梶間
2022-10-21 01:36:08
470文字
Public 獅子ライ
 

『それは果たして愛なのか?』

翼獅子とライオスが問答してるような小噺
タイトルがオチ

これは初めて食欲を食べた虫。あの時の衝撃は忘れられないよ。
これは不老不死を願った一族たち。ヒトの願いは色々叶えてきた頃だったけれど、熟成させて味わうようになったのはこの頃だったかな。
これはかつての世界の破滅を願った人間。ああ、この後永いことなにも食べられなかったから最後に食べたこの味をしばらく思い返していたなあ。
思い返せば思い返すほどもっと食べておけばよかった、どうして食べなかったのかとずっと悔やんだよ。腹は空かなかったが、人間の空腹とはこういうものかと虚しくて寒々しい日々だった。

これは世界が滅びた後生き残っていた人間たち。久しぶりの欲は美味しかったなあ。

「それが君の宝物という訳か」
「そうだよ、実に思い出深く愛おしい」
「虫の死骸と人骨ばかりで悪趣味なコレクションに見えるが」
「そうかい?君にも私の誠実で愛情深いところを知ってもらうに丁度良い方法だと思ったのだけれど」
「誠実で……愛情深い?」
「そうさ。ひとつひとつの出来事をよく覚えていて、私の意識ある限り忘れることはない。愛情深いだろう」
「愛、ねえ」