そら
2017-06-17 14:45:32
474文字
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5弁ライラック

『ピクシブ主従』 ジャン→リラルネージュ嬢 古くからの言い伝え

春の楽しみはライラックの花弁集め。
決して香水を作れないから、絹の小袋に入れて香りを楽しむ。
貴婦人が好んだから、ジャンもライラックを見るようになった。
それは学園に来てからも同じ。
時は流れて、ジャンは主を想い5弁のライラックをそっと口に含む。
5弁のライラックを誰にも言わずに飲み込むと、愛する人と永遠に過ごせると言う。
叶うはずなどないと思いながら、迷信にすがりつく。
結ばれなくても傍でお仕えしたい。
主従になったものの、それは学園内のおままごと。
主人はいつかは、釣り合いの取れた階級の男性と式を挙げることだろう。
そこには自分の姿はない。
嫁ぐ主についていくことなど出来ないのだ。
プランタヴェル家とアゾート家の間に結ばれた主従関係は揺るがない。
何世代にも渡り連綿と続いてきた。
卒業後は階級にあった女性に妻を迎え、次代へと血を残さなければならない。
それが決まりなのだ。
生まれる前からの取り決めに逆らうことはできない。
だから、せめて学園内ではHSとして精一杯お仕えしたい。
太陽のような黄金の光を見つめながら思うのだった。