頻子
2022-07-18 23:22:20
1096文字
Public KODR二次
 

人狼一族のケーキの分け方(KODR)

ウルハムにビビるジャンタン
そんなにCP要素とかはない短文です

人狼のケーキの分け方はいびつ。群れのリーダーから。
吸血鬼は厳格。もとから『取り分』は決まっている。
ゾンビはケーキがあったのか覚えていない。ゾンビの長のほかは。



父さんのりんごのケーキの話?
うん、おいしいんだけど……ここじゃりんごが手に入らないから。

あ、ニュート様、今日はキッチンに行かない方がいいよ。
なんでって……ほら、人狼一族が来てるでしょ。
僕だって本当はフランを手伝ってあげたいけど。
あいつら鼻がいいから、近寄りたくない。
おっかないのって? そりゃあ、怖いよ!
だってあいつら、乱暴だし……身体が大きいし。
それに、ちっとも話が通じないんだもの。
……ちゃんと話せるよ、って?
ううん……。言葉が通じるとか、そういうことじゃなくて……
あのね、ニュート様。
狼男がケーキをナイフで分けるところって見たことある……ありますか?
僕、ときどき、食べ残しを何度か見てるんですけど、あいつらね、ちゃんと同じに分けないんだ。
例えば4人で、ケーキを分けるとき……
大きいのと、小さいのと、……ぜったいに形がいびつなんだよ。
最初は、牙とか爪があるから、ナイフに慣れてないのかな、って思ったんですけど、でも、そうじゃないんだ。
ぶきっちょとかそういうのじゃなくて……
多いところと少ないところ、わざと作るんです。
形だってぜんぜん公平じゃないし、たっぷりクリームの乗ったところと、そうでないところとか、飾りのついたところとそうでないところとか……
それで、大きいやつにはいいところがあたるのが当然で、小さいやつにはぜんぜん、いいところはあたらないんですよ。
食べ始めるのだって、大きいのが一番先で……

あのね、父さんの焼いたケーキは、
りんごのてっぺんの砂糖が焦げてて、それがパリパリして、とびきりおいしくて……
父さんはいつも「どっちがいい?」って聞いて、
じゃんけんして、僕が負けるから、父さんは笑って、焦げてるのくれるんですよ。「焦げてるから」って……

***

あ、ニュート様。こんにちは。
今、後片付けの最中で……
これが終わったら、ニュート様のところに行こうかなって。
一族のみんなのこと、紹介できなかったですね。
ごめんなさい。忙しくって。
あとちょっとリーダーの機嫌が悪かったし……。はは……

え? ごはん? ちゃんと食べれたかって?
あはは……大丈夫ですー。
用意するときにね、こっーそりつまみ食いしちゃいました!
こういう時は、つかいっぱしりってベンリですよね。
こういうときでもないと、あんまりいいことないけど……。はは。