Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
しろくまたたくはくしゅんさん
2017-02-26 22:39:57
2132文字
Public
Clear cache
「みからでたココア」
「 」
http://privatter.net/p/2219161のグッドエンド。今剣視点。
「あるじさま。およびですか?」
あたらしいあるじさまは、まだほんまるのことを、よくしりません。きょうは、このぼくがきんじのやくめをにないました。
「今剣。よく来てくれた」
あるじさまは、とても三日月さまににています。おやこなので、あたりまえなのですが。ひとみのみかづき、しゃべりかた、しぐさや、こえ。ふしぎですね。そだてのおやはちがうというのに。ちがうのは、かみのけ。まえのあるじさまゆずりの、すこしいろのぬけた、かみのけ。
「今日は第二、第三部隊を遠征にいかせようと思う。といってもどこに向かわせようか迷っていた」
「ふむふむ、わかりました。ちょっとみせてくださいな」
すきあり、とあるじさまのひざのうえへ。あるじさまは「はっはっは」とわらうと、ぼくのあたまをなでながら、きかいをよこしました。あつかいがにがてだから、とじぶんではめったにさわりません。
おおきな、あたたかい手にあまえつつ、しゅんしゅん、ときかいをそうさします。
「ぬぬ。あるじさま。とぎいしがすくなくなっています」
び、とゆびさすと、こころもとないすうじがそこに。あるじさまは「おお」といいながら、すこしかんがえたあと、「そういえば、この間の『いべんと』というやつでたくさん使ったぞ」とこたえました。
「では、だいにぶたいを
――
」
それぞれのぶたいちょうをよびだし、えんせいへとおくりだします。あるじさまは手をふりながらみおくると、またへやへもどります。
「きょうは、しゅつじんしないのですか」
「うむ。そうしようと思っている。いべんとで頂いた褒美の整理をしなくてはなぁ」
つまり、だいいちぶたいと、だいよんぶたいで、てつだえと。それならたたかっていたほうがまだよかったきがします。
「しょーがないですねぇ。みんなをよんできます」
「頼んだ」
そして、みんなでいただいたほうびをあけてみると、なんということでしょう。でてくる、でてくる、とぎいしが、たくさんでてくる。
「あるじさま~!」
「はっはっは」
「あるにこしたことはなかろう。そこらで止さぬか今剣よ」
岩融はあるじさまのみかたですか、とにらむとわらいとばされました。ぽくぽくとあるじさまをたたく手を岩融がばんざーいとつかみました。そのままかたぐるまにのせられて、どこへいくのでしょう?
「主、疲れたろう。厨房でなにか飲み物をもらってこよう」
「ああ、行ってくるといい」
まってください、ぼくのいかりはおさまっていませんよ、と岩融のかみをめちゃくちゃになでまわします。されるがまま、なすがままよ、と岩融がおかしそうにわらっているのをみて、なんだか、どうでもよくなりました。
ちゅうぼうについて、燭台切さまにはなすと、わらいながらこうかえされました。
「それは災難だったね。でも、あの三日月さんの子なんだし、頓着しないと近侍は務まらないかもしれないね」
「確かに。今回の件は、褒美を先に確認しなかったことに落ち度があると言える」
「ええー・・・・・・」
そういわれると、そうかもしれません。まあ、ともあれこんかい、いたいめにあったのですから。つぎからきをつけるとしましょう。
「おや?」
「おっと、ポットは熱いから気を付けてね。カップに粉はもう入れてあるし、こぼさないように」
燭台切さまがよういしたものを、岩融とふたり、はこびいれます。あるじさまのへやはだいぶかたづき、このちょうしならゆうげまえには、なんとかおわるでしょう。
「今日のお八つはなんだろうか」
おぼんには、クッキーがきれいにならべられています。あるじさまの手がのびてきたのを、ぺしり。のみものは、いまからつくります。
マグカップに、ポットをかたむけると、でてきたのはしろい、しろい、ミルク。あたたかく、ゆげがのぼり、カップのなかで、くるくる。しろからすこしずつ、あまーく、こいいろに。
「でーきまーした!」
ただまぜただけなのですが、あるじさまはめを、ぱちくり。「あついですよ」とこえをかけて、めのまえにさしだしますが、うけとったあとも、ぼうっとそれをながめていました。
「あるじさま?」
「ん? あ、ああ・・・・・・」
ふぅ、ふぅ、とさまし、ちょっとだけ、なめるようにのみました。
「
――
甘い」
「それはそうです。ミルクココアですも、の
――
」
ぼろり。
ぼろぼろ、ぼろ。
「主?」
岩融のあわてたこえ。あるじさまは、すぐにそれを手でせいしました。ひとみから、ぽろんぽろんなみだをこぼし、それでもココアにくちをつけます。
「甘い。これは、甘い」
そうやってのんだそばから、すいてきがおちていくのです。あまいのが、にがてだったのでしょうか。そうきこうとすると、岩融がそっとかたにふれて、ふりかえると、くびをよこにふりました。
「主。飲み終わったら呼んでくれ」
岩融が、ぼくのぶんのカップをもつと、あるじのへやをでていこうとします。ぼくはそれについていくことしかできません。
へやからでていくとき、あるじさまがつぶやいたなまえ。それはたしかにかれが、あるじさまとともにあった、あかしなのです。
「みからでたココア」
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内