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ナスカ
2022-11-23 18:48:38
4156文字
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忘却の彼方から聴こえる声〜すずめの戸締まり感想〜
本日(2022/11/23)、すずめの戸締まりをようやっと観てまいりました!ネタバレの宝庫!あと映画の内容が内容なだけ、ちょっとお気をつけください……本文に注意喚起あります。
皆さんグッドハーブニング!ナスカです!
やーーーーーっとのことですずめの戸締まりを見ることができました!!!!😇いやネタバレ見ないようにするの大変だったわ!!!けどある程度の情報が入っちゃってたから、それが無ければもっとハラハラしたし観ててしんどかったよなぁ〜って感じです。
私が仕入れていた情報は以下のとおりです
「女子高生のすずめちゃんが災いを振り撒く扉を閉める話」
「イケメンが椅子になる」
「やべぇ猫がいる」
「公式での予告にいなかった眼鏡のちょいワル風美男子(CV神木隆之介)がいる」
そして
「緊急地震速報のアラームが鳴る等、地震に関する要素がある」
これまででっかい彗星が落ちて町が蒸発してたり、大雨が降って東京が水没したり、新海誠監督の作品では色んな災害が描かれてきましたが、今回はそれなのね〜という気分でした。なのでどういう話になるのかはわからないにせよ、演出面での覚悟はできていたつもりでした。
けど、それもいらなかったな〜何にも知らずに観るべきだったな〜とめちゃくちゃ後悔しました。ただ眼鏡のちょいワル風の存在を教えてくれたツイートには感謝してます。ありがとう。
さて、具体的な感想に入ります。
語りたいことたくさんありますが、ひとまずテーマとして扱われているなと私が思ったものを羅列していきます。
※あくまで主観です!かなりセンシティブな内容も扱うことになるので、ここから先を読むのは自己責任でお願いします!
「忘れられたものが自分の存在を思い出させようとする」
「災害が起きた時、被災地にいた人間と離れたところにいた人間の認識の違い」
「養親と養子の関係性」
「自分の中の小さな自分を救う」
鑑賞直後に感じたのはこのくらいですね。
まずひとつ目。
「忘れられたものが自分の存在を思い出させようとする」
災いこと「ミミズ」は必ず廃墟から這い出てきました。廃墟はぶっちゃけると、人々から忘れ去られたところです。ミミズたちは常世に住んでいて、扉をくぐって現し世にやって来ます。
常世は長髪イケメンでメインヒロイン(!?)の草太曰く「死者たちの世界」。そして扉を締めるには「そこに住んでいた人たちの思いを感じる必要がある」
……
。
もしかするとミミズたちはその忘れられた土地の念で、自分の存在を思い起こさせるために現し世に現れてくるのかなぁ〜と思いました。ミミズは扉を閉じる人が「かつて住んでいた人たちの思いを代替すること」で鎮められるのでは
……
?とも。
すずめがその場に行くことで、その場に関わっていた人たちが「場所の思い出」を振り返るのも印象的です。扉を締めることだけでなく、その土地の人が思い出を振り返ることでミミズも鎮められるのではないかなぁ〜
……
と。
ふたつ目
「災害が起きた時、被災地にいた人間と離れたところにいた人間の認識の違い」
すみません、これかなりセンシティブですよね。ぶっちゃけ私も「離れたところ」に住んでいた人間なので、デリカシーの無いこと書いてたらごめんなさい
……
。
すずめちゃんは観た方ならわかると思いますが、昔
宮城県に住んでいました。そして「眼鏡のちょいワル風美男子」こと芹澤君は恐らくすずめと同じ時には「離れたところ」に住んでいたのだと推測できます。
そうでなければ「ここってこんなに奇麗だったんだ」なんてセリフは出ないはず。
そのセリフが出たのは、津波で民家やあらゆるものが壊され流されて、草木が生い茂った夕焼けの風景。確かに見る人が見れば絶景でしょうけど(確かに美しい風景として描かれてはいたんです!)、すずめちゃんと同じ立場の方なら「綺麗って
……
??」とやや怒りを覚えることと思います。
芹澤君もよくよく考えれば、そこでそんなこと言うものではないとわかるはずなのですが、「思わず口をついて出た言葉」はやっぱり無自覚だったりしますよね。正直言うと、私は芹澤君寄りな立場だと思うので。
認識が根本から違うと、普通にやり取りしてるつもりでも思わぬ溝が生まれてしまうのが辛いところです。
みっつ目
「養親と養子の関係性」
サービスエリアでのすずめちゃんと環さんのやり取りは本当に観ていて辛かった!思わず腹の底の感情が出ちゃうってこと、ありますからね
……
。
環さんは「もうすずめには私しかいないからちゃんと育てなくちゃという責任感」と「すずめさえいなければ自分の人生はより良かった」という気持ちが拮抗してるはず。
一方すずめは「身寄りが無くなった自分を引き取ってくれたことへの感謝」と「ちょっと過保護で鬱陶しい」という気持ちがあるはず。
「子どもさえいなければ」とか言い出す親も世の中いるとは思いますが、環さんの場合すずめは姪っ子だし、すずめちゃんの親が亡くなったのは災害という不可抗力。どこにぶつけようも無い感情があったことと思います。
すずめちゃんとしても、叔母である環さんには感謝はあるにせよ「本当の子じゃない」という引け目があったことと思います。序盤で「彼氏?」と聞いたり、「私が叔母さんの人生を奪っちゃったんじゃないかって」と言うことに。
言葉にできない複雑な感情を人間が抱えるのって難しいですよね
……
。いや、私のような立場の人間がこんなことを語るのもかなり申し訳ないのですが。
よっつ目
「自分の中の小さな自分を救う」
私はここ最近、「人間は大人になっても子どもの部分は消えない」のだと思っています。言わば年輪のようなもので、経験したことは自分の中に残っている。そうでなければトラウマや思い出なんてものは生まれないはずです。
トラウマは克服できるものだと思いませんが、すずめちゃんはあの椅子を差し出すことで小さな自分を救えたはずです。そしてそのことで今の自分自身も救うことができたのだと思います。(ここだけ短くないか!?)
テーマだと思ったものに関してはこのくらいなのですが、今回はミスリードされまくりの騙されまくりでした😇
ダイジンのこともそうですし、最初のシーンで小さなすずめちゃんに椅子を差し出した人のこともそうです。
草太君のお祖父様が言っていた「要石になることで現し世を守る」というのは、要石になった者の矜持というやつなのでしょうか。ダイジンは要石に戻るのが嫌で逃げ回っていたと思っていたのですが、実際は扉の場所を教えるためでした。ダイジンに「要石にされた者の矜持」があるのだとしたら、一連の行動は納得です。
小さなすずめちゃんが出会ったのは、まさかの未来の自分
……
という。最初は「草太なのか?」と思い、でも冷静に考えて容姿と年齢が釣り合わない。あとで「お母さん」となって、最後は「自分自身」
……
。
常世が死者の世界だって言うなら、亡くなっだお母さんが椅子持って現れたと思うじゃん!?完全に新海誠監督の手のひらの上で転がされてましたね
……
流石です監督
……
。
では最後に語りたい話なのですが、映画の感想というか自分語りになります
……
。ここでブラウザバックしたい方はしてください。ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
3.11のその日、私は中学2年生でした。三年生を送る会を終え、体育館から教室に戻り、あとは帰りのホームルームを待つだけ。
ふと、隣りに座っていた男子が呟いたのです。
「地震だ」
私は再確認するように「えっ?」と聞きました。
すぐに揺れは強くなり、ほとんどのクラスメイトが机の下に隠れました。中には机の上に立って揺れを楽しんでいる馬鹿者もいましたが、長引く揺れとその強さから次第に周囲と同じ行動をとりました。
揺れる蛍光灯、目の前で落ちて割れた陶器の人形。「世界が終わるかも」と思いました。11年前ですので、スマホを持っていないTwitterもやっていない。情報を入手することができない。
やがて揺れが収まり、私達生徒は校庭に避難しました。幸い私の中学で目立った被害はありませんでした。耐震工事が終わっていたので、そうでなければ
……
とゾッとします。
校庭に集まると、私の担任教諭がこの頃には珍しいiPadを持ち出して情報を集めていました(担任は初授業で自己紹介の時に好きなアニメを聞いてくるオタク系の方でした)。その時に、規模も震度も大きかったこと、東北で特に揺れがひどかったことを知りました。
気をつけて帰宅するようにと指示があり、私は至って普通に帰りました。通学路は地面の隆起や沈下も無く、何事もなく帰れました。
家も無事で、母とまだ4歳にならない妹がいました。
テレビを見てみると、もう大惨事。沿岸部の石油コンビナートが燃えてて、大津波も来てて、原子力発電所がマズい事態になっている
……
。
「世界が終わるかも」は、ここでまた強く感じました。実際、あらゆるところで世界が終わってしまったのは事実です。
すずめの戸締まりは3.11かどうか関係なく、災害経験者にはかなり深く抉るような作品だったと思います。実際の災害に関する要素があると知らなければ、私はもっともっと抉られていたはずです。
神戸に立ち寄るところでは「阪神淡路大震災」だと思いましたし、「土砂崩れで放棄された町」というと場所は違いますが熱海での出来事を思い出します。
けれど抉られたことで、思い返すことができました。知らない場所に思いを馳せることもできました。
すずめの戸締まり、とても良い作品でした。
新海誠監督、並びに関わったすべてのスタッフの皆様、ありがとうございました。
蛇足なんですけど(本当に蛇足!)、名字の話。どうしてもしたくて!
すずめちゃんの名字は「岩戸」なのですが、岩戸って言うとやっぱ天照大御神が隠れたエピソード思い出しますよね。「戸」ですし。で、その「戸」を開くきっかけになったのは天宇受売命の裸踊りなのですが
……
。ウズメとすずめ、なんか響きが似てる気がするのです。それに「戸」の向こうにいる「神(にされた草太)」を引っ張り出すという役目も、共通しているように思えます。
これで本当の本当に終わり!!!ではこれにて!!!!!
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