【UT】水の粒たちと光に囲まれたオルゴール

ずっと聞いていられる(迫真
Monster KidとFriskのお話。

淡く発光する石の涼やかな輝き。声を真似覚える花の色。明滅をくり返す光の粒子。
硬い岩盤の間を流れる青白い水は煌々と辺りを照らし、その水を吸い育った菌類もまた同じく淡い青色の光を放つ。
これぞ洞窟、これぞ地下世界あらん不思議で綺麗な光景。水音と静寂が支配するエリアの一角。ごうごうと流れる滝の音や、ざあざあと降る雫、流れる水の音や反響する花の声とは違う甲高くそれでいて透き通るような音色が鳴り響く場所がある。



*あなたは 濡れるのも気にせずに 石像の傍でオルゴールの音に 耳を澄ませた

誰が作ったのかも分からない一人ぼっちだった石像。その石像に傘を立てかければ中から水とは違う澄んだ音色が鳴り響く。もうパズルは解いてしまったのでお役御免となった石像ではあるが、時折石像の前に佇み耳を澄ませる通行人がちらほら増えた。
傘にあたり弾けた飛沫で濡れようともFriskは顔色一つ変えず石像の前に立ち続ける。
「おーい!!」

*遠くから 元気な掛け声が 聞こえる
 ほどなくして 元気いっぱいに駆け寄ったMonster Kidを あなたは転ぶ直前に受け止めた

「へへっ ありがとな!」
結果からして無事地面との熱烈なキスを回避したMonster Kidだったが、ほぼ速度を落としていない状態で突っ込んだ形になりMonster Kidが地面に熱烈なキスをする代わりにFriskは地面にお尻を強かに打った。
Friskが微妙に痛むお尻を擦りつつ二人仲良く立ち上がれば石像から鳴り響く音色に気付いたのかMonster Kidの黄色い尻尾の先が左右にゆらゆら揺れる。
「このせきぞう、なんでここにあるのかしらなかったけど こうしてみんなにこの音を きいてもらうためだったんだな」

*Monster Kidの「きれいだなァ」という言葉に あなたは静かにうなずいた

傘にあたる雫の音さえオルゴールの音色と合わさり透き通る曲の一部となり二人揃ってその音に耳を澄ます。
「オレ、おまえとナイスクリームたべたり 追いかけっこしたくてさ さがしまわってたんだ」
Friskを見て白い歯を見せながら笑った後、Monster Kidは傘を立てかけられた石像の横に立ち、そのまま濡れた地面にべちゃりと座った。
「これ、もうちょっときいてからあそぼうぜ! おれじしん なんでかよくわかんねーけど!!」

*あなたは あとでこの仕掛けはUndyneが作ったんだよ とコッソリ教えようと決めた
 Monster Kidの興奮する姿が目に浮かぶ……

石像を中心に差し込む光の輪。その輪の中で石像にぴったりくっ付くMonster Kidの隣にFriskが座る。呆然とMonster KidがFriskの顔を見ていたら、視線に気づいたFriskもまたMonster Kidの顔を見た。しばし見つめあっていると双方同時に笑いあった。
一頻り笑いあい他愛のないおしゃべりがポツポツと無くなる頃、再び天井から降り注ぐ雫が傘にあたる音、石像の中から鳴り響く音色に耳を澄ませる。話す内容が無くなりぎこちない沈黙が降りたのとは違う、何も喋らなくても気まずくない心地よい沈黙は気兼ねない相手だからこそ成立する。一緒にいるだけで同じことを共有するだけでいい。
同じ旋律をくり返す音色は何時しか穏やかな眠りを連れてきて、うつらうつらと船を漕いでいたかと思いきやMonster KidとFriskは互いに寄り掛かる形で寝てしまった。



………
透き通る音色に穏やかな寝息が仲間入りしたのを見計らい控えめなため息を従えた足音が二人に近付き睥睨する。完璧に寝入っているのを確認してまたため息。だが、満更でもないのか鋭い牙が口から覗いている。
青い鱗に覆われた手を伸ばし何てことないように小さな子供らを左右それぞれに担いだ。すっかり濡れてしまった子供らで濡れるのも厭わず、そもそもWaterfallに住んでいる身としてはあまり問題ではない。

*お寿司のにおいがする
 あなたは目を覚ましそうとするが 気持よい揺れに誘われ 二度寝が確定した

居心地の良い場所を見つけたらしく鱗を持たない子供が寝ながらにへらと笑う。それにつられてか黄色い尻尾を持つ子供もにへらと笑う。
つい口から豪快な笑い声が飛び出そうになるも気合で押し込んだ。しかし、何も喋らず無言のままSnowdinに行くのもなんだ。
「~♪」
徐々に遠ざかっていくオルゴールの音色と調和するように口ずさむ曲はWaterfallですれ違った住人やおろかSnowdinの入り口で子供らの帰りを待っていたでこぼこな骨の兄弟に聞かれてしまったが構わない。
今のUndyneは機嫌がいいんだ。