騙騙騙騙。
初めは悔いた、謝った。耳目を塞いで小道を閉じた。二番煎じも構うまいと、ミチビキの功績にあやかった。そしてやはりそれは猿真似に過ぎず転じて劣等感が膨らんだ。次第に徒労が満ち満ちて、私の何かも破裂した。
彼とまったく相似の箱庭。
比べてどうだ、この有様は?
暴れる奴らの血反吐で私の着物は濡れていく。重みは日増しに私を苛み、罵声は容赦なく私を叱咤する。
「私、は」
何をしたかった?
救いたかった?
こんな愛せもしない箱庭で?
こんな愛せもしない畜生を?
「ワ、ァアあ、ア、タシ、は」
永劫に救われず報われず無為でしかないのか?
メメメメメメメメメメメメ
恐竜もどきが崖にいた。
遠く向こうを懐かしむように、じっと虚空を見つめてた。
浮かんだアタシは自由が自在。ふぅらりふらりと音もなく、崖の向こうに立ち忍ぶ。そして真実の一歩手前で、恐竜もどきははたとアタシに気がついた。
「なんだあ、見ねえ顔だなあ!!」
「お前、お前お前お前! どこ見てた? どこ見てたぁあ? あはははは!!」
「うん? どこってわけでもねーんだが
……なーんかここに来たくなっちまうのよ。不思議だよなあ。ガハハハ!!」
「気になるねぇ? 気になるねェ? ねえねえねえねえあははははは!! 」
ひぃらり、ひらり、手で招く。
恐竜もどきがアタシの指を追う。上へ下へと、ゆぅらりゆらり。自由落下のその動き。あの日を思い返すその動き。
「おいでよぉ、おいでよぉ?」
「ガハハ、そりゃお前さん、ガルルさんは飛べねえからよお。落ちちまうよ、なあ?」
「あははははははははははははははは!!
……落ちて、何がダメ?」
「何がって」
恐竜もどきの分厚い手が、ぎゅうと自分で頭を抑え込む。頭蓋の警告? 覚れよ覚れ。アタシはひぃらりひらりと手を動かす。ゆぅらりゆらり、奴の足が前へ出る。まだまだ一歩が遠い。
早く、早く、こっちこい。
甘い水に釣られてこいこい。
恐竜もどきはしかめ面。
嗚呼痛々しいその面構え。
痛い? 痛いね? それはいい!!
「あは。あはははは!!」
落ちてしまえ落ちてしまえ落ちてしまえ落ちてしまえ落ちてしまえ落ちてしまえ落ちてしまえ落ちてしまえ落ちてしまえ落ちてしまえ落ちてしまえ落ちてしまえ落ちてしまえ落ちてしまえ落ちてしまえ落ちてしまえ落ちてしまえ落ちてしまえおっ死んでしまえ。
自 覚 し ろ
「あはははははははははははは!!」
「
……あはは~」
不意に笑い声が重なった。
「
………………」
ヤなヤなヤな奴ヤな奴厭なあいつ!
凶を被った主がそこに居た。
恐竜もどきが後ずさる。何がどうとはわかっていない、そんな面持ちで頭痛のままで、それでも一歩を引きさがる。嗚呼恨めしい、口惜しい、苦いばかりのそっちの水へ。
「いや~遅れちゃいました~。困りますよ~、許可なく勝手に来られるのは~」
「あは。はははは。よく言うよねえ? 言えたよねえ??? あちこち行ってるくせにねえ?? そっちこそあっちこそあっちこっち!!! あはははははは!!」
「最近は行ってませんよ~、色々と忙しいので~」
「知ってるよぉ知ってるよォ。新しいのが増えたんだって?? はみ出た目ん玉、道の真ん中転げた目ん玉、拾ってきたってさぁあ!! あはははは!!」
「
……耳が早いなあ」
人が増えれば狙いも増える、どうせ町もいずれは飽和する。だからアタシは取っていくだけ。間引いて割って余分をよこせ、ゴミ処理場だと嗤えば嗤え。
恐竜もどきは未だに呻く。それでも覚りは遠いまま。太い足はなかなか揺れない、彼岸に寄せるは一苦労。
だから崖淵、今この時こそ、花一匁のやりどころ。
「あはははははは!! このまま待ちなよぉ、待って待っての手遅れだって恐竜もどきにはぴったりだよねぇえ? あはははは!!!」
「あはは~」
死人隠しの布の向こうで、見えもしないはずの互いの口が、同時に動く。
「邪魔するな。」
「帰れ。」
メメメメメメメメメメメメ
気付けば世界は見慣れたまっくろけ。
嗚呼恨めしい、弾かれた。あいつの領域に弾かれた。舞い戻ってアタシの箱庭、暗澹地獄の光景だ。せっかくこじ開けた恐竜もどきの瞼も、きっと奴の手でなかったことに。
「ずるいなあ、ずるいなあ、ずるいなああああああああああははははははは」
嗚呼恨めしい、恨めしい。
アタシがアレを欲しかったのに!
恐竜もどきは馬鹿の屑、ノロマのくせして救いたがりで、誰一人救えないまま海の底、嗚呼お節介の愚か者。
「ココにぴったり、ぴったり、あはははは!!」
叫びに叫んで反響知らず、だのに向こうへ叫びやる。
話しかけても黄泉の闇。応えも無しの墓ばかり。
それでも哄笑はびこるは、
あまりに独りが重すぎる故、
あまりに怨嗟が多すぎる故。
「そうでしょお、そうでしょおってねえねえねえねえ、
言えよ。」
当然誰とも何とも言わず、
今日明日明後日転じて永劫、
呪いばかりがよく響く。
【ノベツマクナシ】
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