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ナスカ
2021-12-18 22:28:56
1224文字
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変わらぬ眼差し
姫川先生の原画展で!!!!ヒストリア巻末漫画(カラー部分)のムービーが流れてたんすよ!!!!!んでもって漫画には無い演出で、前世様の目にオービルが映り込んでたんです!!!!!
どういうことなの!?!?!?って考えた結果こうなりました。当然妄想込みです!!!!!!
「勇者リンク、あなたにこの剣をお渡しできるなんて光栄の極みです」
曇りのない瞳。彼は出逢った頃のように、おれのことを真っ直ぐと見つめる。あのときの彼はまだ少年で、おれにとっては守るべき「民」の一人だった。
四年ともう少し前。魔族の侵攻により人々の心が荒み始め、疑心暗鬼に陥り、罪の無い者に罪を被せる世の中になってしまった。濡れ衣を着せられて連行されていく人々をどうすることもできず、おれは悔しさのあまり己を責めた。この地と、女神と、民を守るためにおれたちは居る。それなのに、ただ上の人間の命ずるまま、嫌疑をかけられた者を収監する手伝いをしなければならなかったのだ。
彼もまた、ありもしない噂話を理由に迫害された被害者の一人だった。黙って見ていることなどできない。おれは我慢の限界を迎え、無実の少年だった彼を戒める鎖を断ち切って彼を騎士団で匿うことにした。仲間たちはおれと同じ考えだったのか、罪を背負わされた彼に「ひどい冤罪だったな」と声をかけて温かく接してくれた。残酷な指示に従うことに皆もううんざりしていたのだろう。
「僕もあなたのように立派な騎士になりたいです」と、ある日彼が言ったときはとても驚いた。
「騎士たちをとても怖いと思っていました。悪くない人たちを連れて行ってしまうから。でも、それは本当の姿じゃないってわかったんです。その中でも、僕を助けてくれたあなたは特別な方です。だから、あなたのようになりたい」
民が騎士団を恐れていることは耳にしていた。理由は、彼の言ったとおり。だが、おれの行動が彼の認識を変えたと知った瞬間に、おれのしたことは正しかったのだと安堵した。その時に彼は騎士見習いとして団員の一人になることを認められた。鍛冶師の子だったという彼は武器の修繕に詳しく、おれの剣も何度か世話になった。
彼が見習いから昇格になろうとした頃、おれが彼を匿ったことが騎士団の外に知れ渡ってしまった。彼を引き渡せばおれは逃亡の手引きについて無罪になると言われたが、そんなことをする気は無かった。その上愚直だったおれは火に油を注ぐ。
「何故同族を苦しめなければならぬ。真に戦うべきは魔族。こんなところで内輪揉めをしている場合じゃない」
馬鹿なことをしたと今でも思う。けれどその時のおれはそれが正しいと思っていた。
結果おれは猜疑心の塊になっていた上層部に、そして彼らに洗脳されていたも同然の民たちによって、日の光も届かぬ場所へ閉じ込められることになった。当然騎士の称号は剥奪、愛用していた剣も折られてしまった。
それを今、立派に成長した彼が差し出してくれている。
民の目も心もうつり気だ。だが彼の目だけは変わらず、おれを見つめていた。立場が変わっても、いや、立場が変わったからこそ心変わりせずにいてくれたのかもしれない。
眠るのは少し先延ばしになったが、彼のその瞳に報いるのも悪くはない。そう思えるのだった。
終わり
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