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ぶんどき
2023-05-30 18:56:37
1087文字
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TRPG
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きらきらひかる
口渇ルルパ 現行未通過❌
両ロス自陣の初夏の話。
きらきら。
一番星が、明るく光る夜だった。
こんな夜はたまにカイがベッドから抜け出している。星を見たいのだそうだ。ついでに俺も起こされる。
「ほら、起きてサク! 見て見て」
真夜中に、囁く声で目を覚ます。本人は小声のつもりなのだろうが、十分大きな声だ。
「おきたよ。どうしたの、カイ」
「星がきれいだ!」
カイは窓の外を指差す。自然豊かなこの村は元々星がよく見えるが、今夜はどうも新月のようで、月の明かりに邪魔されることもなくより一層星がよく見えた。
「なぁ、ちょっと外に出てみようよ」
「大人に見つかったら怒られるぞ」
「へーきへーき、誰も見てないって」
こうなったカイを止める術を長年一緒にいる俺も知らない。一人でも行くつもりだろう。
「
……
すぐ帰るからな」
小さな灯りだけを持って、家から出る。初夏とはいえ夜はまだ肌寒い時期だ。澄んだ外の空気を吸い込む。
「やっぱり家の中から見るよりすごいぞ、空」
カイが目を輝かせ空を見上げるのにつられて自分も上を向く。たくさんの星々に圧倒される。広大な宇宙に、自分がいかにちっぽけな存在かを思い知らされる。
広場まで歩き、腰を下ろす。ここはいつも大人たちから配給を受け取っている場所だ。それが今はこんなに暗くて、静かだ。風に揺れる草花の音と、俺とカイの呼吸音しか聞こえない。
「
……
村の外もこうやって星、見えるのかな」
ポツリとカイが呟く。
「あと少ししたらきっとわかるよ」
「ま、それもそっか。おれたち今年で十五だもんな」
「うん、あんまり実感わかないけど」
なんだかいつもと違う夜だ。月が見えないと、こんなにも星空は美しいのか。
「カイ、そろそろ帰ろ。風邪引く」
「そうだな〜、ホントは森の方まで行ってみたかったけど」
「そっちは危ないから行っちゃいけないって言われてるだろ」
「サクは真面目なんだから」
立ち上がり、他愛もない会話をしながら帰路につく。道中誰とも会うことはなかった。
それから家に帰って。同じベッドに潜って。「おやすみ」を言い合った。
*
──二人でこの村から出よう。
そう決意した、はずだったのに。
ルパとルルはいつでも一緒、いつまでも一緒。
なんて、そんなものは幻想に過ぎなかった。
最期のときは一緒だと、信じて疑わなかったのに。
どうして、おれは、ぼくは、
君の手を離してしまったのだろう。
これが、エゴを貫いた報いだとでもいうのだろうか。
誰よりも大好きで、愛していたよ、カイ。
──せめて、お別れは言いたかったな。
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