ナスカ
2021-06-04 20:48:52
5596文字
Public
 

人生初!劇団四季のオペラ座の怪人は凄いらしい(凄かった)

2021/06/04に観てきた劇団四季「オペラ座の怪人」の感想です。当然ながらネタバレ注意。

皆さんおはこんばんちは!ナスカです!

本日2021-06-04、私は人生初のプロのミュージカルを観劇してきました。題目はかの名作「オペラ座の怪人」。演じられたのは劇団四季の方々です。
来年の1月で千秋楽を迎えると聞いて、「いつか行ってみたいなぁ」という思いは「必ず行かなければ」という決意に変わり、思い立ったら即行動ということで観てまいりました。

とても有名なミュージカルですが、この感想をお読みの方の中にはオペラ座の怪人をよく知らないという人もいるはず。というわけで、私が知ってる範囲で簡単に解説をば。間違ってたらゴメンね。


オペラ座の怪人は、フランスの記者であり小説家であるガストン・ルルーがパリのオペラ座で実際に起きた事件をもとに書いた作品です。ミュージカル用に書き下ろされた作品ではないんですね。原作の小説買ったんですけど実はまだ読み切れてません()ダメだこの人。

その小説を元にして作られたのがミュージカル「オペラ座の怪人」です。ミュージカル化にあたって省かれたり足されたりした部分もあると思いますがそこは割愛で。

ではこれまた簡単に、ミュージカル版での主要人物をご紹介。

クリスティーヌ・ダーエ
ヒロインの女の子。スウェーデン人らしい。オペラ座のコーラスガールの一人だったが、主役の代わりを務めたことでスターダムを駆け上がる。亡くなった父が遣わしたという「音楽の天使」から歌を教わっている。

ファントム(オペラ座の怪人)
クリスティーヌに歌を教えている「音楽の天使」の正体。オペラ座で色々な事件を起こしている人物で、その素顔を半分仮面で隠したミステリアスな男性。色んな所から現れたり消えたりするまさに神出鬼没。

ラウル子爵
クリスティーヌの幼馴染でオペラ座の新しいパトロン。クリスティーヌに惚れており、オペラ座やクリスティーヌを脅かすファントムを排除しようとする。

マダム・ジリー
オペラ座のバレリーナの教育担当。女王の教室での天海祐希っぽさのある女性。かっこいい。なのだが何故かファントムからの手紙を支配人に渡す係みたいになってる。ファントムの秘密を知っているようだが……

メグ・ジリー
マダム・ジリーの娘でオペラ座のバレリーナ。クリスティーヌと仲が良く、クリスティーヌを主役の代わりに勧めたのも彼女。朗らかで明るくて可愛い女の子。

カルロッタ
オペラ座で主役を務める女性。なのだがファントムからは結構辛辣に評価されている。主役を取られたとクリスティーヌに嫉妬しており、彼女を「チビ蛙」と評するがそのせいでファントムから報いを受けることに。


他にも色んな人が出てくるけど大体こんな感じですかね。

ではようやっと感想に入ろうと思います。


私は今回幸運なことに、一階の12列目で観劇することができました。座席に座ったときに感じたのは、「舞台狭くね?」ということでした。もっと広いステージで行われると思っていただけにちょっとびっくりというか、正直に言うと少しガッカリした気持ちになりました。どのくらいの広さかというと、おっきな映画館のスクリーンよりも小さいくらいです。劇団四季のステージってこんなにちっちゃいんだ……という気持ちが隠せなかったですね、ぶっちゃけ。

このときの自分を今は殴りたい。

ホールが真っ暗になっていよいよミュージカルが始まって、最初のシーンはオークションの場面。オペラ座に関する色々な物品がオークションにかけられていきます。ポスターや小道具、手回しオルガンに……復元されたシャンデリア。

そのシャンデリアを覆っていた布がオークションのスタッフに扮する演者が両サイドからバサッと剥ぎ取った途端にシャンデリアは一瞬眩く輝き、次の瞬間に暗転。そして流れる「Phantom the opera」あの不気味ながらも美しいパイプオルガンのイントロで始まる名曲が流れる中、シャンデリアはゆっくり客席の頭上へと登っていきます。それと同時に、明らかになるステージのあらゆる仕掛け。閉塞感を覚える古臭いオークション会場は消え失せ、華やかなオペラ座の舞台が姿を現します。その奥行き感の素晴らしさたるや!狭いと感じていたステージは一気に大舞台のように見えてきました。

そこからはただただ圧巻の一言。大勢の演者たちがそれぞれの役目を演じ、ステージのどこを見ても止まっている人は一人もいません。メインでストーリーを進めている人がいる傍ら、脇役に徹している人もいる。私はなんて素晴らしく恐ろしいものを見ているのだろうという気分になりました。これだけ作り込まれたものを完成させるのにどれほどの人の労力があったのだろうと、ただただ感嘆するしかありませんでした。

演者たちの歌声やダンス、演技もさることながら、私は舞台の仕掛けに目を奪われました。「これどうなってんの!?」とびっくりするものばかり。ファントムが自分の住む地下に向かうのに使う小舟は動くし、オペラ座の座席は舞台の両端に突然現れる。劇中舞台の表かと思えば突然舞台裏が表現されたり、ファントムの影が蠢く様子が投影され、かと思えばオペラ座の屋上が輝く星空と共に現れ、クリスティーヌの父の墓(かなりデカい)までもが舞台セットです。どれもすごいですが、第1幕の最後で落下するシャンデリアは本当に迫力満点!

そして何よりも、ファントムの紹介で書いたように彼の神出鬼没の仕掛けがすごすぎてわけわからん!下にいたと思ったら上に現れ、一瞬散った火花とともに姿を消す。右から左に、左から右にと文字通り縦横無尽。オペラ座の人々だけでなく、私も惑わされました。

話題は変わって、動きに音楽を合わせるということについて。私はディズニーのアニメーション映画が大好きで、動きに音を合わせることの凄さ、音で動きを表現する凄さをそれなりに知っているつもりです。中でも私が気に入っている「動きに合わせた音」は、気絶したクリスティーヌにファントムが自分のマントをかけてあげるときの音。あの優しげなシャラララ……という音(恐らくウィンドチャイム。鉄琴を吊るしたみたいな楽器)に、マントのふんわりとしたイメージや、何よりもファントムのクリスティーヌを想う気持ちが籠もっているように感じられてとても印象的でした。アニメーションなら何度も編集や撮り直しが利きます。けどこれはミュージカル、一度始まったら止まらない言わば「生き物」です。少しでもズレれば違和感を生みます。これをピッタリ合わせることの凄さ……わかりますか???ちなみに私も一応ミュージカル経験者です。大学のゼミでやった、手作り感溢れる小規模なものでしたが。けどだからこそ、劇団四季の凄さが理解できたのだと思います。

ではここで、全編通して見たところの登場人物の印象について語ってみましょうか。先程のは単なる紹介でしたのでね。

※注意!
フォロワーはご存知のことかと思いますが私はオタクです。しかも今回のオペラ座の怪人が初めて見た劇団四季のミュージカルです。喩えとかイカれてると思いますが、どうかご容赦くださいませ。


まずは謎が多すぎる男、ファントムについて。

私が見ていて感じたのは、ファントムは「クリスティーヌ推しのしかもガチ恋勢」ということでした(のっけから言い方がひどい)
けどだってそうなんですよ!ただの脇役コーラスガールにすぎなかったクリスティーヌを見初めて、自分が教鞭を執り、「愛と音楽を捧げた」とまで言っちゃう。クリスティーヌに主役をやらせなければ平気で人は殺すし、数々の脅しも厭わない。しかし彼は同担拒否では無いようです。多くの人々にクリスティーヌの才能を認めさせようとしてますし、それは間違いないでしょう。ただ、恋敵であるラウル子爵のことは拒否るしか無いようです(笑)ガチ恋勢だからね、仕方ないね。
そんな彼はとにかくクソデカコンプレックス持ち。仮面で隠した顔半分は見るも醜い姿。母すら愛してくれなかったと言うその容姿を誰にも見られたくなく、正体を知りたいと仮面を剥いだクリスティーヌにですら「悪党」「地獄に落ちろ」と言ってしまいます。あと関係ないですけど、ラウル子爵のことを「若造」と呼んでいるので自分がおっさんの自覚はあるようです(オイ)
クリスティーヌに才能を見出し、愛を捧げ(自分が作り上げたオペラの主役にクリスティーヌを選んでいるので、もはや「俺が作った最高のオペラを俺の推しが演じるとか最高じゃん」状態ではあるけど)、話が進むうちにそれが捻じ曲がって憎しみに変わって暴走してしまう様子は本当に見ていて可哀想でした。そして彼は自分が最も嫌っているであろう自分の素顔にクリスティーヌが口付けてくれ、抱きしめてくれたことで救われたのか、仮面を残して姿を消してしまいました。この時のファントム、推しの供給がありすぎて言葉を失ってオロオロするオタクにしか見えませんでした(←)
オペラ座の怪人は本当にいたのか、謎に思ってしまえるほど、彼は跡形もなく消えていたのです……


続いてはヒロインのクリスティーヌ。

最終的に思ったのは「お前結局どっちが好きなんだよ!!!」でしたね!(←)
最初はラウルとの再会を喜ぶものの、「もう幼い頃の私たちじゃない」と呟いたり、ラウルと恋仲になるのは少々否定的でした。むしろ自分に教授してくれるファントムを恋い慕っているような様子。しかしファントムの素顔を見て激怒されるとファントムに恐怖心を感じて、そんな自分を守ると言ってくれたラウルに恋をします。おま……ファントム可哀想やんけ……
けれど彼女の心も揺れ動いていたようで、ファントムを殺そうというラウルに「馬鹿なことはやめて」と言ったり、亡き父の遣わした音楽の天使である(と思いたい)ファントムに縋りたいと思っているように感じられる場面があったり、彼を恐れていながらも愛しているように見えるんですよね。
舞台がファントムによってめちゃくちゃにされ(ファントムの言うことを聞かなかったのが悪いんだけど)、ラウルと共に屋上に逃れた時に「君を守る」と誓うラウルと口付けを交わすシーンは本当にロマンチックなんですよね。ただそれをファントムは隠れて見ていたわけで……彼はそれを手酷い裏切りだと思うわけですね。あ、ファントムの話になっちゃった。クリスティーヌの話に戻ります。
色々とやらかしたファントムにクリスティーヌは地下へと再び連れ去られます。クリスティーヌを助けに来たラウルはファントムの罠によって首吊りされかけますが、ファントムはまだラウルを殺しません。クリスティーヌに、ラウルの生死を委ねるのです。自分の元に留まればラウルを救ってやってもいいと。クリスティーヌは悲しみが憎しみに変わるのを感じながらも、「貴方が醜いのはその顔ではない」と言います。そして、ファントムの項で述べたようにクリスティーヌはファントムにキスをするのです。二回も。しかもハグ付き。このときのクリスティーヌの気持ちは何だったのでしょう。哀れなファントムへの慈愛なのか、ラウルを救うために我慢してファントムを落ち着けるためにしたのか……どちらとも言えますよね。私は慈愛のキスだと思いたいです〜!!!正直クリスティーヌにはファントムを選んでほしかったので〜!!!!


次はラウル子爵。

彼のクリスティーヌへの愛は本物だと思います。オペラ座の新しいパトロンとなり、初めて見た舞台で主演を務めているのが幼馴染みだったとわかるくらいなのでその想いは否定できません。彼は本当に体を張ります。クリスティーヌを守るためなら自分の身すら危険に晒します。もう男の中の男ってやつです。かっこいいです。確かにクリスティーヌがラウルを最終的に選んだのもわかるんですよ。自分がとても辛く苦しい思いをしている時に、「君を守る」と言ってくれる人の存在がどれほど支えになることか!ラウルは言葉だけでなく行動で示すのです。ぶっちゃけすんごくカッコいいんです。最初は「久々に会えたんだし夕食でも一緒に」とクリスティーヌの意見も聞かずにガツガツ迫ってくるのでとんでもない男だと思ってましたが、彼はファントムとの戦いを経て、クリスティーヌを真の意味で愛する人へと変わっていくのです。ファントムがラウルを成長させたと言ってもいいくらいです。
首吊りに遭いかけて死にそうになっているのに「僕の事はいいから、僕は犠牲になってもいいから」とクリスティーヌがファントムのものになるのを止めようとします。ヤバいですよ、いい男ですよ。超優しいんですよ。
あとオペラ座を封鎖してファントム殺害計画を自ら立案して警備員まで雇う辺り、彼の財力が為せるものだしその行動力は素晴らしいなぁと思います。悔しいけど、クリスティーヌがラウルを選ぶのには納得するしかないかと。顔、財力、性格、全てにおいて高スペック!敵わないね!


語りたいこと、まだ山です。けどこの感動を言葉にしてしまうと、何だか「言葉という形に嵌めることになる」ような気がしてしまうので、急ですがここらへんで終わりにしたいと思います。

あ、ミュージカルの内容ばかり話していましたが、ロビーや入り口で案内をしている人たちもとても素敵でした。まるで自分が立派な家柄のお客さんになって観劇しに来た、そんな錯覚をしてしまうほどです。初めての劇団四季、本当に楽しかったです。こんな状況下で行くのもどうかと思いましたが、こんな状況だからこそ見て支えたい。そう思いました。

千秋楽を迎えるまでにもう一度見に行けたらと思います。それではこの感想はナスカがお送りしました!バイバイ!