あきらん
2021-11-12 08:29:05
604文字
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Missing

ふと思いついた五歌。
五→→→→→→→歌。
かっこいい五はいません。
歌が好きすぎる五です。

タイトルは久保田利伸さんの歌から。
古い歌ですが、めちゃくちゃいい歌です。

 もう、僕にしときなよ。
 
 喉まで出かかる言葉を口にしたことはない。
 何度、こうやって、男に振られてヤケ酒をする歌姫の姿を見てきただろう。
 教師と呪術師の二足の草鞋を履くこの女は、この呪術界の中では珍しく真っ直ぐな人間で、僕に、五条悟に、「先輩を敬え」だの「敬語を使え」だの宣う。
 この五条悟の心をとらえて、僕と同輩の擦れた考えの硝子すら懐かせるんだから、普通の男が惚れないわけがない。
 高嶺の花、のような存在の癖に、意外と抜けてるから、男の庇護欲もそそるしね。
 でも、結局、その辺の男では太刀打ちできないくらい高い志もあるから、彼女は男ではなく仕事を選ぶ。
 そして、こうやって、硝子と飲み会をしてはヤケ酒をして、泥酔をして、僕が呼ばれる。
 既に酔いがまわった歌姫は、居酒屋の個室のテーブルに突っ伏して、眠っている。
 その目には、涙が浮かんでいる。
 硝子は、急患が入り、先に高専に戻った。
 今、ここには二人しかいない。
 その涙に舌を這わせる。
 それはしょっぱいのに何処か甘い。
 歌姫が眠っているのをいいことに、僕は歌姫の肩を抱き、そして、耳元で囁く。
 「愛してるよ」
 決して届かない気持ちを夢の中の歌姫に届ける。
 届いていないはずなのに。
 眠っている歌姫の表情がふにゃりと、微笑むから。
 その顔に愛しさが募って、泣けてくる。
 
 もう、本当に、限界なんだけど。