Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
頻子
2021-05-06 03:00:35
1928文字
Public
TOH二次
Clear cache
闇の施設長ブロマイドバトル
書いてて収拾がつかなくなった
これたぶん吸血鬼のロナウドさんのあのブロマイド対決のアレだな多分
「それじゃあ、施設長の写真は貰っていくからな」
「う、うわああああ
――
!」
ばらばらと施設長の写真が舞った。
圧倒的な施設長力の差。
経験というのは、これほどまでに残酷なのか。
俺の施設長・お仕事・ブロマイドデッキは、無残にもカーペットの上に散らばった。
雑務用はなんの感慨も遠慮もなく、ひょいひょいと写真を取り上げて懐にしまい込んでいく。
「返せよお! 俺の施設長ブロマイド! この鬼! ピンク頭!」
「うるせえ、負けたんだろ。従え。つーかばらまくな」
「ワケのわからねぇことしやがって
……
あんまり施設長に迷惑かけんなよ」
説明しよう。
施設長ブロマイド・バトルとは、保護施設に集うHANOIたちが、施設長の素敵なブロマイドを競わせて鑑賞する魂のバトルである。
主に、「いい
……
」「丸っこい」「紙がすべすべしている」など、きれいな小石を並べるような罪のない遊びだ。
せっせと施設長の良さを研究するにつれて、「ほんわか施設長」「にこにこ施設長」などのコンセプトデッキが日々編み出されてきた。
今日も俺たちは施設長をフィールドに並べ、「ちょっとした段差につまづく施設長」と「ホワイトボードのペンの黒いインクが切れていて焦る施設長」のどちらがより施設長らしいかという激論を交わしていたのだが、雑務用HANOIが恐ろしい顔をして後ろに立っていた。
「何がブロマイドだよ。隠し撮りじゃねぇか」
隠し撮りじゃない。そりゃあ確かに、施設長に「施設長のブロマイドを勝手に印刷して戦わせてもいいか」という許可はとっていないが、写真を撮るときに、パパラッチのようにこそこそとしたことはない。
カメラを向けて「施設長!」と呼ぶと、施設長はこっちを向いてくれるのだ。施設長は最初のうちはすごく困惑していたが、さいきんはもう諦めたような表情でへにゃりと笑ってくれるようになった。「君たちのストレス値がそれで下がるのなら」、という諦めの笑みである。
こそこそと取り戻そうとする俺の背中を膝で押さえつつ、雑務用が首をかしげた。
「
……
コレのどこがいいんだ?」
「あっ
……
! それは!」
「まだ不慣れな頃のちょっとしたピース」はレア度が低い代わりにコストも軽く、次へのコンボがつなげやすくデッキ構築の基本となるブロマイドだ。ちなみに、「すごくごきげんなときの両手ピース」は俺たちが判定にバグるので禁止カードとなった。
このフィールドでは、暴力は一切禁止。唯一、施設長ブロマイドのみがものを言う
――
。施設長ブロマイドで勝負だ、という旨を告げると雑務用HANOIはかなり顔をしかめた。
「あ? 持ってねぇよ」
「写真用紙あげるからスマホの写真現像しなよ。持ってないの?」
「
……
」
一時間を要した。
尻尾を巻いて逃げ帰ったかと思った頃。雑務用HANOIはたった五枚の写真を持って、控え室から姿を現した。
たった五枚か、と俺たちは油断していた。デッキの配分はだいたい一五枚、多くて二〇枚程度が基本だった。
結論から言うと、ものすごい惨敗をきたした。
ふだん、施設長を叩いたり、叩いて起こしたり、雑に扱っているくせして、こんな隠し球を持っているとは。
そもそも四六時中施設長といる雑務用HANOIとは、条件が違いすぎたのだ。「ホットココアにマシュマロを浮かべるおうち施設長(チョコスプレー付き)」と、「ビニール袋を猫だと思ってはしゃぐ施設長」は、俺たちの切り札である「可愛い柄のハンカチを持った施設長」を完膚なきまでにたたきのめした。
そこからが違った。「会食でちょっとシャンとした施設長(スーツの姿)」を決められ、俺たちは施設長の新たな魅力にどぎまぎとするしかなかったのだ。
「で? 勝ったら全部貰っていいんだろ?」
「わかった
……
」
「あ? データもあんだろ。ぜんぶ出せ」
結局俺たちはぎちぎちに締め上げられて、施設長メモリアルを消去されてしまう。
とはいえ、哀れに思われたのか、ちゃんとピースしてくれているヤツや、施設長・握手会・ブロマイドなど公共性(?)のありそうなデータは残しておいて貰えた。「つーか雑誌の切り抜きとか
…………
」と、若干のマウントをとられてしまった気がする。
「うう、会長
……
ごめんなさい」
「会長? そりゃ聞き捨てならねぇな」
「ひっ」
「誰だ? 会長って。言ってみろよ」
答える必要はなかった。ずいと休憩室に影が差した。
「ついにここまでたどり着いたのね」
鈴を転がしたような通りの良い声。名乗るよりもはっきりと届いたはずだ。
「まさか
……
」
「メリーティカ会長
――
! 俺たちの敵を討ってください!」
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内