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ひろっぷ
2023-05-30 00:44:10
794文字
Public
第五 ハス探
rainy day
雨の日のハス探
ざあざあと大きな音を響かせて屋根が軋む。
教会のゲームで走り回っていたノートンとハスターは突然の豪雨に足止めをくらっていた。
教会横の小さな小屋に逃げ込めば忽ち雨が強まり、出口の先が見えないまでになっている。通信機も碌に繋がらず立ち往生だ。
「また土砂降り
…
あなた雨男か何かですか?」
『ぬかせ。それはそなたの方ではないか?雪の地では猛吹雪となったではないか』
「違いますぅ。あなた以外のハンターなら降った事ないですぅ」
『フ
…
よく囀る』
いつもの言葉の応酬を交え、ハスターはノートンの髪を梳く。雨で湿った髪が指の間で引っかかり軋む。
『痛むか』
「
……
!」
なぜ、と一瞬驚き目を見開くがすぐに眉間に皺を寄せる。この邪神に誤魔化しが効かないというのを思い出したからだ。特にノートンに対してなのだから余計にだろう。
『不調となったそなたは口数が増える。何年共にいると思うておる』
「
……
他の人も見たらどうなの、あなた。まるで僕しか見てないみたいだよ」
『好きに解釈せよ。万全の状態でなければ我とてつまらぬ。
…
さて、案内人を』
「
…
待って」
念じるためか幾多の瞳を閉じるハスターの袖をぐいと引っ張った。ハスターが見下ろせば俯いてぼそぼそと呟いている様子が見える。雨の音が強いせいか中々聞こえない。
『なんだ』
言いたい事は分かっている。だがハスターはこの寡黙な男からの言葉が聞きたいのだ。聞こえてはいるが聞こえないふりをして屈む。じゃり、と後ずさる音も聞こえた。
「もう少し、ここがいい」
耳を赤くして告げたその言葉にハスターは無粋な真似はしない。真摯に受け止めてやる。それがいい。
『
…
そうか』
この男にはそれが一等恥ずかしいのだ。
雨で濡れた髪が乾くのが先か雨が止むのが先か。
髪を梳かれて頭痛が緩和しているのか柔らかくなった表情を見ながら、ハスターは小さく笑い声を溢した。
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