そら
2019-12-21 03:48:24
1095文字
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【アンジェリーク】お嬢ちゃん【オスカー】

オスカーさま聖誕祭2019。オスカー×女王リモージュ。SP1終了直後の時間軸で「お嬢ちゃん」と呼ばれるのを不満に持つアンジェリーク。

 日の曜日はお休みの日。
 女王という重荷から解放される。
 一人の女の子として過ごせる日だった。
 アンジェリークはお忍びで外界に出る。
 聖地では手に入らないアイテムが待っている。
 どうしても一人で選びたかった。
 お目当てのものをラッピングしてもらう。
 赤いリボンではなく、青いリボンをかけてもらった。
 どんな顔をして受け取ってくれるだろうか。
 想像すると心が浮き立った。
 クィーンズゲートをくぐる瞬間、肩を叩かれた。
 驚いて振り返ると、炎の守護聖がいた。
「いつまでも手間のかかるお嬢ちゃんだな」
 張りのある声が言った。
「もう、お嬢ちゃんじゃありません。
 アンジェリークと呼んでください」
 少女は訴えた。
「俺からしたら、お嬢ちゃんはいつまでもお嬢ちゃんだ」
 オスカーは言った。
「一人前の女王です」
 緑柱石の瞳で見上げる。
「では、置き去りにされた哀れなナイトの手をお取りください。
 女王陛下」
 オスカーは恭しく礼をする。
 アンジェリークは差し出された手に、自分の手を重ねる。
 できるだけ優雅に。
「屋敷まで送っていこう」
 女王試験をしていた時のように、オスカーは言った。
「ありがとう。
 でも、一人で帰れるわ」
「少しでも長く一緒にいたいんだ。
 ささやかな望みを叶えてくれないか?」
 甘いやかな囁きに期待をしたくなる。
 少しでもオスカーの理想とするレディになれたのだろうか。
 プレイボーイの彼の気持ちは読めない。
 お嬢ちゃんだからだろうか。
「私の名前を読んだら考えるわ」
「残念だ」
 オスカーはためいきをついた。
 青いリボンの包みを押しつけるように渡した。
「誕生日、おめでとう」
 繋いだ手を離した。
 アイスブルーの瞳が驚いたようにアンジェリークを見る。
「これのために外界へ?」
 オスカーは尋ねた。
「一度しかない誕生日ですもの。
 大切な人には送りたいわ」
 アンジェリークは言った。
 クィーンズゲートをくぐる。
 女王と守護聖の立場を思い起こさせる。
「本当に困ったお嬢ちゃんだ。
 このオスカーさまを惑わさせる」
 青年は言った。
「ありがとう。
 これほど嬉しい誕生日はないぜ」
 一見、冷たく感じる瞳が細められる。
 喜んでくれたようで、外界へ赴いたのは正解だったと思う。
 一人の女の子として選んだプレゼントだ。
 気に入ってくれたら嬉しい。
「感謝するぜ」
 オスカーは言う。
 答えが出たようだ。
 たとえ、いつまでも彼にとって『お嬢ちゃん』でも。
 名前を呼んでくれなくても。
 幸せだった。