ナスカ
2023-10-14 13:39:25
3603文字
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73年の時を超えて〜シンデレラ(ディズニー100フィルムフェスティバル)感想〜

ディズニー100フィルムフェスティバルでリバイバル上映されたシンデレラの感想です。

皆さんグッドハーブニング!ナスカです!
本日(2023/10/14)はディズニー100周年企画のひとつである「ディズニー100フィルムフェスティバル」を観てきました!具体的に言うと所謂リバイバル上映で、ディズニー長編アニメーションを10月の土日限定で一日一作品特別上映するというものです。もちろん全部ではありません。60作以上ある中から何作品か選ばれるのです。

本当は全部観たかったのですが、一作品だけを厳選して観ることにしました。もちろん、迷わずシンデレラ一択でした。

ディズニー社が製作した「シンデレラ」は何作品かありますが、もちろん今回上映されるのは1950年に公開された皆さんよくご存知の「シンデレラ」です。こちらの作品は戦後初のディズニー長編アニメーション作品であり、戦時中に傾いていたディズニー社の経営を建て直した同社の代表的な作品です。当時ウォルトは「逆境にいる少女の物語を」と言っていたとか……

相互さんはよーーーーーーくわかってくださっていると思いますが(😂)、私はシンデレラが大好きです。ディズニープリンセス全般が大好きではあるのですが、中でも幼女の頃に一番繰り返し観たのがシンデレラでした。
シンデレラって、そこまでおっかないシーンがあるわけじゃないんですよね。もちろん義姉がシンデレラのドレスを破いたり、継母がシンデレラを怒ったり屋根裏部屋に閉じ込めたりするシーンは怖いです。胸が痛みます。でも白雪姫の森のシーンや女王が老婆に変身するシーン、オーロラが糸車の針で指を刺すシーン、アリエルがパパに宝物を壊されるシーンや野獣が怒鳴るシーン、喋る魔法の洞窟よりは怖くありません。
なのでシンデレラを繰り返し観たのは、幼女のナスカにとって多くのディズニー作品よりもそんなに怖くなかったからなんですよね。そのうちに好きになっていった……という……

大学生の頃にディズニー熱が再燃してからは、DVD等で見返す度に「公開当時に見ていた観客が羨ましいなぁ」と思っていました。特にウォルト生前の作品なんて、最も古いもので100年は前です。当時見た人は殆ど生きていないと思います……。このシンデレラも1950年の作品。73年も前です。絵画のような美しい背景美術を、継母や義姉に虐げられるシンデレラが幸せになる過程を、時々挟まれるギャグシーンを、当時の人々は大きなスクリーンと映画館の音響で見ることができた!あぁなんて羨ましい!

ディズニー作品は何度かリバイバル上映されると言いますが、私はその機会に恵まれませんでした。けれど今回!今回100周年企画のひとつとして、上映される作品のひとつにシンデレラがある!これは観に行かないわけにはいかぬ!!

……というわけで、感想をつらつら並べていこうと思うのですが、話の流れは大体皆さん知ってると思うので省きます😂

上映されたのは吹き替え版でした。幼女の頃に見ていたのももちろん吹き替え版です。ただ最近は英語力を上げたくて、もっぱら字幕版で見ている感じ。久々に見る吹き替え版。台詞やイントネーション、意外と覚えているものです。ただ最近は字幕版ばかり見ていた私にとって、吹き替え版は「日本語話者に感情が伝わる喋り方」になっていることをひしひしと感じました。
そりゃ当たり前なんですけど、海外旅行から帰ったあとの味噌汁が最高に美味しく感じるように、日本語における感情表現の仕方をクッキリと感じたんですね。特にシンデレラが義姉や継母からしつこく呼ばれる序盤のシーン。「すぐ行きます」「はい、すぐです」等々、いい意味ですっごく棒な感じがするんですよね。毎日のことだからテキトーにあしらってる。そんなシンデレラの呆れた感情や日々の疲れを感じるんです。私は英語が母語ではないので、意味はわかっても細やかな感情までは残念ながら感じ取ることがまだできません。吹き替え版だからこそ、シンデレラが何を感じているのかを再確認することができました。

また、吹き替え版とはいうものの一部の音声は言語版のものが使われています。ハミングや呻き、悲鳴、吹き替えがちょっと難しいのかな?と思うようなものですね。
序盤にシンデレラが起きて着替える場面の鼻歌、ジャックがルシファーのモノマネをする場面、シンデレラがドレスを破かれ呆然としたあとに息を呑む音、国王と大公のやり取りの一部や、他にも色々と!やはり一番嬉しかったのは、シンデレラの言語版声優であるアイリーン・ウッズの歌声を映画館の音響で聞けたことですね。ディズニー作品において声優はただ声優というだけでなく、声優を務める人物のクセや特徴をそのキャラクターに反映させることがよくあります。なのでアイリーンはシンデレラそのものとも言えるのです。そんな彼女は既に亡き人であり、もう生声を聞けることは二度とないのです。アイリーンの声を映画館で聞けたこと、本当に幸せでした。

また、大スクリーンで観たからこそ、キャラクターの細かい動きがしっかり捉えることができました。特に目や眉の動き方ですね。キャラクターがどこを見ているのか、どんな気持ちなのか。私はそれを王子様から顕著に感じました。
王子様は舞踏会のシーンでしか出番がなく、台詞も超少ないです。けれど舞踏会に退屈していることや、主催した父王を軽く睨む様子から彼の心情がよくわかります。舞踏会にも結婚にも乗り気ではないのです。
そんな彼はシンデレラを見つけると、穏やかな笑みを浮かべてうっとりと踊り始めます。人物としての掘り下げは少ないにせよ、眉や目の動きひとつで感情を表現したアニメーターには頭が下がりっぱなしです。

あと音響の話もしよう。クライマックスのシーンです。屋根裏部屋に閉じ込められたシンデレラは、ネズミたちや犬のブルーノ、小鳥たちに馬のメジャーの助けあってガラスの靴を試すことに間に合います。そこシンデレラは「大公様、大公様」と大公を呼び止めるのですが、その台詞が劇場内向かって左上の方から聞こえたのです!まるで階上からシンデレラが呼びかけてくるかのよう!その次に「私にも試させてください」とシンデレラが言うのですが、そこは向かって正面から聞こえてきます。
台詞がどこから聞こえるのかってこんなに大事なんだ!と思わせられましたね😌

最後に、今回のナスカの泣きポイントをご紹介して終わりたいと思います(???)

一発目はオープニングです(!?!?)
オープニングの絵は、イッツ・ア・スモールワールドのデザインで有名なメアリー・ブレア。まるでスライドショーのように、彼女が手掛けた美しい絵と共に製作陣の名前が流れていきます。メアリー・ブレアの絵が、メアリー・ブレアの絵がこんなでっかいスクリーンで……!!!と思うと、もう号泣したくなりました。満員御礼につき、しゃくりを上げるのは何とか堪えましたが。
名前でもブワッとなっちゃいますね。特に、アイリーン・ウッズとマーク・デイビスは泣かないわけにはいきません。アイリーンは先程も紹介した通りシンデレラの原語版声優、そしてマーク・デイビスはシンデレラをデザインした伝説のアニメーターです。もちろん、ナイン・オールドメン(当時の凄腕アニメーター9人)の名前をスクリーンで見れたことも最高でした。

二発目はネズミたちが作ってくれたドレスを破かれ、堪えきれずシンデレラが泣いてしまうシーンです。
ここはね、もう泣かないはずがない。こうして言葉にするのは野暮なほどですが、あんまりにも辛くて、あんまりにも悲しくて、目を背けたくなる場面です。
舞踏会に行きたくて頑張って一日中仕事をして、けどドレスを直せず舞踏会あきらめムードになって、かと思ったらネズミたちが修繕してくれて、それをビリビリに破かれて……。とにかく辛いんですよね、このドン底シーン……

三発目は夜中12時を告げる鐘が鳴り、城から大慌てで逃げるシーンです。厳密には、逃げるカボチャの馬車を、城の騎馬隊が追いかけるところですね。
絶対に間に合うってわかってるんですけど、あそこはいつ見てもハラハラです。白いカボチャの馬車と黒い騎馬隊のコントラストが美しいのもありますし、魔法が解けてしまうという儚さも感じます。

四発目は、上映終了後劇場内が明るくなってからです。観れたことが本当に幸せで幸せで仕方なくて、やっぱりシンデレラ大好きだなぁと思ったのでした。約束されたハッピーエンドと言いますが、大事なのはそのハッピーエンドに至る過程で主人公が何を思いどう行動したかではないでしょうか。結末ではなく、それが観客を感動させてくれるのだと私は信じています。


いつもより感想は短いですが、こんな感じになります。最後までお読みくださりありがとうございました!