Isa
2016-05-20 12:37:39
853文字
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ディスタメア

夢の泉にあめが降る日

泉の空は、いつも晴れている。月明かりが届かない日は、特別な日を除けば無い。こんなに寒い場所なのに、夢の泉のそばだけは、雪も降らないし、当然雨だって降らない。
「わぁ、いたた!」
「どうかしましたか、ディ」
「う、うん、何かが頭に当たって……なんだろう、これ?」
いつものように泉のお手入れをしていたぼくが見つけたのは、しずくの形をしたきらきら光るかけら。
拾い上げると、メアが側に来て、ふうむ、と唸った。
「メア、それなあに?知ってるの?」
「これは星くず星のかけらです。おかしいですね、いつもなら泉だけに降るものなんですが」
「ええっ、ほし!?そんなところから降ってきて、ロディに当たって怪我したらどうするんだよ!」
「大丈夫ですよ。そんなヘマはしません」
何故か少し怒ったように言われた。首を傾げながら、夜空を見上げるメアと同じように、輝く星たちを見上げる。
……まあ、大丈夫でしょう。それよりディ。せっかくですから、泉を覗いてみなさい。今なら良いものが見られるはずですよ」
?わかった」
ぶつぶつと何事かを呟いているメアは、こういうとき反応が鈍くなる。ので、とりあえずと泉の方に向かうことにした。まだ昼間だけれど、ぴかぴかと光っているスターロッド。お昼寝しているみんなに、夢の雫を届けているロディの側で、ぼくはよいしょと静かに夢のしずくが湧く水面を覗き込む。
特に変わっているようには見えないような、と思っていると、手のひらに握ったままだったかけらがきらりと光った。同時に、水面がきらりきらりと光り出す。
「わあ!」
同じように落ちてきた、それが星のかけらたちらしいと気付いたのはすぐのこと。いくつかすくい上げてみると、一粒一粒形が違って、色も違う。小さな小さな星のかけらが、夢のしずくに溶けていく。きっとこれも、夢の源なんだろう。
「ねえ、ロディ。きれいだね」
今日の日記の天気には、はれ、ときどき、星、って書いておかなきゃ。
呟くと、スターロッドが頷くようにきらきら光った。