77_Nana
2021-09-21 20:15:43
1896文字
Public 二次創作
 

【二次創作】First Language (Japanese edition) type.0

AO3に載せた「First Language (Japanese edition)」、そもそもはこんな形で考えていたんでした、という自己満足100%の文章です。本編後、恋人同士のランガと愛之介の会話、左右は決めていません【2021/9/21】

「いつからなの?」
神道邸の一室。座り心地の良い長椅子で、ランガは愛之介に問いかけた。
「うん? 何がだい、ランガくん」
「いつから、俺のこと好きなのかなって」
「ははっそれはもう、最初に君の姿を見た時からだよ。一目惚れだからね」
「ヒトメボレ??」
きょとんとランガは小首をかしげた。
「ああ、love at first sightってことさ」
「あ
ランガの頬にさっと赤みがさした。年若い恋人の珍しい反応に、愛之介はまばたきをする。
「ランガくん、そうか君はええと」
愛之介は少し考え込むと、英語で話を続けた。

“Your first language is English, right?”
“Uh, yeah... Wait, Ainosuke, can you speak English??”
“You can call me Ai if you like. I’ve been going to college in the United States. I lived and studied there for four years.”
“Wow, you’re awesome!”
“Thanks. You know, now I am a young promising politician. Being good at speaking English is a great advantage for me, especially here in Japan.”
“Hmm... I suppose so.”
“If it's easy for you to understand, we can talk in English. What do you think, Little Langa?”
“Thank you Ai, but I... I’d...”

ひとつ息をすると、ランガは日本語に切り替えた。
――俺は、日本語で話したい。だって、あなたのfirst languageは日本語だろ?」
「ああそうだね」
「もっと、あなたと話せるようになりたい。今は日本で暮らしてるんだし、俺、知らない言葉もまだまだある。うまく言えない時も多いけど
うつむいたランガの肩に、愛之介はそっと手を置いた。
「ランガくん、顔を上げて。ごめんね、いいんだよ、君の思いはもっともだ」
「愛之介えっと、その、ありがとう。あ、そうだ。おかげでヒトメボレは覚えたよ。漢字だとどう書くの?」
愛之介はメモを手に取ると、『一目惚れ』と書いてみせた。
「こうだよ。惚れる、の字はあまり使わないかな。in loveってことだけど」
「へぇ、一目はわかる。one eyeだ」
「その通り。ただこの場合は『初めて目にする』の意味だね。そう僕は一目で、僕のイヴに夢中になったんだよ、ランガくん」
「そ、そうなんだ
「ともあれ、たまには僕にも英語を使う機会をくれたら嬉しいな。君のfirst languageで君の心に直接、僕の愛を届けたいからね」
「うんありがとう、愛之介」
ぱちりと器用にウィンクをする恋人に、ランガは穏やかな笑みを返した。

***

「愛之介様、ご所望の本をお持ちしました」
「ああ、ご苦労、忠」
その日の晩。愛之介の書斎で、忠は数冊の本を主人に手渡した。
「しかし恐縮ですが、どうされたのですか? このような本が、本当にご入用なのでしょうか?」
あくまでも礼儀正しく忠は尋ねた。入手を頼まれた本は『決定版・国際恋愛文例集(英語)』、『すぐ使えて役に立つ! 英語恋愛フレーズ30選♡』などといったタイトルに派手な表紙で、およそ愛之介の政務とは関係がなさそうなものばかりだった。
「勉強だ! ああ、国内政治や気候変動のことなら、英語で国連でスピーチだってしてみせるさ! だがそうじゃない! これまでに僕が学んでいた英語には、カナダの10代に愛を囁ける単語やフレーズなんて、ほぼなかったんだ!!」
愛之介は本を開くと、なにやらつぶやき始めた。
「flirtingとはどういう意味だ? 何をすればいいんだ?? ――I treasure you、このフレーズはいいな、覚えておこう。ふむふむ
どうぞご研鑽を積まれますよう、愛之介様」
忠は書斎を離れ、静かに扉を閉めた。


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