しろくまたたくはくしゅんさん
2023-06-04 11:24:38
635文字
Public
 

【アルカヴェ】されど、理想には程遠い⑤

※死ネタ カーヴェデートイベントネタバレあり。推敲していません。いつか支部にまとめたい

花霊たちのささやき



「眠っているノ?」

「違うわよ。死んでいるのヨ」

ふわふわ、ふわふわ。花の中。埋もれ、うずくまるヒト。

「ヒトは、ニンゲンは、死んでも体が残るのネ」

「そう。それで、虫に、ケモノに、うじゃうじゃと集られるノ」

「まあ、まあ!花が汚れてしまいますワ!はやく追い出さないと!」

そよそよ、そよそよ。花びらが頬に、髪にかかる。

「こら、寄るんじゃありません」

空を飛ぶ獣も、地を駆ける獣も、花畑の周りに寄ってきた。
けれどじっと亡骸を見つめるだけで、それ以上近寄らない。

「アナタたち、そこでなにをしているノ?サボリ?」

「違います。先輩、このニンゲンが花を、大地を、穢そうとしているのです!」

ゆらゆら、ゆらゆら。立派な冠を付けた薄赤の花霊がやってきて、亡骸の上でくるりと回る。

「まあ、なんて、純潔な魂!穢れるなんて、とんでもナイ!」

きらきら、きらきら。死してなお、花に埋まるニンゲンの体の魂は輝いていた。外殻は砂で汚れ、病で骨肉が衰え痩せていても、内殻の水のように空を映す魂だけは保たれていた。

どんどん、どんどん。どこかから大地の鼓動が聞こえる。
他の花霊たちも集まってくると、手をつなぎ輪になり、歌う。回る。きゃあきゃあ、子どものように。

「どうか、この魂が迷うことなく、来世へ導かれんことを!」
「願わくば、花になりますように」
「美しい、花になりますように」
「咲き誇る、花になりますように────」