ナスカ
2022-12-15 00:34:35
7407文字
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ミュウツーか?ファントムか?ジャックか?いいや!スクルージだ!

市村正親さん主演のミュージカル「スクルージ」を観てきた感想です。

皆さんグッドハーブニング!ナスカです!
今日(2022/12/14)は、恐らく人生でも忘れられない一場面になることと思います。
タイトルから察せる人はもしかしたらいらっしゃるかもしれません。何事?って思う方もいらっしゃるかもしれません。
本日観劇してきましたのは、市村正親さん主演のクリスマスミュージカル『スクルージ〜クリスマスキャロル〜』です!

昨年の今頃でしょうか。来年(2022年)の冬公演決定の報せを聞いて、私、めちゃくちゃ盛り上がりました!
市村さんといえば、私の相互様各位はミュウツーのイメージが先行する方もいらっしゃるのではないでしょうか?ぶっちゃけ私は今でもそうです😇
ディズニー好きの方は『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』のジャック・スケリントンのイメージが強い方もいらっしゃるかもしれません。
そして私は昨年の冬の時点で、既に劇団四季版のオペラ座の怪人を履修しておりました。そう!市村さんはファントムの役をされていたことがあるんですね〜!

そんな市村さん主演の舞台を見ないわけにはいかない!……というわけで、本日観て参ったところでございます。

本公演の原作になったクリスマスキャロルは、イギリスの小説家ディケンズの作品です。もしかすると全人類が生まれて最初に知るイギリス文学は、この作品なのではないでしょうか?(そんな私はディズニー版の『ミッキーのクリスマスキャロル』で知ったんですけどね!しかも映像じゃなく絵本で!)
村岡花子さんの翻訳された原作本も持っており、私もこのお話は大好きです😌

さて、そんな私はミュージカルの舞台を劇団四季でしか観たことがありません。別会社が運営しているミュージカルはこちらが初めて。どんな雰囲気なのかと思ってみたら、まあ結構お子様連れの多いこと!ご年配の方も若者ももちろんいましたが、四季の観客席ではあまり見なかった子どもたちが多いのがすごく印象的でした!ドレスコード等は無かったのですが、気合の入った装いの方が割といて、クリスマスという特別さを感じました。

荘厳な鐘の音を始まりに、舞台は幕を開けます。金じゃないですよ。スクルージだけに()
緞帳が上がるとそこにはクリスマス・イブを迎えたイギリスの町並みが現れ、そこに暮らし働く人々は皆クリスマスをお祝いしています。ほら、子どもたちが無邪気に走って……って、えっ、あっ、子どもの出演者!?
四季の舞台と言っても、私が観たことあるのはオペラ座の怪人だけ!ライオンキングやアナ雪では子役がいると聞きますが、舞台で活躍する子役を生で観たのは初めてでした。
クリスマスをお祝いして人々が盛大に歌う中、自身の事務所でたった一人雇っている書記と二人で仕事をしている男こそ、市村正親さん演じるスクルージ。最初は老人らしく動きも小さく声も抑え気味。市村さんもお年なのかなぁ、とか思っていました。

この時の私を、今はぶん殴りたい(またかよ)

が、それより先にスクルージの甥であるハリーの登場に触れましょう。ハリーはとにかく優しく明るく愉快な人で、どうやら毎年伯父であるスクルージをクリスマスの食事会に誘っている様子。けど毎年断っているのがこの守銭奴ジジイ(言い方)クリスマスのどこがめでたいのか、とイライラガミガミしています。「バカバカしい!」は彼の口癖です。

ちょっとここで私の誤算を聞いて欲しい。
ハリー、すんげぇかっこいいじゃないですか??????
このハリーを演じているのは相葉裕樹さん。どこまでも親切で優しい印象を受ける相葉さんのハリーですが、このあと別の役で演技の幅を見ることになります……😇

甥っ子を追い返したあと、仕事の時間は終わりを迎えます。唯一雇っている書記ことボブ・クラチットは不躾にも「明日のクリスマスは休みにしてほしい」と言うのです。その上その日の分も給料がほしいと!まあ有給休暇ってやつですね。やっぱりスクルージはぷりぷりガミガミ文句を言いながらも受け入れて、26日は朝早く出勤するようにクラチットに言いつけました。
クラチットも帰ったあと、スクルージは一人歌います。自分の人生は金が全てだと!
ここから少しずつ、市村さんの歌声が今も昔も変わらないことを見せつけられました。のびのびとしたロングトーンから感じるファントムやジャックと同じ声色。この人は間違いなく「市村正親」なのだとビシバシ感じました。

さて、仕事を終えて帰宅する途中。まちなかはクリスマスの買い物をする人、貧しい人への基金を集める人、家もなく寒さに震える人……などなどで溢れかえっています。けれどスクルージが彼らにすることと言えば、借金の取り立てばかり。なので人々からはこれでもかというほど嫌われています。
基金をお願いすれば「救貧院や監獄に税金を払っている。死にたいやつは死んでしまえばいい!無駄飯食いが減るってもんだ」と断固としてお断り。町行く人々は「それはお前だ!」と言わんばかりです。この冷血ケチんぼう爺さんは、住む家もない少女がお恵みをと缶を差し出しているのに、唯一の財産を摘んで持っていってしまうのです。超腹が立ちます。

そのはずなのにこのスクルージ、そんなにと悪いやつじゃないのでは?と思わせる一面もしばしば。というのも、アドリブなのか台本なのかわからない市村さんのお茶目な挙動の数々がそうさせるのです。
自分のことを「こんなに寛大で親切」と言ったり、ケチだから暖炉に火を焚べても暖まらなくてお尻を近づけ過ぎた結果「アチチッ」となったり、なるほどこれは可愛いお爺ちゃん😌こういった場面で子どもたちだけでなく大人の観客からも笑いを取っていて、老若男女楽しめるっていいなぁと思いました😊

帰宅したスクルージですが、風にのって自分を呼ぶ声が聞こえます。「マーレイ?」と呼びかけますが、すぐに「バカバカしい!」と思い直します。けれどマーレイは近づいていたのです。重い鎖を引きずって、かつての仕事仲間であり友人であったスクルージの元へ……
マーレイは七年前に亡くなり、自分が金儲けばかりして慈善も何もしなかったことを悔いていました。お前には同じ道を辿ってほしくないと、マーレイはスクルージに忠告しに来たのです。
さらになんと!このマーレイは空を飛びます!幽霊だからそりゃ飛べるだろうっていうツッコミは無しで。
とにかくマーレイの話を聞いたスクルージは「バカバカしい!」という口癖を飲み込んで、彼が言っていた最初の精霊を待ちます。

一時の鐘が鳴ると、スクルージの前に現れたのは美しいウェディングドレスを着た女性の姿をした精霊でした。「本当に精霊なのかい?」と聞いちゃうスクルージ、お茶目というかオッチャンって感じです🤣こんな寒いのに?こんな夜遅いのに?と過去のクリスマスの精霊に尋ねながらも、彼は自分自身の過去へと旅立ちます。けれどスクルージは過去に干渉できるわけではありません。あくまでも、かつての出来事の影ぼうしを見ているに過ぎないのです。演者同士に距離があったり、近いのに全く存在に関与しないような演技が「触れられない過去」を表現していて切なくなります。
まず最初は子供の頃のクリスマス。何故彼が親元を離れていたかわかりませんが、妹のジェニーが迎えに来てくれた事が大層嬉しかったことを思い出します。そしてこうも言います、「子供のワシ、可愛いなぁ」😇
……けれど妹は結婚して子どもを生んで亡くなりました。その子が、他でもない甥っ子のハリーなのです。
次の過去はスクルージの奉公時代。旦那様が主催するクリスマスパーティーで若いスクルージはなかなか馴染めずにいました。本人曰く、ダンスができなかったとのこと。旦那様に促され、その娘のイザベルと若いスクルージはいい雰囲気になります。その若いスクルージを演じているのが、おぉ!ハリーもやっている相葉裕樹さんじゃないですか!!びっくりです!!
いい雰囲気になったかつての恋人同士を、スクルージは幸せそうに見つめます。愛し合っていた……愛し合って『いた』……
金儲けに取り憑かれた若いスクルージを見てイザベルは去ることを決めました。痛烈な過去を前に、スクルージはできることなら目を背けたいと思います。けれど堪らなくなって昔の自分に訴えました。「何か言え!」「追いかけろ!」……と。
このシーンでのイザベルが言う「この、お嬢さんよ」の金貨をジャラリと若いスクルージに見せつけるシーンはかなりキツかったですね……😇せ、切ねぇ〜!!!!
(冷ややかになりつつあった若いスクルージを演じている相葉さんめっちゃイイです)

さあそろそろお時間です。過去のクリスマスの精霊とのお別れが迫ります。彼女は「どうしてハリーを、私の息子を愛さないの?」と問いかけました。
えっ?ちょ、えっ?????

ジェニィイイイイイイイ!!!!!!!!

そう、過去のクリスマスの精霊は死んだ妹のジェニーだったのです。こんなの原作にねーぞ!!!!こういうの切ないからさもうぅうううううう!!!!!!

(間)

私を置いていくなと嘆くスクルージ。過去は変えられないから今を懸命に生きるしか無いというジェニー。ここから少しずつ、スクルージの心が変わり始めました。


次に現れたのは現在のクリスマスの精霊。緑色の服を着た、なんだか王様のようないで立ちです。彼はスクルージに美味しい飲み物を飲ませます。それは「人の優しさの絞り汁」だそうで……😇もっと飲みたい!くれ!と言うスクルージを精霊は一喝。クリスマス・イブの夜を過ごしている二つの家庭を訪れます。


ここまでが第1幕。

第2幕も町行く人々の合唱で始まります。この場面でのスクルージ、飛びます!マーレイみたいな華麗にとはいきませんが、飛びます!

やって来た一箇所目はボブ・クラチットの家です。小さなあばら家に、家族七人で暮らしています。子どもたちが5人もいるのです。もちろんスクルージは覗き見しているわけですが大丈夫、その姿はクラチット一家には見えていません。
クラチットは子どもたちの中でも末っ子のティムと、そしてスクルージに乾杯しようと言います。ところがそれにブチギレる奥さん。あんなケチんぼうのために!?とんでもないわよ!と大ブーイング。めっちゃ嫌われているなスクルージ……😇奥さんの大反対にも関わらず、仕事があるのはスクルージさんのお陰だから……って言うんですよ!クラチット!聖人すぎる!!!
ところでスクルージが気になったのは、小さなティム坊やのことでした。脚が悪く、常に杖をついて歩いています。このティム役の子がまた可愛いんだ!!!🥰🥰🥰🥰
あの子はこれからどうなってしまうのか?病気は治るのか?と精霊に問いかけるスクルージでしたが、「無駄飯食いが減っていいじゃないか。あの子どもを気にかけるなんて、頭がおかしくなったのか?」と言われてしまいます。自分がかつて口にしていた言葉です。

二箇所目は貧しくも慎ましく温かなクラチット家と打って変わって、ゴージャスに人生を謳歌しているハリーとその妻の元でした。友人を何人も招いて、楽しいパーティーの真っ最中。ハリーはクラチット同様、スクルージに乾杯しようと言います。
友人たちもそれにはあまり賛成では無い様子。ハリーも伯父の守銭奴ぶり、ケチんぼうぶりには同意しますが、それでも彼は伯父を愛しているのです。
「僕にはあの人の中にもうひとり別の人がいて、外に出たがっているような気がしてならない」。ハリーのこの台詞に私はハッとしました。もしかすると、スクルージが時折見せるお茶目な姿は、本当はスクルージ自身「そう在りたい」と望んでいる様子が漏れ出たものではないか…………
そして何よりスクルージが心動かされたのは、自分にそっくりの甥と、かつて愛したイザベルそっくりなハリーの妻が愛し合う姿。自分にもこんな未来があったはず……もしかすれば、自分は変われるのかもしれない……そう思い始めました。

辺りは暗くなり、さあ最後の精霊のお出ましです。こいつがやっぱ怖い!!🤣🤣🤣未来のクリスマスの精霊はおっかないです。
このままだと未来はどうなるのか。それを見せてくれたのですが……おや?6ポンドの借金をしているトム・フェギンスを中心に、なにやらスクルージに感謝を述べているぞ?……けどなーんか嫌な気配……😇貴方のおかげでハッピー!ベリベリサンキュー!とか言ってる……
あ!家の中から棺桶出てきた!!!けれどスクルージはそれに気づきません。自分が死んで喜ばれていると、彼は気づいていないのです……うわーエグッ
自分の存在に感謝されていると思っているスクルージに、未来の精霊は悲しいクラチット家の未来を見せます。針仕事をする奥さん、どこか暗い様子の子どもたち……子どもたちは四人しかいません。あの小さなティム坊やはどこに行ってしまったのかと問かければ、そこは墓場です。クラチットは我が子の墓に花を手向けながら、ごうごうと泣きました。
喜びと悲しみの未来を見せたのか。そう問いかけたスクルージが次に見せられたのは、なんと!なんと自分の名前が彫られた墓石!!!
さらに暗転して、真っ暗な中にマーレイが現れます。金儲けに取り憑かれた亡者たちは「お前のと比べれば、私の鎖なんて時計の鎖のようなモノさ」とマーレイが語る巨大な鎖を運んできて、スクルージの上に投げ捨てます。ここのシーン、めっちゃ怖いです。自分のしてきたことの重さに押しつぶされるとはまさにこのこと。助けてくれ!助けてくれ!藻掻いてもがいて、もがき続けていたら……


クリスマスの朝を迎えていました!スクルージは自分の心が入れ替わっていることに気づきますが、何をしたらいいのかわかりません。ひとまず窓を開けて「メリークリスマス!」と言いました。そうしたら「メリークリスマス!」と返事が返ってきます。彼はありったけの金貨を袋に詰め込んで家を出ました。町へ向かったのです!

まずスクルージが出会ったのは街の子供。スクルージを事務所の窓からからかっていたクソガキです。その子にドデカ〜〜〜イ七面鳥を買ってきてほしいとおつかいを頼み、それのお駄賃として「5シリング」をあげました。イギリスの通貨について詳しくないのですが、5シリングってどのくらいの価値があるんですかね?🤔鳩に2ペンスを、程度の知識しか無くて……1850年代の貨幣価値を知りたいものです。
続いてはおもちゃ屋にやって来たスクルージ。借金を取り立てられると思っていたおもちゃ屋の夫婦はビリリ散らかしますが、「ここのおもちゃ全部買う!お釣りはとっとけ!」と言われてやる気満々。更に6ポンドの借金をしていたトムも、あっちこっちでスクルージに借金をしていた人たちに「クリスマスプレゼントだ!」と言って借金を帳消しにしていきました。
その上、な……なんと!スクルージ自らがサンタクロースに扮してクラチット家へと凸るのです!マジか〜!!!🤣🤣🤣🤣

サンタがやって来たとクラチット家の子どもたちは大喜び。3人の娘たちに人形を、上の兄には本を、そして奥さんには「ハイ、現金」!ここで爆笑が起こりました🤣🤣🤣🤣
小さなティムにはとっておきのプレゼントが贈られました。回転木馬です。乗れるやつじゃなくて、ミニチュアでしたけどね。ティム坊やは「盗んだんじゃないよね?」と問いかけ(ここでまた笑いが発生)、スクルージはただ「メリークリスマス」と答えるのでした。
……ところがクラチット家の誰もが、サンタの正体に気づきません。「誰だかわからんのか?」というスクルージの質問にもクラチットは大真面目に「えっ?サンタさんですよね?」と返答😇
変装をやめて素顔を見せたスクルージに奥さんもクラチットも驚くしかありません。そりゃそうだ、頭がおかしくなったと思われても仕方ない🤣
クラチットの給料を倍にすると言い、彼のことを初めて「ボブ」と名前で呼びました。ティム坊やのためにはいい医者を探すと告げて、スクルージはまた別の場所へ向かいます。けれど贈り物もしたいスクルージは、贈り物がてら向かうことに。そこでばったりハリーとその妻と会います。
昔の自分にそっくりな甥にはこれまでの埋め合わせのプレゼントを、かつての恋人そっくりな甥の妻にはかつてイザベルに返された指輪を「君に持っていてほしい」と贈りました。

望めば、幸せになれる。そう、幸せになりたいと望むなら。
自分の人生を、人の人生を愛すること。

とっても素敵なミュージカルでした😌




あっ、今回はなんとスペシャルなおまけ付き!なんとカーテンコール後に、全キャストがクリスマスソングメドレーを歌ったのです!いやぁ、もう皆さんとっても楽しそうで🥰特に子役ちゃんたちが可愛かったですね〜。名前のある役が当てられている子もいましたが、町で歌う聖歌隊の女の子特に可愛かったです🥰
そして今日はなんと!過去のクリスマスの精霊を演じた愛原実花さんのお誕生日でした!!おめでとうございます!!!👏👏👏👏👏

……こんなことはあまり言いたくは無いのですが、先日水木一郎のアニキが亡くなって、ご年配の市村さんもいつそのお姿を拝めなくなるかわかりません。なので思い切って今回観に行って、すごくよかったと思います。観終わる頃には、『市村正親のスクルージ』に魅了されていました。人生に嫌われていると嘆き、けれど心優しい友人のおかげで愛する人たちをもう失わずに済んだ彼は……クリスマスをこの世で一番楽しみにしている方でした。




おまけのおまけ

現在のクリスマスの精霊が「今何年?」と聞いたとき、スクルージは「1858年」と答え(たように聞こえ)ました。で、ドレスの形状から察するに、あの時代は恐らくロマンチックスタイルなんですよね。
対してスクルージの若い頃、女性たちのドレスは胸から切り替えているエンパイアスタイル。所謂ナポレオンの時代ですね🤔フランスの帝政時代。
衣装もしっかり時代に合わせて作っているんだなぁ〜と感激しました!



終わり!