梶間
2024-01-12 09:17:40
1036文字
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祭と節制

建国後に建国記念日とか謝肉祭がありそうだけど祭の後はデビルズストマックによるヒューマンズボディーがふっくらベア系になったらいいなあというメモ。モブ目線。ここで言う宰相はカブルーのことです。

黄金郷は建国祭の後に節制月がある。酒を控え一日三食、肉魚野菜小麦を腹八部目に抑えて食べることを意識する月だ。
盛大な飲めや歌えやの宴は暴飲暴食気味になるので、なんでも食べ過ぎは良くないから身体の調子を整えるという目的があるらしい。健康的な心身は健康的な食事から。国料理の祖、ドワーフのセンシ殿の言葉だと巷では言われている。
好きに食べさせろという民も多いが、一年に一度の大御馳走を連日食べた後は普段の調子がでないものも多く、むしろ節制月は普段より健康になるからと概ね民には好評だ。

城にいる自分としては別の側面があると思っている。

宰相様が犯人探してるぜ、とひそひそ話が飛び交っている。
今日の宰相は誰が王におやつをあげたのか、やっと痩せてきたのにこれだとまた元通りだと大層お怒りだ。

ライオス王は大食漢だ。飲めや歌えやの宴は最初から最後まで参加し、あますことなく美食も珍味も召し上がる。
あれが人間の胃袋に入る量か、さすが悪食王と一部からは揶揄とも尊敬ともとれる念が注がれているが、悪魔のような胃袋に削ぐわず身体の方は普通の人間だ。

悪魔の胃袋と普通の人間体でなにが起こるかというと、復活祭の後に王はすごく太る。
それはもうすごい。丸い。立派な樽が歩いている。感謝祭直後に専用の衣装があるくらいで、衣装部屋には樽に服を着せて置いておくとか。

食べたら食べた分太る王の健康のため、節制月は設けられたのではないだろうか。
この月ばかりは王城の食事も普段より質素なものになる。と言っても普通に食べて普通に過ごす分には満足できる量で、普段から多めに食べる王の食事が少なくなりおやつがなくなるくらいだ。

王は空腹になりやすいらしく、政務の合間を縫ってはなにか食べている。それがなくなる節制月はより空腹感が増すらしく、うっかり王の前で食べ物の話をしようものならじいっと見つめられて居心地が悪い。
厨房に現れては料理長に追い返されているとか。
中庭で昼食をとっていたところ視線を感じたのでふと上を見上げると、塔から王が見つめていたとか。
焼きたてのパンの香りさせて出仕したものが王に追いかけられて大変だったとか。
空腹に耐えてじっとしている王は大変哀れでなにか差し上げたいともっぱらの評判だ。

しかしお太りになっている王に差し入れは健康を損ねると宰相や大臣は大変懸念している。
あんのバカに食べさせたらまた太るだろうが、と廊下で頭を掻きむしる宰相は結構怖かった。