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梶間
2019-08-24 02:39:35
909文字
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隣り合わせの灰と
はいになった青春。短文。カブライ。一応死ネタ。導入とか説明ざっくり。墓参りして欲しかった。
よくあることだった。蘇生の失敗なんて、ほんとはよくあることだったんだ。
黄金城に関することはすべて終わったものの、迷宮は依然としてそこに残り続けた。しかしそれも浅層に生息する魔物だけを相手にしていればいずれは終息するだろうとのことで、あの日もライオスはその処理に出かけていった。どうせスライムでも食材としてとってくるんだろうと呆れて見送ったその日、彼は死んだ。
そろそろスライム狩りも終わる頃だろうと迷宮まで迎えに行くと、入口でライオスがスライムで窒息死したと教えられた。まさかそんなスライムで、いやでもライオスだしな、と首を傾げてその場に行くと本当に死んでいた。
幸い蘇生魔法はまだ使うことができたので、術士を呼び蘇生を試みた。誰もがスライムで死ぬなんてしょうもないミスだ、魔物に気を取られてたのか、と呆れていた。
そんな仲間たちに見守られる中で彼は骨も残さず灰になった。
術士もまさか失敗するとは思っていなかったそうで、最後まで動揺していた。
損傷の激しい遺体が蘇生に失敗するなんてよくあることだったし、そうでなくても稀に失敗することはあった。
だから、これはよくあることだったんだ。なにも蘇生に失敗したところを見たのは初めてじゃない。
目の前で人がただの灰になるところは何回も見た。
全員が呆然とする中、ライオスの葬儀は数多の冒険者と同じように淡々と進み、墓石が建った。
島の墓所の一角、墓石が並び立つ中にごく普通の墓石が一つ増えた。
その前で一袋の灰を握りしめながら、ぼんやりと没個性的な墓石を眺めている。
「間抜けな顔をしているとおもっていたけど、死に方まであんな間抜けなことはないでしょう」
そよぐ風が心地よい。この土の下には、少しの灰が眠っている。
握りしめた袋を逆さにすれば、灰は風に乗ってどこまでも飛んでいくだろう。さぞかし気持ちの良い光景だろうと思ったが、袋を懐に仕舞い直す。
どこにでもある冒険者の最期、どこにでもある墓石と、そこに刻まれたよくあるR.I.Pの文言。
そこら中の墓石とまったく同じだったが、どこか間抜けに見える。
残りの人生の間、瞼に焼き付いて離れなくなる光景だった。
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