梶間のカブライは初夜に誘ったら「今日生理だから
…」と嘘をつかれたので初夜失敗しました
#推しCP初夜失敗
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付き合い始めて早三ヶ月、自分としてはあまりに清純過ぎる付き合い方をしたと思う。
手を繋ぐのに一ヶ月、キスをするのに二ヶ月かかった。今までは相手をその気にさせ、告白らしい告白もなく寝台に転がり込んでは別れるの繰り返しだったので、初心な相手をするにはこれぐらいかけるのが普通かと思いもした。
しかしそろそろ本番に及んでもいいと思う。
さり気なく誘いもした。夕飯にワインを出してほろ酔い気分のところをそれとなく誘ったけれど、ライオスはそのまま寝た。
流石にあれ相手に遠回しにやり過ぎたかと思い、次はベッドで手を握ってみたらそのまま寝かしつけられた。
本日で三回目、もっと直接的に言って分からせようとベッドに押し倒している。
「セックスしましょう。俺は、ライオスと、セックスが、したい」
押し倒した衝撃で驚きに見開かれた瞳に、ロウソクの明かりがゆらゆらと反射している。
その目を見て、一単語ずつゆっくりと言い聞かせていくとその度に顔が赤くなっていった。
あ、とか、う、とかしどろもどろになりながら目線だけは外しているが、ここまでやればまさかライオスでも分かるだろう。そう思っていた。
「今日生理だから
…」
「は?」
今こいつなんて言った?生理?生理か。生理はまあ確かに大変だ。
いやお前男だろ。
「だ、だからすまない!今日は無理なんだ!」
そう言って人を押しのけて部屋の外へ走り去っていく後ろ姿をぼんやり見ることしかできなかった。
もしかしてライオスなりの生理でもあるのかもしれない、そう思ってその日は就寝することにした。
「いや
…それはないだろ
…」
翌朝目が覚めて自問自答した。なんで昨日そんな可能性を考えて寝たんだ、俺。いやライオスならもしかしてなくはないかもしれない。いやそんな訳はない。
まだ混乱している頭を叩き起してリビングへ向かうと、朝食が並んでいた。小麦の純度が高そうな白パンと、その横には小さな器に入ったバターが添えられている。
木皿に乗せられこんがり焦げ目のついたベーコンと、野菜のポタージュからは湯気が立っていた。
「おはよう」
何事もなかったかのような呑気な挨拶と、妙に上等な朝食に腹が立った。これで人の機嫌でもとろうというのか。人の誘いをあんな雑に断っておきながら、機嫌取りのために食事は良いものを出すなんて、自分の発言に対して後ろめたさを自覚している証拠じゃないか。
「なんなんですこれ、俺怒ってるんですけど」
キッチンに向かってばかりでこちらを見ようとしない背中にキツく言葉を投げかけると、ライオスの肩がビクッと跳ねる。
足音をわざと荒く立てながら近寄り、肩を掴んで無理矢理こちらを向かせた。
「ちょっとは人の話を
…」
その白々しい態度を改めて聴け、と思いを込めて振り向かせた顔は昨晩同様真っ赤だった。目の下には濃い隈もある。もしかして一晩中起きていたのだろうか。
「ごめん、生理っていうのはその、違うんだけど違くなくて。生殖活動をするならトールマンの妊娠、出産、子育ての時期を考えるとまだ早いかなって。子育ては春か秋に合わせた方が生き物としては自然だから、だからもう少し夏になってからがきっと自然で」
あわあわと両腕で顔を隠しながらなにか話し出した。
生物としての自然な生殖活動、とかなんとか長々と喋っているが、恐らくこの男。
「恥ずかしいんだ?」
顔を隠す両腕を掴んで下げさせ、推察をつきつけるとより一層顔を赤くして黙り込んだ。擬音が聞こえてきそうな赤面っぷりだ。
その顔を見ていたら、怒りで強ばっていた肩の力がふと抜けてしまった。
「恥ずかしいからってああいう断られ方すると俺も傷つくんだけど」
「それは
……本当に、申し訳ない
……」
照れ隠しにしても程があるだろう。もう少し上手いやり方を思いつかないものだろうか。
はあ、とわざと大きな溜め息を吐くと、ライオスは眉尻を下げてますます途方に暮れしょぼくれた顔になる。
「いいですよ。恥ずかしさなんて慣れてけば」
ああもうしょうがない人だな、と込み上げるものに押されて抱きしめると、おずおずと背中に腕が伸ばされてくる。
本当に人間かと思うほど突飛で訳が分からなくて手強いけれど、とりあえず今は出来たての朝食を食べながら何でもない話をしよう。
慣れるといっても何からするか、そんなことを考えながら食事の席に着くよう促した。
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