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ひろか
2022-10-01 23:21:37
1578文字
Public
観劇録
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*観劇録*『弾倉に薔薇を込めて』感想。(と考察?)
K-FARCEさん『弾倉に薔薇を込めて』感想と、考察というほどでもないなにか。
⚠︎内容に関するネタバレ・深読みを含む可能性があります。
『弾倉に薔薇を込めて』感想。(と考察)
⚠︎内容に関するネタバレ・深読みを含む可能性があります。
あっという間の90分。
そんな言葉がよく似合う作品だった。
私がいままで観てきた舞台は上演時間の中で場面転換があるものがほとんどで、時間いっぱい同じ日、同じ場所で起きた出来事を観るというのはなかなかない経験だったように思う。つまり登場人物たちの生きる90分をそっくりそのまま私も目撃したということで。なんだかそれってすごいことのような気がする。しかもとあるビルの屋上というそう面積のないであろう空間にこれだけの人数集まって、全員のクセが強いと来た。Zは暗殺対象の多い向かいのビルを呪われていると表現していたけれど、本当に呪われているのはもしかしたらこのビルかもしれない。
そもそも殺し屋二人の出会い方があんなにフランクでいいのかという。隣でスコープを覗いてからの初会話が「あなたもしかして
…
!」「え、おたくも!?」って、しかも双方オープンに嬉しそうなの、客席で面食らった。それでいいの!?って。かと思えばそこに迷い込んでくるOLは自殺しようとするし、某怪盗は来るし、抜けまくりの泥棒たちも来るし、警察も来るし、しまいには人質を連れた爆弾魔も来るし
…
個性のオンパレードのようなメンバーが顔を揃えることになる。なぜならこの作品はコメディだから。楽しければなんでもありなのだ。
だから物語として細部考察する、というよりは、目の前で起こる喜劇をただ楽しんで、劇場を出た時に「なんかわからないけど楽しかった!!」と思えたあたり大成功だったのではないだろうか。というのも、コメディって実はものすごく難しいのでは?という気がしていて、起承転結をギャグで覆い隠して観客に考える隙を与えない、そして飽きさせないって相当大変なことだと思う。そのために必要なのは観客全員が楽しめる面白さと、それを生み出す個性的なキャラクターたちだ。
曰く、全員ボケ。ツッコミ役は主人公のZくらいで、あとは全員ボケ。最初の方この人はまともだと信じていた田中でさえ、作品全体を振り返ってみるととんでもないボケだった。でもボケてる感というのは一切なくて、全員が全員本気で、真面目にその一瞬一瞬を生きていた。それがかえって面白くて、私も心の中でたくさんツッコミを入れながらとあるビルの屋上の出来事を見守った。
Zに代表される登場人物たちはみんな魅力的で、特に女の子たちが各々強くて最高だった。どの子もかわいくてかっこよくて好きなんだけれど、唯一か弱い印象で登場した人質の加古川さんが時間の経過につれて誰よりも強くなっていくのが面白くて面白くて。そして女性陣に押されていく男性陣が肩身狭くしているのがかわいらしかった。結局のところいざってときは女性が強いのかもしれない。触らぬ神に祟りなしというか、怒り狂う女性陣を見ておとなしくしとこうって男性陣が後ろの方でちょこちょこしている情けなさ。そんなところをかわいいと思ってしまうあたり男の人ってずるい。
私が観劇した千秋楽公演でZを演じた堀有里さんもおっしゃっていたのだが、「何も考えずに笑って過ごせる90分」ってすごく意味のある贅沢なものだと思った。いろいろ辛いことも大変なこともあるし、このご時世考えなきゃならないことが多すぎるから、それを忘れてひたすら笑えるのはありがたくて素敵なことだなって。何も考えないっていうのは難しいことだって何かの本で読んだけれど、それをいとも容易く実現させてくれるのがコメディの良さだなと思った。
…
ところで、タイトルの薔薇ってなんだったんだろう。
〈『弾倉に薔薇を込めて』公演情報〉
※敬称略
製作:K-FARCE
公演期間:2022年3月23日〜3月27日
会場:萬劇場
脚本・演出:テラモトタカシ
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