コウポコ@ Mark.2
2017-06-08 23:32:57
1943文字
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久しぶりのライドウ

今回は大正じゃなく、現代
ペルソナ重視

ペルソナとデビルサマナー
※今回は現代と言う事で


養父に近く、それでいて育て親であった祖父と共に東京へと上京する事に。
理由としては祖父の級友から、最先端の医学を研究する為協力してほしいとの事で老体を鞭打つ形で来ることに成ったらからだ。
島根から東京へと向かうため、電車を乗り継ぎながら慣れない新幹線の指定席に座り、隣の祖父は英文だらけの論文が載っている医学雑誌を熱心に熟読している。手持ち無沙汰の僕はただ、窓に映る鮮明な東京の風景をぼんやりと見ていた。

チクタクチクタク……

何処からか、針が刻む音が聞こえる。
窓の方に顔を向けながらも、その音の在り所を探すが聞き取れるような音を出す時計を持っている人は居ない。
不意に黒髪の日本人と、窓越しで目が合った。
僕の事を一瞬だけ、真剣な表情で見たが直ぐに目線を逸らす。勘違いだろうか、けど薄らと紅が浮かんだ黒い瞳が頭から離れなかった。


陽も当に沈み、真っ暗な空の中で月だけが唯一の明かりで時間は八時を指そうとしていた。
夜遅くまでかかってしまい、僕たちはタクシーを拾い手配されたホテルへ駆けこむ。
八時である為か、宿泊客の姿はほとんど見えず従業員の姿も少ない。しかし、何も無い所からの視線を覚え振り返るも、そこには誰も居ない。
僅かながらの恐怖から逃れようと、部屋へと早足で戻るが幾度も歩けども部屋へとたどり着けない。
おかしい、何故たどり着けないんだ?
忍び寄る恐怖を考えてしまい、僕は足を止めてしまった。段々と、気配が近づいているように感じた。

振り返ってはいけない。

……振り返るな。

………絶対に振り返っては、いけない。

いただきまぁず】
低く、濁った声が僕の耳を侵す。
僕は無我夢中で終わりの見えない廊下を、走った。どれくらい走ったのか、どれだけ時間が経ったのか、ただあの声から逃げる為に必死で、記憶する事さえできない。
そして、足元がもつれてしまい壮大に床へと倒れ込んでしまう。立ち上がろうとしたその時、頬に黒い液体が降り注いだ。その黒い液体に触れると、玩具のスライムの様に粘り気のある液体で腐敗臭が少しした。
見上げれば、そこには鬼の様でそれでいて黒い粘着性の液体な身体を持った化け物が居た。ボンヤリと不気味に輝く白色の光。
「は……!」
声が出ない。
助けを呼ぶ声、泣け叫ぶ声がこの時ばかりか出ない。声も出なければ、身体も動かない中でこの状況は、絶体絶命。
死にたくない。
ただ、この一言だけが僕の脳裏を駆け巡る。
こんな所で、終わってしまうのか?化け物に、惨たらしく殺されるのか?理不尽なまま、死んでしまうのか?
「いやだ
いやだ。
こんな所で終わりたくはない。祖父に、まだ何もしていない。恩すらも、返していない中で死にたくはない。
心の内で、湧き上がる気持ちが溢れかえりそうになる。その中で、一際目立つ異色を放った気持ち。戦え、今の状況で常人では決して起こりえない気持ちが、僕の中から湧き立つ。
【ペルソナ起動】」
【彼】、……いや【ボク】の名前は。
「世界、【アルコーン・ソフィア】!!」
眩く、暖かい。まるで、母さんに抱きしめられているかのような温もりを感じる。
僕の目の前には純白の輝きの中に、海のような蒼を持つ中に何も入っていない鳥かごを持った女性が現れた。


「ペルソナ。異能者か」
静まり返った廊下を黙々と音も立てず歩いてきた、壮年の男性が独りごちる。
肩には、黄色い小人が図々しい態度でふんぞり返っている。黄色い小人は、廊下の真ん中でぐったりと倒れている少年を見ながら目を細め、怪しく微笑んでいる。
「まだ、お子ちゃまじゃねぇか。こいつが、【偽物】なのかねぇ?」
「さてな。だがかの知恵のアルコーンであり、アイオーンを持っている。間違いはない」
「キャハハハ!また、荷の重い役割を持たされたガキんちょだねぇ」
小人は憐れみを向けながらも、愉快な声色で嗤っていた。
彼が言う、アイオーンとは至高の神、主神クラスの神格や霊。また、神的な原理・世界と圏域の二つの意味を持つ。そして、古代の宗教・思想学の一つであるグノーシス主義における最高神の位置づけである。
その逆に、アルコーンはアイオーンとかけ離れた偽の神の意味合いで、グノーシスにおける【四文字】とされる【ヤルダバオート】が、これに当たる。
しかし、世界は残酷な事をする」
男性はそう哀しく呟きながら、倒れ込んでいた蜂蜜色の金髪の少年を抱きかかえると、その場を後にした。
その男性から、いや小人から聞こえる針の音を残しながら。

チクタク……チクタクやがて、針は聞こえなくなった。