すもも
2020-12-31 22:37:10
1055文字
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ノーブルの音セシがキスする話

キスしてるだけのSS 書きたいところだけ書いたので短いです
※pixivに再掲済み

「オトヤ」
名前を呼ばれて振り向くと唇に柔らかなものが触れる。目の前に迫るセシルの顔がゆっくりと離れてゆき、そこで初めてセシルの唇が触れていたのだと自覚する。
「ふふ、してしまいました」
照れくさそうに、でもそれ以上に嬉しそうに顔を綻ばせるセシルの頬は赤く染まっている。付き合い初めてから随分と経つがキスをしたのは初めてだった。
「ずっとオトヤとキスしたかったから嬉しいです」
うっとりと頬を染め恥じらうように口元を隠す姿に心臓が大きく音を立てる。堪らずセシルを抱き寄せて、今度はオトヤから唇を塞いだ。嬉しそうに閉じられるセシルの瞳を間近に眺めながら、無防備な唇を割り開き舌をねじ込む。
「っ!……んっ」
突然のことに小さく縮まる舌を捕まえる。熱く濡れた舌を根元からすくい上げると鼻にかかる甘い吐息が小さく漏れた。サラサラとした髪の中に指を滑り込ませるとそのまま引き寄せて、さらに唇を密着させる。
「ふ、ぁ……っん、」
舌をねっとりと味わうように絡めとると、濡れた唇の隙間から熱い吐息が零れ落ちる。
オトヤによって初めてもたらされる感覚に、伏せられた睫毛が耐えるように震えているのがいじらしい。それなのに、舌に広がる熱と鼓膜をくすぐるセシルの甘い声にどうしようもなく興奮してしまう。
深く貪るように口内を弄られて、粘着質な水音と共に混じり合った唾液が溢れてセシルの顎を濡らした。
「んんっ!ん、っ……ん」
オトヤにされるがまま戸惑っている舌に吸い付けば大きく身体が反応する。その反応が可愛くて何度も舌を吸い、その度にビクビクと反応する身体を強く抱きしめる。何度目かの時に一際強く吸ってから唇を解放した。
「っ、は、……はぁ、ん、」
離れた唇を繋ぐ銀糸がぷつりと途切れる。
虚ろに潤み蕩けた瞳が、口元を拭うことも忘れて空気を求めて喘ぐ様子が煽情的だった。
「俺もずっと会長とキスしたかった」
色付く瞳を覗き込めば熱っぽい視線が返される。唇を濡らす唾液を優しく親指で拭うとピクリと肩が揺れた。
「もっとキスする?」
悪戯に笑って問いかけると朱に染まる目元が恥じらうように俯いてしまった。
セシルには申し訳ないが、その初心な反応が愛しくてつい口元が緩んでしまう。このまま再び唇を塞いでしまおうかと考えていると、視線が上がり潤んだ瞳にねだられる。
「もっとしたいです。オトヤ、キスして……?」
思わず喉が鳴る。もう、本当にこの人は。
熱に浮かされた瞳に求められるまま、オトヤは噛み付くように柔らかな唇を塞いだ。