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頻子
2023-05-03 03:41:12
3113文字
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KODR二次
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応援ニュート(KODR)
じゃっかん乾いてる感じの微妙な距離感のスケニュ(付き合っていない)
(*ほんのちょっとおしばな物語ネタがある)
「ニュートちゃまーっ! 倒しましたわー!」
パタパタと駆け寄ってくるゾービナスは、ニュートの前でぴょんとジャンプした。ニュートは飛びついてくるゾービナスを受け止める。ふわりと甘い香りがする。ウルハムがそわそわとしながら、ニュートとゾービナスの周りを回っている。
ウルハムもありがとう、と、ニュートはウルハムの頭を撫でる。いつもなら飛びつかれ、顔中をぺろぺろ舐められていてもおかしくはないところだが、ウルハムはニュートの頬を控えめに一舐め、二舐めをしたあと、物わかり良く引っ込んだのだった。
「おつかれさま、ニュート」
どうにも、ウルハムはニュートの幼なじみであるデビイがニガテらしい。頬を舐められるのはもう仕方がないとして、いかに命がけで戦ってくれているとしても、血で汚れた口で舐められるのはエンリョしたいところだったので、ニュートは内心ほっとしていた。
「ケガはしてないか、って? うん、ぼくは大丈夫だよ。ニュートはだいじょうぶ?」
ニュートは、デビイとぎゅっと握手を交わす。握手でいいのかな
……
とニュートはちょっとぎこちなく思った。
「ニュートちゃまが応援してくれてるとね、わたしね、いつもの100万倍頑張れますわ~!」
これは家臣たちを後ろで応援しようキャンペーンである。
ニュートには戦う力はない。
だから、せめてと思い、臣下のねぎらいに力を入れることにしたのだった。
ウルハムはといえば、構えば構うだけ喜ぶ。きゃーっというと頑張ってくれるし、頭を撫でてやるとそれはもう、はふはふいいながら喜ぶ。むしろ気にしなければならないのは構い過ぎのほうで、油断するとなすすべなくお返しされ、大変なことになる。
マーメルンは「なによー!」と言って、水に潜って浮かんでこなくなるのだった。まあ、きっと照れ隠しだろう。最近ちょっとずつわかってきた。
ジャンタンを帽子ごとわちゃわちゃするのはニュートの趣味だ。そもそも遠征にジャンタンを連れてくるのが趣味だ。
「まあ、ニュート様。いつもありがとう、だなんて。わざわざ仰っていただかなくても、わたくしはニュート様のお世話係ですのよ。
……
ふふ、でも、ちょっぴり嬉しかったりはしますわね」
フランコールはそう言って焼き菓子をおまけしてくれた。
デビイなんかも何をしても「ありがとー、ニュート」という感じなのではあるが、家臣たちの好みも様々なのだとニュートは新たな気づきを得始めていた。うるさいかなと思っておとなしめにしてみたら、ゾービナスが、不安そうに「わたし、何かしちゃったかしら
……
」と泣きそうな顔で言ってきたのだ。
「おう! ニュート、ありがとな~!」
逆に、ベーケス2世は、ハグにも握手にも応じずにひらひら手を振るだけなので、陽気な割りに大人しい応援が好きなようだとニュートはみていた。こうやって家臣の新しい一面を知るのも良いところだ。
「お礼なんて、無理しなくていいのよ、ニュート? ね? ニュートもおねえさんと一緒で忙しいでしょう? ね?」
そう言って、意味ありげな視線を向けるウィンチは、たぶん可愛く応援されるのが好きだとニュートは見ている。
ただ、そんな家臣たちの中でも、スケルナイトだけは、どうにも反応が悪かった。
「おお、ニュート様。ニュート様が気にする必要はありません! どうか私のことはお気遣いなく」
ニュートがどんな振る舞いをしても、涼しい顔でそつなくあしらわれるだけなのだった。
……
スケルナイトのもう片方の貌を知ってからというもの、ニュートは妙に距離を感じていた。
***
前世で姫様だったとか、別の相手を選んだとか言われても、ニュートにはどうしようもない。ニュートはニュートで、次期魔界王なのだ。
それはそれとして、ちょっと姫っぽく振る舞ってあげたらやる気のひとつも出るかなと思っていたのだが、スケルナイトの反応は芳しくなかった。
ちょっと姫様っぽいことをしても、ピクリと眉を動かすだけで、大してリアクションがない。
そもそも姫様らしさとはなんなのか?
ニュートは魔界の王族ではあるけれど、ずっと人間界で暮らしていた。じぶんが次期魔界王だと知ったのもほんの最近なのだ。王族らしい教育は全く受けてはいない。
贈られたドレスを着てみたり、ちょっとしずしずとしてみたり、形ばかり姫様っぽさの追求をしてみたニュートだったが、あまり成果はあがっていない。
そもそも、ドレスは動きづらい。
スケルナイトは城の一角で兵士に稽古をつけてやっているようだった。まともに鬼神の相手ができる兵士がいるはずもなく、同時に、何人かが打ち込んでいる。スケルナイトはそれを悠然とかわして、攻撃を木剣でいなしている。
その様子を、ニュートは回廊から見ていたのだった。ここからはさすがに気がつかれないだろう
……
と思ったのだが、スケルナイトはめざとくニュートを見つけ、手合わせの最中であるにも関わらず視線をよこした。姫らしさ
……
姫らしさ
……
と思い、ニュートはサービスのつもりでポケットから取り出した白いハンカチを振った。
木剣があたりをブン、と薙いだ。瞬間、兵士たちが吹き飛び、周りで見ていた者たちまでも雪崩を打ったように吹き飛んだ。
「申し訳ありません。私からは攻撃せずに、攻撃を当てさせる訓練だったのですが。ニュート様に見られていると思うと、力が入ってしまいまして
……
つい」
木剣だったはずである。
べっきりとへこんだフルアーマーを見ると、スケルナイトの恐ろしさが分かる。
ニュートは気にするなと言って、自分も振る舞いを気にしないことにした。おしとやかさをあきらめ、楽な姿勢で隣に腰掛ける。
スケルナイトは額当てをはずして、ぐしゃぐしゃと袖で汗を拭いていた。
スケルナイトは、間違いなく魔界最強の騎士である。
なにか、して欲しいことはないのか。
具体的には、きゃぴきゃぴ応援とお上品応援と熱血応援だったらどれがいいのか?
「
……
そもそも
……
」
そもそも?
「姫様は戦に参られません」
……
。
それはそうだ。
バッサリと斬り捨てられ、ニュートの親切は行き場を失う。
付け焼き刃のプリンセスではダメということですの。
ばりっという音がして、何かと思えばスケルナイトの手に持った木剣が柄の部分で握りつぶされている。
「ほっとけ、ニュート」
いつの間にやら、なりゆきを見ていたらしいベーケス2世が、つまらなそうな笑みを浮かべていたのだった。
「ふっ、くく。別に無理に背伸びする必要はないだろ? なあ? 言っちゃなんだが、あまり似合ってないぞ、その格好」
***
どうやらプリンセス作戦はスケルナイトにはきかないらしい。
身を切った割りにはウケなかったので、だいぶ損をした気分になっているニュートだった。
送られてきた報告書に、フランコールがほうとため息をついた。
「スケルナイトさんたら、このごろはますます強くなっているといいますか、取り戻しているといいますか
……
相変わらず、すごいですわね
……
」
早馬の持ってきた書簡に記されている戦果は簡潔にして一言。判読するのに苦労を要する字ではあったが、ただ「終わりました」とだけだった。
「功をねぎらわれるのは嬉しいものですわよ。ああ見えて、喜んでいらっしゃるのではなくて?」
どうだろう
……
。
戦利品として届けられたドレスは、あんまりニュートが着ないものだ。どう袖を通すかもひとりでは分からないドレスを前に、ニュートはふーっとため息をついた。
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